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玉造の湯

 わたしが実家からガメてきた『枕草子』(小学館 日本古典文学全集11)に、


「湯は ななくりの湯。有馬(ありま)の湯。玉造(たまつくり)の湯」


 とあります。

 底本によっては記述される温泉が違ったり、段自体なかったりするそうです。

 で、脚注を見てみますと、「ななくり」は七栗で、三重県久居市榊原町にある温泉。「有馬の湯」は兵庫県神戸市兵庫区有馬町の温泉。「玉造」は宮城県玉造郡鳴子(なるこ)町とあります。

 地名は本に載っているまま写しました。昭和四十九年発行とありますので、当然今と地名というか、市町村名は違っているでしょう。

 わたしはこの本を読んで、宮城県の鳴子温泉は平安時代から都に聞こえる温泉なのねぇと、単純な感想を抱きました。

 ところが、ちょっと前にテレビ番組で、とある俳優のルーツについて紹介していました。それで山陰地方の玉造温泉がどう、とかナレーションが流れ、わたしはあれれ? と首を傾げました。それで良人に、「玉造の湯っていったらどこ? 鳴子じゃないの?」と尋ねました。

「島根の玉造温泉は有名だよ」

 との返事。

 あらまあ、と思って検索してみたら「有馬の湯」以外は諸説ありで候補地は一つに限らないんですね。地図の読めない女、勉強いたしました。

 宮城県の玉造郡は平成の大合併の時期に周辺の市町村と合併して、大崎市となりました。昭和生まれで成長期のほとんどが昭和の内なので、宮城県北西部の温泉地は鳴子温泉で、間欠泉もスキー場も地熱発電研究所も鳴子町にあると刷り込みされていて、大崎市のニュースとして流れても、大崎市の市役所のある旧古川(ふるかわ)市にそんな場所あったっけ? となることが多いです。

 先日、大崎市役所で金庫に保管していた税金がいつの間にか紛失していたと、全国ニュースで報道されました。市役所の様子がテレビに映りました。

「大崎市役所って前の古川市役所をそのまま使っているんだ」

 と気が付きました。

 二十年ぐらい前、別件で古川市役所がニュースになってテレビで映った時と庁舎が変わっていない……。ローカルな話題で申し訳ないのですが、石巻(いしのまき)市が廃業したデパートのビルを市役所に使っているし、仙台市の北側にある現在の富谷市、旧黒川郡富谷町くろかわぐんとみやちょうも以前仙台市のベッドタウンとしての宅地開発で人口増があって役場の仕事が増えても、人員を簡単に増やせるものでなく、各団地に出張所を設けての対応をして、手狭の役場を大きく新しくする所でなかったらしいし(その後新庁舎ができました)、役所の職員の職場環境を整えるのに苦労しているのがしのばれます。

 公僕は税金で食わせてもらっているのだからの言い分は言い分として、住民の個人データやら何やらを取り扱う場所に、ガタピシする建物で、紙帳簿で管理しろと、今のご時世で言わないでしょう? 昭和の建物だと、コンピューターを配置するにもコンセントが足りないだの、タコ足配線は危険だのなりますしから、それなりに庁舎も改良しなくてはいけないでしょう。

 とか考えていると、今度は大雨です。出穂(しゅっすい)というか稲の開花が近い時期でした。そのほか農作物の被害に関して大きく報道されました。

 被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。

 市役所の職員は罹災された住民への対応で長時間詰めていらっしゃることでしょう。紛失した税金が見付かりますよう、これも強く願います。

 新潟や山形でも大雨で、本当に地球はどうなっているのか、不安です。(ニュースで映像で流れる山形県の大江町は大河ドラマに出てくる大江広元の領地だった)

 鳴子の鬼首(おにこうべ)の間欠泉のように、勢いよく吹き上げる、気の晴れる日がきますように。

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