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【2024年1月 6巻発売!】変な竜と元勇者パーティー雑用係、新大陸でのんびりスローライフ  作者: えぞぎんぎつね


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68 入浴と洗濯

 ピイの高速洗濯を見ていた冒険者が言う。


「洗濯スライムより、ピイのほうが速いな」


 すると、ピイは自慢げにフルフルしはじめた。


『ぴいは、おうだからとうぜん。みんなよりすごい』

「さすがだな!」

「ぴぃ~~」


 それから、俺たちはみんな風呂に入る。

 俺が身体を洗っていると、近くでピイがフルフルしていた。

 きっと色々と食べているのだろう。少し微妙な気もするが、仕方がない。


 その後、俺が湯船に入ると、ピイもついて来た。

 湯船の中には、浴槽スライムが五匹ぐらいぷかぷか浮いている。

 そのおかげか、お湯は本当にきれいだった。


 冒険者たちも湯船に入りながら、スライムを撫でたりしている。


「本当にスライムさまさまだな!」

「ああ、本当に助かるな」


 そんなことを話しながら、俺は広い湯船に肩までつかる。

 それから、全身を伸ばした。とても気持ちがいい。

 ピイはそんな俺の近くにぷかぷか浮いている。


「そう言えば、スライムって、水より軽いんだな」

『おもくもなれる!』

 そういうと、ピイは底の方へと沈んでいった。


「どういう仕組みなんだ?」

「ぴぃ~?」


 どうやらピイにもよくわかっていないらしい。


「ピイ、何度か浮いたり沈んだりやってみてくれないか?」

『わかった』


 俺は鑑定スキルを発動させる。

 ピイ自体には鑑定スキルはかからない。

 だが、ピイの周囲のお湯に、鑑定スキルをかけることは可能だ。


「ぷくぷくぷく、ぴぃ~、ぷくぷく、ぴい~」

「なるほど、ピイありがとう。仕組みが分かったぞ」


 どうやら、ピイの体自体は水より軽いらしい。

 沈むときには周囲のお湯を体内に取り込み圧縮し重くしているようだ。

 ピイにもわからなかったということは、無意識にやっていることだったのだろう。


 そんなことをしている間も、洗濯スライムは大忙しだ。

 冒険者たちは洗濯槽の横に大きな桶を置き始めた。

 桶を置くのは、乾いた洗濯物を再び濡らさないためだろう。


 それから、服を脱ぎ、洗濯槽に衣服を全部入れていく。


 そして、身体を洗い、湯船に入る。それが一連の流れのようだ。


 人が増えて洗濯物が多くなると、五匹の浴槽スライムも洗濯に向かったりするようだ。

 色々融通しながらやっているようだ。


 身体を洗い終えて、湯船に入って来た冒険者たちが言う。


「スライムたちありがとうな。毎日洗濯してもらえると凄く助かるよ」

「ぴぃ」

「ああ、洗濯なんて年に一度あるかないかだからな」

「……それはお前だけだろう」

「さすがに臭すぎるぞ。気を付けろ」

「へへ、すまねえ」


 そんなことを言っている。

 冒険者は風呂にもあまり入らないし、洗濯も滅多にしないのは事実だ。

 したくないのではない。できないのだ。


 冒険中において、水は貴重品である。風呂にも洗濯にも使えない。

 だからこそ、冒険を終えて、宿屋で風呂に入るのが楽しみだったりするのだ。


 充分に楽しんだ後、風呂を出てピイが洗濯してくれた服を着る。

 やはり綺麗になった服は気持ちがよいものだ。


「ありがとうな、ピイ」

「ぴ~」


 俺は肩にピイを乗せて、風呂の建物を出る。

 するとすぐ外でヒッポリアスが待っていてくれた。


「ヒッポリアス、いつも待たせてすまないな」

「きゅお!」

「ヒッポリアスが小さくなれたら、一緒に風呂にも入りやすいんだがな……」

「きゅお?」


 高位の魔物の中には体の大きさを変えられるものがいる。

 とはいえ、大きさ変化は先天的な能力。

 人間でいうところのスキルにあたるものだ。

 同じ種族でも身体の大きさを変えられるものと、変えられないものがいたりもする。


「今度一緒に温泉に行こうな」

「きゅお~」


 そして、俺たちはヒッポリアスの家へと戻る。

 ヒッポリアスの家では、フィオとシロ、それに子魔狼たちが寛いでいた。


「フィオ。そろそろ女性陣の風呂の番だよ」

「おふろ!」

「シロと子魔狼たちは……毎日入らない方がいいかな?」

「わふ!」

「しろ、はいる!」


 シロの言葉をフィオが通訳してくれた。

 通訳されなくても、俺にもだいたいの意味は分かる。

 だが、はっきりとした言語として理解できるのはフィオだけなのだ。


「シロが入りたいなら、大丈夫かな」


 シロは犬でも狼でもなく、魔狼である。

 普通の狼の基準が当てはまらない。


「わふぅ」

「だが、子魔狼たちはまだ赤ちゃんだから、風呂はたまにの方がいいかもな」


 ほとんど汚れていないし、なによりまだ体力面で不安が残る。


「わふぅ……」

「大丈夫。フィオとシロが風呂に入っている間は俺が見ていよう」

「わふ」


 そんなやり取りのあと、フィオとシロは風呂に向かった。

 そして、俺とヒッポリアス、ピイは子魔狼たちと家に残った。


 子魔狼たちは毛布の上で楽しそうにじゃれ合っている。その近くに俺は座った。

 すると、子魔狼たちは「きゅーんきゅーん」と鳴きながら、俺にじゃれついて来る。


「お前たちは本当に人懐こいな」

 そういって、俺は子魔狼たちを撫でまくる。毛布はとても綺麗だ。

 どうやら、俺の作った子魔狼用トイレは活用されているようだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一匹で良いから、スライムが欲しいです…とは言っても、こちらにテイマーとしての実力と魔力が無ければ無意味ですが(笑) [一言] ウ~ン…冒険者たちが休息を取っている状況とは思えない長閑さです…
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