笑う屑
百足の頭を潰して、蜘蛛の腹を引き裂いた。
黒く濁った体液が、ねちゃり、地面にこびりつく。
雀の羽根を千切って、鶏の腹を蹴り潰した。
散った血液が、びちゃり、靴底を汚していた。
人よりも綺麗だ。美しい。
男の頸を捻って、女の肚を貫いたときとは、段違いだ。
人は泣き、吐き、恨む。
それに比べたら、動物や虫の鳴き声は美しい。感情などなく、ただ痛みに反応して声をあげる、自然の生理反応。
嗚呼、唖々、吁。
快楽、悦楽、失楽、堕落。
気持ちいい、脳裏が赤く弾けた。
命を無造作に摘む感触が堪らない。
自分もいつか、同じように死ぬのだと思うと。
自分もいつか、同じように理不尽に、何の理由もなく殺されるのだと思うと。
吐きたくなって、泣きたくなって、怒りたくなって、喜びたくなって、嬉しくなって、気持ちがよくて、気持ちがよくて。
あは、あはははは。
あはははははははははははははははははハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハははハハハはハははははははハハハハはははははははははははハハハハハハハハはハハハハはははははははははははははハハハハハハハハハははははははははははははははは………っ!!!
………………………。
はぁ。
ほんと、人ってのはつくづく屑だ。