表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
企画部ただいま活動中  作者: 川島 八代
7/7

第1章 ただいま部活設立中 5話

『生徒会行ってきたぞ。良いってさ。さっさとはじめようぜー!』

『えっ。ちょっ。この部活ってアイデア出すだけじゃないの?』

ぼくは、完全にそう思い込んでいた。たけしは、口を半開きにして、

『んなわけねーだろ。それこそ醍醐味じゃねーか。よーし、お前ら着ぐるみ調達に行くぞ!』

『当てはあるのですか?』

先導さんは、楽しそうにたけしを見つめる。陽の光が彼女を照らす。

『んなもん、テキトーに探せばいいだろ?違うか?』

ぼくは呆れた。まさか、そんなのでうまくいくのか?前々から思っていたけどやっぱりこの部は、不安だ。とりあえず意見を述べた。このままじゃいけない。

『ならさ、刺繍部に行ってみない?』

『どうか、、』

相づちを求めようとすると、たけしはもういなかった。『バタン。』と扉は大きな音を出し勢いよく跳ね返った。相変わらずたけしは、自由なやつだ。

『おいかけます?どうしましょう?』

先導さんは、賛成のようだ。何だかテンションが高い。

『うん。速く行こう。』

ぼくらは、彼を追いかけた。

やがて、刺繍部に着いた。たけしはもう部屋の中。

『失礼します。企画部の者ですが話を聞いてもらえませんか。』

ぼくは一言言うと部屋に入った。刺繍部部長八条 胡桃は、

『まぁ、座りな君達。話は聞いている。』

と言うと、ゆっくりしてけと言わんばかりにお菓子や飲み物を運んでくれた。

『早速、本題だが君達はどんな着ぐるみがほしいのかね?』

考えてなかった。『迂闊だったーー』と思っていると、

『あ、あの〜がっこうのマスコットキャラにしたいのですがいいでしょうか?』

先導さんは恥ずかしそうに答えた。もしかすると初めからこれを想定していたのかもしれない。(ちなみにぼくの高校には、3人のマスコットがいる。えてこ、けんた、とりのんと言う。)

『まぁ、かまわんが。ただこっちにも頼みがある。実は今度、親睦会があるのだがその余興とスケジュールを組んでくれないだろうか?こちらも何かと忙しくてね。』

『お安い御用だぜ。任せな先輩。』

たけしはそういうとぼくらを見つめた。ぼくらは『うん。』と首を縦に振った。

『よっし。これで交渉成立だぜ!お前ら、次行くぞ!』

『次ってどこだよ。浩文?』

ああ、何でたけしはいつもこうなんだろう。無計画にも程がある。だが、彼の前向きな姿勢にはちょっと憧れる。

『つっ、次は軽音部なんてどうでしょう?』

先導さんが言う。いつものことだけどやっぱり緊張しているようだった。ぼくは 『なるほどそれはいい考えだ。』と首を縦に振った。たけしはどうなのかな?と横を見ると、て、もういないし!速!

『失礼しました。あの、お願いします!』

『こっちこそ。頼むな。』

八条先輩はそう言って部屋に戻った。

ぼくらは一礼すると軽音部へと駆けていった。窓の外では木々が躍っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ