転移の理由
特殊能力...強力なアイテム....すげぇ!ファンタジーだ!これから美少女たちとハーレム作ろう!うん!
でもそう言えば
「さっきランダムで授けるって言ってませんでしたっけ?」
「今回はミスをしてしまったので選んでもらって大丈夫ですよ」
よし!世界救ってモテモテになる!
するとエルトナが指を鳴らし、音と共に数枚の紙が現れた。
「ではこの中から選んでください。本当はもっとあるんですが他の転移者に配っちゃって種類は少ないです」
と言うことは向こうに結構な数の転移者がいるのか。
でも一つ疑問がある。どうして俺が転移させられたのか。もしかして俺って選ばれし勇者だったりする?
「どうして俺が転移者に選ばれたんですか?」
「あぁ...くじ引き...です...」
え?今なんて?
「え...?」
「だーかーらーくじ引きだって言ってんの。地球の全人類対象で半年に一回天界で転移者を決めるくじ引き会があんのよ。そこで今回はたまたまあんたが選ばれただけ。あんたは選ばれし勇者でもなんでもないわよ」
は?と言うか全人類で俺が引かれるってどんな確率だよ...アニメのくじとか全くA賞当たらなかったのに!
「おいくじ引きって!老人とか赤ん坊が引いたらどうすんだよ!俺も今年で32歳だ!体力も落ちてきてる!俺みたいなおじさんが世界なんて本当に救えると思ってんのか?」
俺ももういい歳だ。体力の衰えも自覚している。そんな俺に世界を救えって...
「32歳ってまだまだ若いじゃないですか。私なんて今年で987歳ですよ」
そりゃ天使から見たら人間なんて赤ん坊みたいなもんだろうな
ん?ってことはじゃあ...
「アエルもだいぶおばさ」
「女性にそんなこと言うの失礼じゃないかしら」
さてはコイツもだいぶ歳上だな
「良ければ私の魔法で若返らせますよ」
おーまじかそんなことできんのか。
だがもう一つ疑問が生まれてしまった。
「世界を転移者に任せるんじゃなくて、天使たちが助ければいいじゃないですか」
「それはずっと我々もやろうとしてるんです。ですがなぜか神や大天使が地上に降りることができないんです。今はそれを調べるために下位天使たちを地上に送り込んでいるのですが今度は送り込んだ天使たちが天界に戻れなくなっているんです」
そんなことが起こってんのか。ん?でも...
「地上にいた俺は天界に来れたよな。どうしてだ?」
「それが天界の者じゃなければ自由に行き来できるみたいなんです」
天使のオーラとかそんなもんに反応してんのか?
そんな話を聴きながらも俺は未だに能力やアイテムで悩んでいた。
するとずっと菓子を食べていたニートが口を開いた。
「さっさと選んで早く地上に帰ってくれないかしら」
なんでコイツこんな上から目線なんだよ。早くしろって言われてもこんなん悩むに決まってるだろ!
危険が迫ると光る宝石、どんな暗闇でも昼間と変わらなく明るく見える暗視能力に指から無限に紅茶を出せる能力。
...変なの混ざってんな。
するとあいつが突然叫んだ
「あー!もう!優柔不断ね!だからあんたはモテないのよ!これでいいでしょこれで!」
そのニートは勝手に紙を掴むと紙のに書かれた文字を押した。と言うか今俺のことモテないとか言ってたよな、なんで知ってんだよ。
アエルの手に握られた紙は眩い光を放ち始めた。
「はいこれ、持って!」
突然紙を渡されなんとなく受け取ってしまった。
紙を受けとると光は一層強くなり俺は目を瞑った。
「...なんだ?」
「能力をあなたの脳にインプットしました。これであなただけの特殊能力が使えるようになりましたよ」
は?
「おいお前!勝手に選びやがったな!この落ちこぼれ天使!」
「落ちこぼれ天使とか言わないで!私はまだ本気を出してないだけ!それにあんたが選ぶの遅いから悪いんでしょ!さっさと地上に帰りなさいよ!」
「お前なぁ!」
そんな会話を見ていたエルトナがこんなことを言ってきた。
「二人はなんだか気が合いそうだね」
「正気ですか?今の会話を聴いてそう思うなら耳鼻科か精神科に...」
「いやすまないね、コイツには昔から友達が居なくてね。こんなに生き生きと私以外と話してるのを見ているのが久々でね」
コイツ友達いなかったのか。ニートだしいつもエルトナさんと一緒に行動してんのか。
するとエルトナはこんな提案をしてきた
「そうだ!娘も一緒に地上に連れていってくれないか?」
天界部分が思ってたより長くなってしまいました。