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2.おふろ




Q.

 うえは こうずい

 したは おおかじ

 これ な〜んだ?







ヒント

 むねに てを あてて

 めも つむって

 できれば ねころがって

 おもいだしてみよう!







 僕たちの生まれた時、世界は不定形で、今みたいにそれぞれがバラバラに分離しているということはなかったし、神様は身近な存在だった。

 すべてのものが混然一体で、一は全にして全は一、男も女も犬も猫も動物も植物も有機物も無機物も森羅万象がそれぞれ存在し、それぞれに同一の存在だった。

 例外は神様で、世界には、世界と神様の二つだけがあった。


 平和は随分と長いこと続いた。僕たちは、神様が男になれと仰れば男になったし、女になれと仰れば女になった。犬にも猫にも動植物にも、またある時は無機物にさえなってみせた。

 数えるのも無理なくらい長い間、神様はそうして遊んでおられたが、ついには飽きてしまった。

 ゆえに神様は、まず僕たちを男に変身させると、世界から男の部分を取り出してしまった。続いて同様に女の部分を取り出し、犬の部分を取り出し、猫の部分を取り出し、動物の部分、植物の部分、有機物の、無機物の、と、世界中のありとあらゆるすべてを、世界中のありとあらゆるすべてに分離してしまった。

 それからも、随分長い間平和だった。ありとあらゆるものは豊かに溢れ、何かが不足するということはなかった。僕たちは男女や動物、植物、無機物の区別なく交わりあい、時に神様も一緒になって、地を満たしていった。


 またまた気の遠くなるくらい時間が経つと、僕たちの子供の子供──孫の孫──玄孫のそのまた玄孫──雲孫のまたまた雲孫──数えるのも馬鹿らしくなるような何世代もあと、神様によってバラバラにされた僕たちは、混血によってまた一つになっていた。

 最も年若き子供たちは、この世に存在するありとあらゆるすべての血を継いでいた。

 最初にあった一にして全、全にして一とよく似た存在が、地に満ちた。元々の僕たちと違ったのは、それに神様の血が混じっているということだった。

 この世の全てと神様の力を受け継いだ末代の子供たちは、次第に始祖の神様を尊敬しなくなっていった。

 なにせ彼らは、元々の神様が持っていた力に加えて、森羅万象の血を継いでいる。


 神様は悲しくなって、最初の男である僕と、最初の女である僕とを呼び出し、第一世代の僕たち全員をひとところに集めるように仰った。



 僕たちが言う通りにすると、神様は世界中に赤々とした光を放った。その光は地上にあるすべてを飲み込み、神様はその光に「火」という名前を付けた。地上にあるすべては焼き尽くされ、無に帰した。死という概念が生まれ、僕たちは不死身じゃなくなった。

 神様は地上の火が燃え尽きるのを長い間待っていたが、やがて痺れを切らして、地上中すべてを包み込んで余りある量の水を生み出した。それでも火はまったくその勢いを弱めることなく燃え、水を蒸発させた。やがて地上の全てを分厚い雲が多い、地上をひっくり返すような大雨が降った。そこで神様は、火は水で消えるということに決め、そのようになった。



 そして神様は、僕たちの混血を防ぐために、違う種族とは会話ができないようになされて、地上は僕たちに譲った。神様はその日以来、僕たちの前に姿を現してくれなくなった。

 


A.

 神様のリセットボタン

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