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【2024年1月 6巻発売!】変な竜と元勇者パーティー雑用係、新大陸でのんびりスローライフ  作者: えぞぎんぎつね


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34 昼食。そして井戸づくり

 俺とヒッポリアスが食べ始めると、フィオとシロも食べ始めた。

 俺たちより先に食べないというのは、魔狼の掟なのだろうか。

 群れのリーダーはヴィクトルだが、ヴィクトルのことは気にしていないようだ。

 フィオたちを仲間にしたのが俺だからかもしれない。


「がふがふがふ」

 シロは、勢いよくガツガツ食べている。 


「あむあむあむ」

 そして、フィオは右手でしっかり握って、食べていた。


「フィオ、手を使えて偉いな」


 そういって、俺が頭を撫でると、フィオは

「わふ!」

 と言って、尻尾をぶんぶんと振った。


 その様子をケリーが凝視している。

 観察モードに入っているのだ。


「ケリーもちゃんと食べろよ」

「ああ……」


 生返事しながらも、ケリーはもそもそと肉を食べる。

 だが、目はフィオとシロから離さない。

 自分の食事よりも、フィオとシロを観察することが大切なのだろう。


 そこにヴィクトルがやってくる。


「ヒッポリアス、いつもありがとうございます」

「きゅお!」


 ヴィクトルはヒッポリアスに魚のお礼を言いに来たようだ。


「ヴィクトル、ちゃんと食べてるか」

「もちろんですよ」

「そうか。ところで農地に適した場所は見つかったか?」

「候補地はいくつか見つかりましたよ」

「それはよかった」

「まあ、どの土地も農業をするには相当手をくわえなければいけませんがね」

「なにか手伝えることがあれば言ってくれ」

「はい、お願いします」

「農業がうまくいけば、生活が安定するからな」

「はい、いつまでも狩りと採集に頼るわけにはいきませんから」


 そんなことを話していると、フィオとシロを凝視したままケリーが言う。


「農地が決まったら言ってくれ。ミミズを放そう」

「ミミズですか?」

「ああ、ミミズの魔獣だ。とはいえテイムされていないからどこに行くかわからんがな」


 ミミズが畑で土を耕してくれたら嬉しいが、ミミズにはミミズの事情がある。

 こちらの思うとおりに動いてくれるとは限らない。


「ミミズが快適だと思う環境を作り出そうと努力はしてみるがな」

「頼りにしていますよ、ケリーさん」


 そんな会話をかわしながら、昼食の時間は終わる。

 ヴィクトルと地質学者、数名の冒険者たちは調査に向かう。

 ケリーもそれに同行するようだ。



 そして、俺は井戸作りに着手する。

 材料は充分な数がそろっているので安心だ。


「まずは鑑定スキルからだな」

「ふんふん」「はっはっ」


 フィオとシロが並んでお座りしながら、真剣な目で見つめてきている。


「フィオとシロは俺の作業を見ててくれ」

「わかた」「わふ」

「俺の作業を見るのに疲れたら、拠点の中で見回りしてくれても助かる」

「わかた」「わふ」


 フィオとシロは何か指示をしておかないと、働き始めるので注意しなければならない。

 もっとゆっくり休んだり遊んだり、食べたり昼寝したりして過ごすべきだ。

 フィオもシロも子供なのだ。


 その点ヒッポリアスは適当に休んで遊んでいてくれるので安心だ。

 ヒッポリアスも真面目な方だが、気の抜き方を知っている。

 そして遊ぶついでにおやつまで食べてくれたりお土産を持ってきてくれたりもする。


 今もヒッポリアスは拠点の周辺をうろうろしていた。


 俺はフィオとシロの頭を撫でてから、地面に向けて鑑定スキルを発動させた。

 水脈を探すためである。

 近くに川があるため、地下の水脈は豊富だった。


 適当に掘っても水脈には当たりそうだ。

 となると、次はどこに井戸があれば使いやすいかという話になる。


「やはり、拠点の中心に近い方がいいよな」


 それに、かまどの近くだとより助かる。

 井戸の近くに風呂も作りたいので、それなりに広い場所がいい。


「この辺りにするか」


 俺は井戸を作る場所を決めると、意識を集中させる。

 具体的なイメージを構築するのだ。

 深い穴を掘らねばならないが、構造自体は単純だ。

 イメージ構築はすぐに終わる。


 そして俺は製作スキルを発動させる。

 魔力を使って土を圧縮し、穴をつくり、集めた石を壁にしていく。


 それが終わると金属でパイプを作る。

 金属は大陸から魔法の鞄に入れて持ってきたものだ。

 そして簡単な構造だが、頑丈で容量の大きなポンプも作って取り付けた。

 呼び水を入れて、ポンプ内を水で満たしておく。


「これで桶でくみ上げなくても済む」

「わふ?」

「フィオ。このハンドル……」

「はんどる?」

「ああ、ハンドルってのはこれのことだ。このハンドルを上下に動かしてくれ」

「わかた」


 フィオはとてとてとかけてきて、ハンドルを両手で握る。

 そして、「わふぅぅうわふぅぅ」と言いながら、上下にゆっくりと動かした。


「重たいか?」

「だいじょぶ!」


 しばらくすると、水がパイプからバシャバシャと流れ始めた。


「みず! でた!」「わふ!」


 フィオとシロは尻尾を振ってはしゃいでいる。

 俺は、そんなフィオとシロの頭を撫でた。


「フィオ、よくやったな」

「わふぅ」


 フィオは五歳児並みの体、体重も軽い。

 そんな小さなフィオでも扱えるのなら、ポンプの設置は成功と言っていいだろう。


 俺は次に風呂の製作に取り掛かることにした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ポンプをつけるのはいいんですが、呼び水なしで動かしても水は出ないんじゃないかと思います
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