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敗戦魔王の戦後処理  作者: てんたま
72/79

71話 魔王「王は苦しむのが王としての責任」

~ストーリー~

先代の魔王の手によって、長きの間、封印され眠りについてた魔王の息子が、久々に目を覚ますと、父親である魔王が勇者に討たれた10年後の世界だった。

さらにその事情を教えてくれた、かつて先代魔王の右腕だった参謀から、魔王を討たれ力を無くした魔族は、人間に無条件降伏したと、驚くべき事実を伝えられる。

しかし驚く事はそれだけでは無く、人間側は、無条件降伏を締結させるにあたって、魔王の息子である自分を、新魔王として即位させる事を条件の一つとして言ってた来たと言うのだった。


~今回のあらすじ~

女勇者たちが協力して姫に囚われの魔王姫を助けようとするが、それを何故か止め助けなくて良いと言う魔王。

皆が魔王の制止に不思議に思っていると、魔王はその止めた訳を語りだす。


登場キャラ


魔王

前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。

前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。

年齢も人間換算で15歳。

そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。

後妹がいる。


女勇者

口も性格も悪い外道勇者。

気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。

また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。

見た目は胸は小さく金髪ツインテール。


神官妹

聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。

また性癖が年上思考で、大臣を愛している。

元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。


神官姉

神官妹の姉。

喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。

そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。

性癖は年下思考で子供が好き。

その事から見た目が子供な魔王が好き。

後ちょっとMっ気もあるかも知れない。


魔法使い

エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。

性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。

女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。


・魔族の子供たち


魔族子供♀

魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子


魔族子供1

ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。


魔族子供2・3

魔族子供1の子分のような存在


魔族っ子幼

魔族の幼女。

戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。

何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。


呪族の幼女

魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。

前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。

幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。

わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。

また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。


参謀

前魔王の片腕だった魔族。

魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。

行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。

そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。


商人

姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。

姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。

口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。


王国の姫。

常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。

今回も魔界の利権を狙ってやってきた。


メイド

大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。

いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。

メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。

また女勇者に拾われてメイドになったらしい。

その過去には何か色々ある様子。


戦魔将軍

元旧魔王軍の七魔将軍の一人。

戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。

ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。

ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする

また語尾にござるを付ける。


戦魔副長

戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。

性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。


妖魔将軍

魔王軍七魔将軍の一人で、戦魔将軍の弟。

家族が泣き叫ぶ顔見ながらその家族を食い殺す、魔族でも嫌悪するヘルムシュヴァイセンと言う料理を好んだり、そんな残虐な事を好む救いようない外道魔族。

戦中に女勇者によって拷問されて殺された筈だが、何故か甦って再び勇者の前に現れる。


法王

創造神教の最高トップ。

ヒップホップ系の変なしゃべり方をするグラサンをかけたデブ。

普通の喋り方も出来る。

チッパイが好き。


魔王姫

魔王の妹、魔王を死ぬほど敬愛しており、魔王のためなら命投げ出す事もいとわない。

体は「過剰魔力体質」の負荷で神経がやられているため不自由。

そのためゴーレムのような憑代を移動手段や普段の生活するための体にする。


戦士

かつての勇者パーティーの一人。

狂信的な勇者像を持ち、それを女勇者に押し付けすぎる為、本人から凄い嫌われている。

剣の腕前は勇者に引けを取らない。

かつて妖魔将軍に囚われていた女勇者を助けたのも戦士。


魔王「皆さんのお気遣いはありがたいですが…」

魔王「魔王姫を助ける必要はありません」

女勇者「…話が見えないんだけど?」

神官妹「そ、そうですわ、魔王様の妹様を助ければ、姫の言う事など聞く必要もありませんし、全てが上手く行くではありませんか」

魔王「確かにそうですね…」

神官妹「なら何故?」

魔王「それは自分たちだけが良い話になってしまうからです」

女勇者「自分たちだけ?」

魔王「はい…私の妹は王国民を虐殺すると言う罪を犯しました…」

魔王「その罪を償わないで自分たちだけが都合の良いようにしてしまうなんて許されません…」

魔王「私と魔王姫はその罪償わなくてはいけないのです…!」

女勇者「ば…そんな事を言ってる場合かよ!」

魔王「いいえ! この罪は絶対に償わなくてはいけません」

魔王「償わなくては、人間と魔族…一生分かりあえないと思うんです…!」

魔王「だから…この問題から目を背けていけないのです!」

女勇者「目を背けてはいけませんって…じゃあ妹はどうするんだよ」

魔王「…姫様の言う通り…」

魔王「く…」

魔王「…処刑して貰いましょう…」

一同「…!?」

魔王姫「おにい…さま…?」

姫「え? ちょ、ちょっと…」

女勇者「てめっ…魔王! 本気で言ってるのか!?」

女勇者「妹! 妹何だぞ!?」

女勇者「さっき自分の命を差し出して、妹の命を救おうとしてたじゃないか!?」

女勇者「なんでそれが…今になって…」

魔王「僕が死ぬ事は簡単です」

知ってる一同(いや…簡単じゃないだろ)

魔王「確かに僕は妹に代わって、自分が死ぬことで妹の罪を償おうと思いました」

魔王「しかし妹に虐殺された方の遺族には、家族を失い、きっと死ぬよりも辛い悲しみを味わった方が多くいたかと思います…」

魔王「その人たちの怒りを感じたら、自分が簡単に死ぬ事に逃げて良いのか、と疑問を感じたのです」

魔王「だから僕も感じた方が良いかと思ったのです」

魔王「僕も悲しみを背負った王国民の皆さんのような悲しみをもっと味あわなくてはいけないと…」

魔王「だから、妹の処刑は…お任せする事に決めます」

魔王姫「…お兄…さま」

女勇者「…この!」ガッ。

魔王「ゆ、勇者さん…」

女勇者「マジで言ってるのかてめー! 妹だぞ? 妹!?」

魔法使い「とりあえず話が締まらないから、妹から離れろ…」

魔王「関係…ありません」ふい。

魔王姫「…!」

女勇者「お、お前本当にそれで良いのか?」

魔王「良いんです!」

女勇者「じゃなくて…お前の感情とか…それはどうなんだよ!」

魔王「感情…!」

魔王「…」

魔王「それも関係ありません…王の努め…です!」

女勇者「…!」

魔王姫「…」

女勇者「お前…いい加減っ…!」

魔王「…平和な魔界を作るためです!」

魔王姫「…!」

魔王姫「…お兄さまをお離しになりさない! 女勇者!」

女勇者「え…」

魔王「魔王姫…」

魔王姫「…お兄さまは、昔から平和な魔界を作るのが夢だと言ってましたものね…」

魔王姫「この魔王姫…そんなお兄さまの夢を叶えるお役に立てるなら喜んでこの命捧げますわ」

女勇者「ちょ、ちょっと待てよ…い、良いのかよ!?」

魔王姫「元々将軍として戦場に出た時より、この命捨てております」

魔王姫「だから貴女に倒された時から、私はもう死んだも同然だったのです」

魔王姫「そんな私が最後に敬愛するお兄さまのために命を使えるのですから、もう悔いはありません…」

魔王「魔王姫…ごめん」ブルブル。

魔王姫「いえ…さあ行って下さいませ」

魔王「…うん」

魔王「と言うことで、姫様…後はよろしくお願いします」

姫「い、いや…え? 本当に良いの?」

魔王「はい! 妹は罪を償わなくてはいけないのです…!」

魔王「悲しいですが…これも両国のため、よろしくお願いします」ペコリ。

姫「…!」

姫(え? これって虐殺の罪を問わせようとした話じゃったろか?)

姫(いやいやいや…そんな今更魔界の王族を一人や二人処刑したところで、こちらには何の益もないわ…)

姫(え? こいつ簡単に身内切りするとか、お人好しそうに見えて、実はやり手!?)

姫(って言うか…どうするの!?)

姫(こっからどうやって荒れ果ての地の街を奪えば良いの!?)

姫(商人!?)チラ。

商人「…」

商人「ふ…」お手上げ

姫(!?!?)

女勇者「…」

女勇者「うわあああっ!!!」バシューン(魔力放出)

一同「!?」

魔王「ゆ、勇者さん!?」

女勇者「こんな…ふざけんなっ!」

女勇者「行かせねー絶対行かさないぞ魔王!」ギラ(聖剣を抜く)

魔王「…!」

神官妹「ちょ、何マジになってるのよ!」

魔法使い「そうだ何を熱くなってるんだお前らしくもない…」

女勇者「…!」

女勇者「う、うっせー!」

女勇者「はああーーー聖光浄魔斬っ!」

魔王「!」

一同「!」

女勇者「…」ビタ。

魔王「…」

女勇者「…どうあっても妹を見殺しにするのか?」

魔王「…はい」

女勇者「…!」

女勇者「…」イライラ…。

女勇者「…勝手にしろ!!」クル(踵を返す)

魔王「…!」ビク。

女勇者「ふん…!」ツカツカ。

一同「…」シーン。

魔王「…」

神官妹「えっと…と、とりあえず魔王様のご意向がそうなら、私たちもホームに戻りましょうか?」

魔法使い「そうだな…魔王の腹が決まった以上、魔王姫の事に関して我がどうこう言ってもしょうがないしな、帰るか」

神官姉「魔王…ちゃん、本当に…良いのね?」

魔王「は、はい、行きましょう皆さん」

魔王「それでは姫様、またのちほど…」

姫様「え? あ、ああまたの…」

魔王「魔王姫も…」

魔王姫「はい…お兄さま…」

魔王「…姫様」

姫様「? なんじゃ」

魔王「大事な王国民を殺しておいて言える事じゃ無いかも知れませんが…」

魔王「妹は力を使える依代が無ければ無力…もう抵抗もしないと思いますので、処刑にするとは言え、王族の一員…それなりの扱いをして貰っても良いでしょうか?」

姫「あ、ああ…任せておけ」

魔王「ありがとうございます」

魔王「では…」

姫「あ、ああ」

魔王一同「…」ツカツカ。

シーン。

姫「…」

姫「ど、どうしようこれ…」

商人「参りましたなー…」

姫「…!」

姫「そなた! 他人事見たいに言ってるんじゃないぞ!」

姫「お前がこうすれば街を奪えると言うから、人質を用意したのに」

姫「あっさり、殺してどうぞ…って言ってきたでは無いか!」

商人「うーむ、それは確かに意外でしたな…」

姫「は!?」

商人「いやいやいや…あのかなりお人好しそうな魔王がそう言ってくるのは確かに私めの読み違いでした…」

姫「だったら…!」

商人「まあまあ落ち着いて下さい…まだあの感じなら魔王姫は使えます」

姫「? でも殺して良いって…」

商人「いや…殺して良いとは言ってましたが、未練はかなりある様子でした」

姫「未練」

商人「そう未練、それを火で炙って熱を高めてやれば良いのです」

姫「未練を火で炙る…? それは一体」

商人「…魔界には人間には想像もつかない恐ろしい処刑法があるとか何とか…」

姫「…?」

商人「まあ当日をお楽しみを…」

商人「必ずや魔王様はお心をお変えになる事でしょう、くくく」

戦士「…」

戦士(清く正しく美しい事を言う魔王だと…?)

戦士(…そんな魔王…あってたまるか…)

戦士(そんな綺麗な言葉を使って良いのは勇者だけなんだ…)

戦士(そんなおかしい魔王…魔王は俺が正してやる…!)


~魔王城~


魔王「…」ズーン|||

神官姉「魔王ちゃん…大丈夫…?」

魔王「…」ズーン|||

神官姉「あう…反応…無い」

魔法使い「そりゃ…魔王に取っては最後の肉親なんだ」

魔法使い「悪いことをしたとは言え、人間に差し出したんだ…そうなって当然だろう」

魔王「差し出す…!」

魔王「魔王姫…」

魔王「…」シクシク。

神官姉「魔王…ちゃん、泣かないで…」

神官妹「そんなにウジウジするなら、今からでも断ってくれば良いのでは;」

魔王「…いえ、それは出来ません…」

魔王「この悲しみを受ける事こそ、人間さんたちの贖罪の形になるのです」

魔王「だから…この悲しみを受ける事は当然の事なのです」

魔王「…」

魔王「…魔王姫」シクシク。

神官妹(うわ~…鬱陶しくなってきたー)

魔法使い「しかし実際どうなんだ…姫のやつ、魔王姫の事正直殺すつもりは無かったから困ってるじゃ無いのか?」

神官妹「ですわよね~…」

魔王「へっ…殺すつもりは無い?」

魔王「そ、それはどうしてですか?」

神官妹「どうしても何も…」

魔王「?」

魔法使い「姫は元々魔王姫の命を交渉材料に荒れ果ての地の街の全権を奪おうとしてたのだ」

魔王「全権って…何のためにっ!?」

神官妹「何のためにって…」

神官妹(あ…あんまり、人間の汚い駆け引きとか見せない方が良かったかな…)

神官妹(醜い物が邪神を呼び寄せるみたいだし…)

神官妹(創造神曰く、だけど)

神官妹(うーん…少し誤魔化しておくか…)

神官妹「…荒れ果ての地の、えーと市長になりたかったんじゃ無いですかね」

魔王「…市長?」

神官妹「あ、いやほら姫って役職やってると上に立ちたがりたいから、それで市長と言うか街のトップになりたかったんじゃ無いですかね?」

魔王「よ、よく分からないですが…とにかく荒れ果ての地の偉い人になれれば良かったと?」

神官妹「そうそうでも、荒れ果ての地のトップは魔王様でしょう? だから魔王姫さんの命を助命する代わりにその座を下さいと、まあ姫はそんな感じにしたかったんだと…」

魔王「な、何だ…そう言ってくれれば、トップ何てお譲りしたのに」

神官妹「え!? いやいや、簡単にそんな譲っちゃダメですわ!」

魔王「そうなんですか?」

神官妹「そうなんですかって…そりゃ…魔王様が良くても、他の魔族が許さないでしょう」

神官妹「荒れ果ての地の街を失ったら、戦魔将軍とか…せっかく丸く収まった下位魔族連合も暴動を起こしますよ?」

魔王「…! あ、ああ…そうか…」

魔王「そう…ですよね、そんな簡単な話じゃ無いですよね…」

魔王「…」ズーン|||

一同「…;」

神官妹「あの…差し出がましいかも知れませんが」

神官妹「そんなに悩むなら、やはり…魔王姫様は無理矢理でも姫から取り戻せば良いのでは無いですか?」

魔王「それは…ダメです…!」

魔法使い「何故だ…正直何かを人質に取って交渉しようなど、向こうにも正義は無い」

魔法使い「お前だけが正しさを示す必要は無いと思うぞ」

魔王「姫様本人はそうかも知れませんけど…王国民の総意は魔王姫の処刑を考えてるかも知れません」

魔王「処刑して私が悲しむ事を望んでいるかも知れません」

魔王「それを考えたら…このまま魔王姫の処刑を受け入れるのが…やはり僕の道なのです…」

魔法使い「だが…」

魔王「それに、魔王姫の助命を願えば街を差し上げなければいけません」

魔王「そうすればまた魔族の皆さんは住むところも仕事も失ってしまいます」

魔王「…僕一人の我が儘で、回りに迷惑はかけられません…」

神官妹「だーから、魔王姫を取り戻しちゃえば…」

魔王「それも王国民の事を考えない僕の我が儘です」

魔王「出来ません…」

神官妹「…あー、うう…」

神官妹「はあ…」お手上げ。

魔法使い「…お前の気持ちは分かった、好きにしろ」

魔王「はい…」

魔法使い「…」

魔法使い(魔王の言ってる事は、国を担う者として正しい)

魔法使い(正しいが…だが)

魔法使い(だが…優しくない)スッ(目を伏せる)

姫の兵士「あ、ちゃーす、どもども」

神官妹「!? 姫の兵士?」

神官妹「姫の兵士が何の用!?」

姫の兵士「はい…実は!」クワ(マジ顔)

神官妹「な、何…?」

姫の兵士「大変です、ひ、姫の居城が魔物に襲われて陥落しました!」

魔王「!」

魔法使い「何っ!?」

神官妹「朗報じゃん! イエス! イエス!」

姫の兵士「ってまあそう言うの一度言ってみたかっただけで嘘何ですけどね。へっへっへ」

魔法使い「…」

魔王「…」

神官姉「…」

神官妹「…」

姫の兵士「あはは~怖い顔」

神官妹「死にたいのかしら?」

姫の兵士「じょ~だんだって、メンゴメンゴ」

神官妹 (こいつ…)ピク

姫の兵士「だからーマジ怒んないでよ、えーと姫様からの伝言伝えに来ただけだし」

神官妹「姫様から…?」

姫の兵士「そーそー、えーと来る青月の晩、魔王姫の処刑を行うので、魔王様は新生魔王軍の長として、処刑に同意した証しとして出席するようにとの事です」

魔法使い「何!?」

神官妹「処刑…やる気なの!?」

姫の兵士「まあと言う事で、よろしこお願いします~ではでは」

神官妹「うーん…人質殺してどうぞと確かに言ったけど…あっさり処刑に踏み切るとはね…」

魔法使い「何かあるかも知れんな…」

魔王「魔王姫…」


続く

魔界の王の責任として、旧魔王軍が王国民を虐殺した贖罪を負うため、自らも妹である魔王姫が死ぬ苦しみを受けると言った魔王だったが、覚悟を決めたとは言え、溺愛していた妹を差し出してしまった事に魔王は気を滅入らせていた。

そんな時、魔王姫の処刑を告知する通達が送られてくる。

魔王姫はこのまま魔王に見捨てられたまま処刑されてしまうのか?

次回に続きます。

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