表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/107

ばら色のスープ

 同居の姑が近隣の農家の休耕地を借りて畑作りをしているのは既に書いた。畑作りのお仲間と姑が収穫した作物を遣り取りすることも多い。

 姑がお仲間から赤かぶをもらってきた。姑はこれで何を作ったらよいかと言った。わたしも姑もかぶの料理といえば甘酢の漬物しか思いつかなかった。しかし、話を聞いていた良人はかぶの漬物は食べたくないと言った。

 そうするともうわたしと姑はかぶをどう料理したらいいか解らず、困った。姑がもらってきたのをわたしが勝手に始末するわけにもいかないので、二、三日そのままだった。姑から「惠美子さん、好きに使っていいよ」と言われていたのだが、勿体無い真似をするわけにもいかなかった。漬物が駄目だとすると、赤かぶだとボルシチみたいな煮込みだろうか、シチューが嫌いな家族もいるので、どう工夫したらよいのかと、検索しながら考えた。

 かぶと大根のポタージュとやらが検索で出てきたので、こんな感じにして、肉も入れれば男性陣も食べるだろうかと、赤かぶと大根を軟らかく茹でて、潰して、スープの素やら牛乳、豚の薄切り肉など入れて、野菜スープをでっち上げた。

 野菜スープは赤かぶの色素のお陰で、紫がかったピンク、まさにばら色をしていた。

 このスープの色を見た上の子はかなり驚いた言葉を発し、不気味がられた。色はともかく、食べてみれば普通に肉入りのポタージュスープの味である。美味しかった。無礼にも肉だけ食べて残した奴がいて、非常に悲しかった。

 ロシア料理について検索すると、レシピ本の表紙など、やはりばら色のスープの写真など写っていて、わたしはゲテモノを作ったのではないのだと信じている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最近は、北海道でもビーツを育てる農家が出て来て、ウチでもときどき、ボルシチ(ぽい)ものを作りますよ。私は、結構好きです。 ロシア料理というイメージありますが、発祥はウクライナらしいですね。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ