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水の惑星に暮らす上で

作者: 若松ユウ

 今日は七夕でございます。

 今朝の神戸は、あいにくの雨模様となっております。

 ちょいと調べましたところ、過去六十年で降水量なしでスッキリ晴れたのは、たったの八回だけ。曇りながらも降水量なしだった日を合わせても二十三回でした。全国的に見ましても、北海道や沖縄を除き、半分以上の確率で雨が降る日のようです。


 こんな雨の多い日に「晴れたら一晩だけ会うことを許そう」と言ったのですから、天帝は相当立腹していたのでしょうね。

 ちなみに、七夕の日の雨には催涙雨という呼び方がございます。雨が降ってカササギが迎えに来ない悲しみで、牽牛と織姫が涙をこぼしているという比喩です。美しいじゃありませんか。

 まっ、天の川が雨で増水しては、カササギが来ない以前に、河岸に近付くことさえ危険を伴いそうですけど。

 余談ですが、十五光年の距離を一晩で渡るカササギは、相対性理論を超越した存在と言えるでしょう。


 さて。温暖化の影響か、世界人口が急増している影響か知りませんが、年々、大雨が極地に集中して一気呵成に降り注ぐ傾向があるように見受けられます。

 平安時代であれば、龍神が暴れていると畏れ、怒りを鎮めようと生贄を捧げたり、加持祈祷を執り行ったりするところでしょう。

 そこまでするのは非科学的ですが、現代人は水害の恐ろしさを軽視し過ぎているように思います。

 

 科学が解き明かした大自然のメカニズムは、ごく僅かな部分に過ぎず、未知の領域が多く残されております。終息を見せない感染症との攻防ひとつとってみても、それは明らかでしょう。

 遅くとも明後日までには雨は収まるそうですが、河川の水位が下がるには時間が掛かりますし、地盤は水を含んで緩くなっております。外出する際は、十分に用心しておでかけくださいませ。

 大雨や台風の度に「ちょっくら田んぼの様子を見てくる」と言い残し、そのまま三途の川を渡ってしまったというニュースが後を絶ちませんからね。


 ……珍しく個人的な意見を申し上げました。どこか気恥ずかしいものがございますね。

 異論等は受け付けます。建設的な意見がございましたら、感想欄やメッセージ機能をご活用くださいませ。

 以上、ロマンチックな美談を語ると見せかけた、リアリスティックな注意喚起でした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 氾濫原に暮らしているのは、暮らせるように整備したからなんですよねえ。その想定を超えればやられるわけですが、そこまでなかなか考え付かないほどの整備がされたってのは痛しかゆしというところですか…
[一言] ∀・)なんでしょう。新海監督作品「天気の子」を観終わた後にモヤモヤする人がモヤモヤする感じ。ボクも若干それはあったんですが、高度な尺度を持ちつつもエッセイとして身近に読み手へ読ませる感じは何…
[良い点]  確かに相対性理論では光の速さを超えることはできませんので超越していますね。  七夕はロマンがあると思いますが、異常気象はビックリしますね。地球全体が暖かくなっていることだけは確かなようで…
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