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敗戦魔王の戦後処理  作者: てんたま
70/79

69話 魔王「え? 僕の妹ですか?」

~ストーリー~

先代の魔王の手によって、長きの間、封印され眠りについてた魔王の息子が、久々に目を覚ますと、父親である魔王が勇者に討たれた10年後の世界だった。

さらにその事情を教えてくれた、かつて先代魔王の右腕だった参謀から、魔王を討たれ力を無くした魔族は、人間に無条件降伏したと、驚くべき事実を伝えられる。

しかし驚く事はそれだけでは無く、人間側は、無条件降伏を締結させるにあたって、魔王の息子である自分を、新魔王として即位させる事を条件の一つとして言ってた来たと言うのだった。


~今回のあらすじ~

前回ちょっとおかしな喋り方をする法王様に面喰いつつも、何とか協力をこじつけられた魔王は見事商人の借金分のお金を稼ぐことが出来た事に安堵する。

その祝勝会的なパーティーで、魔王は妹が七魔将軍の中にいた事を口漏らす。

七魔将軍の一体誰が魔王の妹、魔王姫なのか?


登場キャラ


魔王

前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。

前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。

年齢も人間換算で15歳。

そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。

後妹がいる。


女勇者

口も性格も悪い外道勇者。

気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。

また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。

見た目は胸は小さく金髪ツインテール。


神官妹

聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。

また性癖が年上思考で、大臣を愛している。

元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。


神官姉

神官妹の姉。

喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。

そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。

性癖は年下思考で子供が好き。

その事から見た目が子供な魔王が好き。

後ちょっとMっ気もあるかも知れない。


魔法使い

エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。

性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。

女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。


・魔族の子供たち


魔族子供♀

魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子


魔族子供1

ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。


魔族子供2・3

魔族子供1の子分のような存在


魔族っ子幼

魔族の幼女。

戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。

何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。


呪族の幼女

魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。

前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。

幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。

わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。

また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれが美しい女勇者が好き。


参謀

前魔王の片腕だった魔族。

魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。

行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。

そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。


商人

姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。

姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。

口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。


王国の姫。

常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。

今回も魔界の利権を狙ってやってきた。


メイド

大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。

いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。

メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。

また女勇者に拾われてメイドになったらしい。

その過去には何か色々ある様子。


戦魔将軍

元旧魔王軍の七魔将軍の一人。

戦魔名前のごとく力で全ての物事を解決しようとする戦士系タイプの魔族。

ミノタウロスがさらにマッチョになったような容姿をしており、正々堂々をモットーとする豪快で武人のような性格をしている。

ただ認めた主にないがしろにされるのは苦手で、よく魔王の言葉に素でショックを受けていたりする

また語尾にござるを付ける。


戦魔副長

戦魔将軍の右腕的存在で、柔らかい考えに冷静に場を見れる事から、頭の悪い戦魔将軍の代わりに色々考えてくれたりする。

性格も平和主義者と言うほどでもないが、むやみに喧嘩をして敵を作る事は良しとはしない性格。


妖魔将軍

魔王軍七魔将軍の一人で、戦魔将軍の弟。

家族が泣き叫ぶ顔見ながらその家族を食い殺す、魔族でも嫌悪するヘルムシュヴァイセンと言う料理を好んだり、そんな残虐な事を好む救いようない外道魔族。

戦中に女勇者によって拷問されて殺された筈だが、何故か甦って再び勇者の前に現れる。


法王

創造神教の最高トップ。

ヒップホップ系の変なしゃべり方をするグラサンをかけたデブ。

普通の喋り方も出来る。

チッパイが好き。

神官妹「まあ…色々あったけど、法王様と会談してから一週間」

神官妹「何とか商人から借りたお金の今月分の利子と元金分まで儲ける事が出来たわ!」

一同「おー!」

神官妹「これも皆さんの協力あってのおかげですわ!」

神官妹「改めてありがとうございます」

一同「おー!」パチパチ。

神官妹「まだ商人にお金を返してないけど、まあほぼほぼ、この街が借金の担保で奪われる危機は去った事でしょう!」

一同「おおおお!」

神官妹「今日はその前祝いと言う感じのパーティとなっています」

神官妹「皆さんご存分にお楽しみください」

神官妹「では乾杯!」

一同「かんぱーい!」

魔王「乾杯!」

神官妹「魔王様お疲れ様です」

魔王「あ、神官妹さん今回は色々お世話になった見たいでありがとうございました」

神官妹「いえいえ、魔王様のご尽力あっての成功ですわ」

神官妹(…借金の金額以上儲かった金はポケットマネーさせて貰いましたし…)

神官妹「むふふ」

魔王「? どうしました?」

神官妹「は!」

神官妹「い、いえいえ…それに観光客用のお店も予想以上に繁盛しましたしね」

神官妹「特に女勇者と魔族子供♀が売り子をやったお土産屋何かすぐに完売するから、商品の仕入れが大変だったわ…」

女勇者「…!」

神官妹「まさかあの女勇者が売り子をやるとわねー」

女勇者「な、何だよ…」

神官妹「いやいや、すぐに殺すだ何だ言う物騒な貴女が、まさか魔族子供♀にお姉ちゃん一緒にやろ、って言われただけでデレデレになってやるとはねーって意外に思ってただけですわよ」ニマニマ。

女勇者「な! 何だよ悪いかよ! それにデレデレしてねーしっ!///」

神官妹「はいはいツンデレ乙」

女勇者「ツンデレって言うなっ!」

魔族子供♀「あ、お姉ちゃんこれおいしーよっ! はいあーん!」

女勇者「ちょ、馬鹿…魔族子供♀、こんなところで…///」

魔族子供♀「…むー、私が食べさせるの嫌なの?」

女勇者「い、いやそうじゃ無いけど…時と場所があるっつーか…///」

魔族子供♀「あーん」

女勇者「あ、あのな…魔族子供♀?」

魔族子供♀「あーーん!」

女勇者「ぱく」

魔族子供♀「美味しい?」

女勇者「う、うん…おいふぃ///」

魔族子供♀「やった♪」ニコ。

女勇者「でへへ」

神官妹「もう一生やっていなさい…」

魔王「でも良いですね…妹」

神官妹「え?」

魔王「いえ僕にも妹がいたので…ああ言うの見てると何だか懐かしくて…」

神官姉「魔王…ちゃんに…妹が…いた!」

神官姉「新…事実っ! チェック…」カキカキ。

神官妹「はいはい気持ち悪いショタストーカーの日課乙」

神官妹「はあ…そう言えば、私も最近大臣様に会ってないわねぇ…」

神官妹「私も大臣様分を補給したいわ…」

神官姉「ジジイ…趣味も…気持ち…悪い」

魔法使い「それにしても魔王に妹が居たとはな…」

女勇者「お、おいその妹可愛いのか?」

魔王「え?」

神官妹「何故妹と言うワードに食いつくの…本当にシスコンだったの?」

女勇者「え?」

魔族子供♀「…お姉ちゃん」むー。

魔法使い「…今更だけど、お前らって全員性癖におかしいところがあるよな…」

魔法使い「それで?」

魔王「え?」

魔法使い「だからお前の妹だ。今はどうしているんだ?」

魔王「ああそう言う事ですか…」

魔王「えっと、たぶん…死んでます」

一同「!?」

女勇者「そんな死んでるって…妹だぞ! 勿体無い…」

魔族子供♀「お姉ちゃん…!」ぎゅ!

女勇者「イテテ!」

神官妹「聞くのは失礼かもですが…たぶん死んでるとは?」

魔王「だって妹は七魔将軍の一人でしたから…」

一同「!?」

魔法使い「七魔将軍と言うと…」

魔王「はいあなた方が倒した七魔将軍です」

魔王「戦魔将軍以外…全部貴方に倒されたと聞いていたので、だからたぶんもう死んでる物かと…」

女勇者「たぶん死んでる…って殺しておいて何だけど良いのかよそれ…」

魔王「…確かに思うところもあります、けど」

神官妹「けど?」

魔王「今は魔族の王として、魔界に住む皆さんのためにがんばらなければいけない時期ですし、そんな事にかまけている暇は無いのです」

女勇者「そんな事って…お前妹だぞ! 妹!」

神官妹「そのワードに反応するのは貴女だけですわよ…」

魔族子供♀「ぷー…」

魔王「それに…父上が起こした戦争のせいで、多くの妹を失った人がいるのです」

魔王「だから自分だけそう思ってしまうのは…と、どうしてもそう思ってしまうのです」

魔王「だから…良いんです、これで…はは」ポリポリ。

魔族子供♀「魔王様…」

神官妹「しかしそれにしても」

女勇者「残りの七魔将軍にそんなのいたっけ?」

魔法使い「確かに…戦魔将軍と妖魔将軍の牛どもは除くとして…竜魔将軍は…同じく竜人の筋骨粒々の無頼漢だったし…」

女勇者「翔魔将軍は鳥男、災魔将軍はデカイ目玉…業魔将軍はでっかい鉄の巨人」

神官妹「凶魔将軍はヒャハハってイカれ笑いするのがイカれキャレの定義だと思い込んでた痛い性格の、見ためホストなやさ男」

女勇者「あーあいつが一番キモかったわ…;」

女勇者「つーか今の話で女に繋がりそうな、将軍いたか?」

神官妹「皆無ね…」

女勇者「うーん…」

女勇者「おい、どの将軍がお前の妹だったんだよ?」

魔王「え? いや私も参謀から、聞いただけでどの将軍が妹だったのか…よく分からないです」

女勇者「は? 何だよそれ」

魔法使い「特徴とか分からないのか? 何だか私も気になってきたぞ…」

魔王「特徴ですか…」

魔王「えーと僕に似てとっても優しくて可愛いです」ニヘラ。

女勇者「はあ?」

神官妹「あれが…可愛い?」

魔法使い(優しいって…戦魔将軍はよく知らんが…、他の七魔将軍は人間を虐殺しまくってとても恐れられていたぞ…)

魔王「小さい頃は…よく僕の事をお兄様お兄様って後を追いかけて来てくれて…」

魔王「僕のお嫁さんになるって言ってくれて…」

魔王「う…」ホロ。

魔王「う…魔王姫、もういないなんて」シクシク。

女勇者「まおうき? それがお前の妹の名前か?」

魔王「はい」グス。

女勇者「…そんな名前の将軍いたっけ?」

魔王「さあ? あんまり政には参加させてもらえなかったから分かりませんが」

魔王「元々将軍の名前は二つ名見たいな物だから、本名は使わず将軍名で名乗ってたのかも…」

女勇者「何だよ…紛らわしいな…」

魔王「…すみません」

魔法使い「じゃあ戦魔将軍は本名は違うのか…どんな名前なんだろう? …別にそんな気にならないけど」

魔王「戦魔将軍ですか? 何かこの前聞いてもいないのに言ってきたのですが…ヨシノヤって名前らしいですよ」

魔法使い「そうか…まあ全く気にならないから別に良いけど」

女勇者「何だその名前…何か甘辛く煮込んだ牛肉を卵で絡めて飯と一緒に食いたくなる名前だな…!」

魔王「ちなみに妖魔将軍はマツヤらしいです。 聞いてもないのに言ってきました…!」 

女勇者「お前も聞いても無いのに言ってるぞ…」

女勇者「つーか牛ども何かどうでもいいっつーの!」

女勇者「そんな事より魔王の妹だ!」

女勇者「あー! 気になる」

女勇者「他の七魔将軍があのフォルムだから全く期待してないけど、どれが妹だったのかだけは凄い気になる」

神官妹「確かに…これはシスコンじゃなくても気になりますわね」

魔王「すいません…」

魔王「あ、でも僕が寝てる間も参謀は妹と一緒だったみたいだからあっちの方が教えられるかも…」

神官妹「参謀…!」

女勇者「よし、参謀を探して聞き出そうぜ、魔王の妹の事」

魔法使い「そうだな…」

女勇者「そう言えば参謀どこだ?」

魔王「え、さあ?」

女勇者「? お前の参謀だろ、居所知らないのかよ」

魔王「うーん。最近お忙しいらしくて、あまり一緒に居ないのですよね」

女勇者「一応お前の側近みたいな物だろ…そんな側近で良いのかよ…」

魔王「まあ僕も強制している訳ではありませんから…」

女勇者「緩い魔王側近の間柄だな…」

魔王「はは…あ、居ましたよ参謀さん」

魔王「参謀さーん! すみませーん!」

参謀「何で御座いましょうか魔王様?」

女勇者「お前…最近怠慢だぞ?」

参謀「? 何の事でしょうか?」

女勇者「自覚無いのかよ…」

参謀「はて?」

女勇者「まあいいや、お前七魔将軍の中で、魔王の妹だった奴知ってるんだろ?」

参謀「魔王姫様ですか…ええよく存じていますよ」

女勇者「アタシらその魔王姫が、七魔将軍の中で誰だったのか、凄い気になってるんだよ」

参謀「なるほど…」

神官妹「ここまで来たら、誰が魔王姫様だったのか知りたいですわ」

魔法使い「お前の持っている情報を渡してもらおうか…」

参謀「おやおや、それが魔族に物を聞く態度、改めて人に物聞く態度ですかねぇ…」

魔法使い「ふん」

女勇者「で誰なんだよ?」

神官妹「教えてくださいまし」

神官姉「気に…なる」コクコク。

参謀「…まあ良いでしょう」

一同「!」

参謀「私が知ってる事でよければお教えしましょう」

参謀「魔王姫様は…」

一同「…」

参謀「七魔将軍の中の」

一同「…」ゴクリ。

参謀「とてもごつくて可愛らしい方でした」

一同「は?」

女勇者「何だよそれ…?」

魔法使い「ゴツくて可愛らしいって矛盾してるぞ」

神官妹「余計分からなくなって来ましたわ…」

神官姉「可愛い…ゴリラ?」

参謀「まあと言う事で…じゃ私は忙しいのでこれで失敬させて頂きますね」

女勇者「あ! ちょっと待て! まだ何も教えて無いだろ」

神官妹「行っちゃいましたわ…」

魔法使い「ううむ…ゴツくて可愛い…参謀の奴、適当にはぐらかしたのか?」

女勇者「かなぁ…ちっ…ケチな奴だな…」

魔法使い「今はこうやって馴れ合ってるが、元々敵同士だったのだ、ああ言う態度を取られても仕方ないんじゃ無いか?」

女勇者「ふーん、まあそっか…」

女勇者「ああでも気になるな…」

参謀「…」ツカツカ。

呪族の幼女「ううう…」ギリギリ。

参謀「随分御機嫌斜めですね?」

呪族の幼女「…! ああ魔族のいけ好かんキザ男か…」

参謀「これは手厳しい…」

呪族の幼女「ふん…! 機嫌が悪いじゃと? 当たり前じゃ!」

参謀「ほお?」

呪族の幼女「女勇者の奴、わらわと言う物がありながら、あんな魔族の童とイチャイチャ…」

呪族の幼女「なのにわらわがお店を手伝ってやると言うと、頭を聖剣で刺すのじゃぞ!?」

呪族の幼女「何じゃこの格差はっ!? 女勇者ハーレムの正妻で序列一位のわらわが何でこんな扱いなのじゃっ!?」

参謀「そ、それは…大変ですね」

呪族の幼女「と言うか…イケメンの癖に何を気安くわらわに話しかけているじゃ…」ジト。

参謀「そこに嫌がられらるのは非常に残念ですが」

参謀「私が話しかけた理由は分かっているでしょう?」

参謀「あの計画は…順調ですか?」

呪族の幼女「あの計画? はて、何の事やら…」

参謀「ふ…意地悪なお方だ」

参謀「流石に三千年分も生きていると、はぐらかし方も卓越してきますか? 年の功だけに」

呪族の幼女「ババアと言いたいのか…?」ム…。

参謀「まさか…貴女のようにお美しい人に、そんな失礼な事を思う訳が無いじゃ無いですか…」

呪族の幼女「この姿にそう感じると…ロリコンじゃぞ」

参謀「真に美しい物はどんな姿でも美しい物ですよ」

呪族の幼女「ふん…まあそう言う事にしておくかの」

参謀「で?」

呪族の幼女「何じゃ?」

参謀「まだ引っ張るのですか?」

呪族の幼女「ふん、冗談じゃ…この本の事じゃろ?」

呪族の幼女「あの時わざと落としたのは、この本の文字…三千年の前のルーン語をわらわに読ませる為じゃったのだろう?」

呪族の幼女「確かに今の時代において、これを解読出来るのはわらわくらいじゃからのう…」

呪族の幼女「そこに目をつけるとは、いけ好かんイケメンじゃがそこは誉めてやる」

参謀「ふ…」

呪族の幼女「安心せい…この本に書いてある通り準備は順調じゃ」

呪族の幼女「魔王の髪の毛も前に大量手にいれたしの」

呪族の幼女「準備は万全じゃ…」

呪族の幼女「魔王を殺す…為のな…くくく」

参謀「ふ…」ニヤリ。


~翌日利息の支払い日、人間界姫の居城~


姫「…」ピリピリ。

商人「…」ピリピリ。

神官妹「…」にやにや。

女勇者「…」

魔法使い「…」

魔王「あのー…;」

神官妹(ふふん…どうよ元金と利息を丸々叩き返せるお金を用意したわよ…)

神官妹(見てあのピリピリしつつも悔しそうな顔…ぷぷぷ)

神官妹(あ~良い気味!)

神官妹(商人ごときがこの私の島に手を出そうなんて100年早いのよっ! ふふん!)

魔王「えーと…姫様?」

姫「分かってますわ…」

神官妹「ええそりゃ分かってますよね~分かってましたら、ささお早くこのお金の受取書にサインして、借用書をお渡しして貰えますかぁ~?」

姫「く…わらわは魔王様と話しておるのじゃ…貴様は黙っておれっ…!」

神官妹「あらあらこれはこれは失礼しました姫様~、むふふ」にやにや。

姫「くうぅ…」

姫「…」

姫「ふ…」

神官妹「…?」

神官妹(笑った…?)

姫「…」カリカリ。

姫「ほらこれで良いのじゃろう?」

神官妹「…どうも、確認させてもらいます…」

神官妹(何か内容に見落としがあったかしら…いえ…これ以上は何も無いですわよね)

神官妹「じゃあ借用書の返還をお願いします」

姫「ああ」

神官妹「はいどうも」

神官妹「…」ビリビリ。

神官妹「これで全部終わりです…魔王様お疲れ様でした」

魔王「あ、ありがとうございました。神官妹さん」

魔王「姫様もお金を貸してくれてありがとうございました」

姫「ふ…ところで人間界のわらわの居城の居心地はいかがな魔王様」

魔王「え?」

魔王「は、はい…とても住みやすそうで良いお城かと思います」

魔王 (デザインはイマイチだけど…)

女勇者「つーか何でわざわざ人間界を指定したんだよ…」

女勇者「あれだけ大量の金移動させるの大変じゃねーか」

姫「それはすまん事をしたのう、ご苦労であった」

女勇者「ちっ…王族は気楽で良いな本当」

神官妹「それで…何が言いたいんですの?」

姫「何が、とは?」

神官妹「誤魔化さないでください。先程から何か含みがありますよね?」

神官妹「私たちに何か言いたい事があるんじゃ無いですの?」

神官妹「まあ…今更何を言っても、借金はありませんし、どうと言う事はありませんが…」フンス。

姫「本当にそうかのう…」

神官妹「…む」

神官妹「…何ですか、はっきりしない…何かあるなら言ってみてくださいよ」

姫「そうか? じゃあ言うぞ?」

神官妹「え…?」

姫「魔王様」

魔王「え? な、何ですか?」

姫「荒れ果ての地の街の全権利をわらわに譲りなさい」

一同「…」シーン。

神官妹「…ぷ」

神官妹「は、ははは、あはははっ!」

女勇者「何言ってんだこの女…頭大丈夫か?」

神官妹「ほ、ほんとよ! 自信満々だから何を隠していると思ったら…」

神官妹「荒れ果ての地の街の全権利をわらわ譲りなさい。キリ!」

神官妹「だってお」

神官妹「あはははは!!」

神官妹「…」

神官妹「…はい分かりました…何て言う訳無いでしょ!」

姫「わらわたちは魔王姫を幽閉しておる」

魔王「え…?」

魔法使い「…」ピク。

神官妹「…はい?」

女勇者「魔王姫…!?」

姫「もしも要求を受け入れなければ…魔王姫は…」

姫「処刑する…!」

魔王「…!」


続く。

何と死んだと思っていた魔王姫は生きて姫に幽閉されていた。

だが姫は魔王姫の身の安全を条件に、魔王たちがせっかく立て直した魔族たちの新たな拠点荒れ果ての地の街の全権利を寄こせと言ってくる。

断れば魔王の妹である魔王姫は殺されてしまう。

魔王が取る選択は? 次回に続きます。

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