表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
敗戦魔王の戦後処理  作者: てんたま
56/79

55話 魔王「トイチの利息?」

観光スポットとして荒れ果ての地に自然を育てようとしていた魔王たちは、見事呪族の幼女の力でそれを成功する事が出来る。

これで魔界観光業にさらに一歩前進出来た魔王たちだったが。

しかしそんな時突然姫が魔王城に来訪する。

姫の目的は一体?


登場キャラ


魔王

前魔王の息子で、人間の国の要請で新しい魔王に就任した。

前魔王と違って花や動物を愛する優しさと高圧的な者には強く出れない気弱い性格。

年齢も人間換算で15歳。

そして魔王の系譜らしくとてつもない魔力の持ち主だが、その力を恐れた前魔王に自分は弱いと洗脳されている。

後妹がいる。


女勇者

口も性格も悪い外道勇者。

気は強いが逆境に弱く、泣いてしまう事もある。

また火に対し強いトラウマを持っている。理由は不明。

見た目は胸は小さく金髪ツインテール。


神官妹

聖職者だが計算高く、自分が助かるためなら平気で仲間を見殺しにする汚い性格をしている。

また性癖が年上思考で、大臣を愛している。

元勇者のパーティーで僧侶をやっていた時期もある。


神官姉

神官妹の姉。

喋る事が不得意で話す言葉が訥々になりがちになる。

そんな風だから引っ込み思案に見えるが意外に自分の意志を通す。

性癖は年下思考で子供が好き。

その事から見た目が子供な魔王が好き。

後ちょっとMっ気もあるかも知れない。


魔法使い

エルフで魔王軍に娘を殺された事から、その恨みを晴らす為魔法使いになった。

性格は真面目で固い印象があるが、子供を慈しむような優しい一面もある。

女勇者とは魔王討伐の為パーティーを組んでいた時期もあったが、女勇者の心無い言葉を言われ現在はとても嫌っている。


・魔族の子供たち


魔族子供♀

魔族の少女、少し控えめだが仲間思いの優しい子


魔族子供1

ヤンチャな性格で、すぐに無茶な行動するトラブルメーカー。


魔族子供2・3

魔族子供1の子分のような存在


魔族っ子幼

魔族の幼女。

戦魔将軍を父と呼んでいた戦災孤児。

何事も疑いなく信じてしまう無邪気な性格、後まだ喋るのになれていない。


呪族の幼女

魔族とは違い、呪いの力を使う一族の生き残りで元その女王。

前の戦いで覚醒魔王に力を根こそぎ奪われ封印されてしまい、幼女の姿になってしまう。

幼女になった当初は喋るのに慣れず舌足らずだったが、だんだん慣れてきている。

わらわなど、昔の日本のお姫様のいような喋り方をし、その喋り方通り高飛車な性格をしており、さらに呪いの一族らしく恨みがましく陰湿な性格もしている。

また性癖が同性愛者な事から若い女が好きで、見てくれ美しい女勇者が好き。


参謀

前魔王の片腕だった魔族。

魔王を復活させて今の状態を作ってしまった張本人。

行動では魔王につき従っているフリをしているが、内心では魔王を利用して魔界の再建を狙っている。

そのように表の態度とは裏腹にいつも何か隠している感じの油断のならない性格をしている。


商人

姫の専属アドバイザーとして仕えている商人。

姫に頼まれ魔王をおとしめる為にやってきた。

口が上手く、人の心をつかむのが上手いが、その反面いつも何か隠しているようにも見える胡散臭い人物。


王国の姫。

常に上から目線で物を言う高飛車で傲慢な性格しており、利権など金になる物や自分が面白いと感じた物に目が無い。

今回も魔界の利権を狙ってやってきた。


メイド

大臣たちが魔界視察に来た時についてきたメイド。

いつの間にか魔王城に住み込み生活をしている。

メイドらしく引っ込み思案な気弱な性格。

また女勇者に拾われてメイドになったらしい。

その過去には何か色々ある様子。

姫「ふんふん~ふ~ん♪」

商人「ご機嫌で御座いますね」

姫「当たり前じゃ…もうすぐこの城と観光業をやろうとしている土地はわらわの物になるのじゃろ?」

商人「左様でございます」

姫「莫大な金のなる木が手に入るのだぞ? これが浮かれずにいられるか」

商人「ふふ…しかしどこで誰が聞いているか分かりません」

商人「過激なお言葉をお気をつけを…」

メイド(…私がいるんだけどな)

姫「構わぬ」

メイド(あ、構わないんだ)

姫「大臣も少し利益を回すことで、魔界に関する事はわらわに任せる事を了承させたしな」

姫「後は魔族だが…紙の上の話なら完全にカタに嵌めているのだろう?」

商人「それはもう…」

商人「魔王と言っても所詮は子供、こちらはちゃんと全部説明したのに、喜んで契約に応じてましたよ」

商人「あの酷い内容の契約書にね…」

姫「ならば後は魔族どもの暴走だけが心配だが…その点も大丈夫なのであろう?」

姫「女勇者の力を必要としなくてもな?」

商人「はい…代わりの方は大丈夫です」

商人「女勇者より強く調整してありますので」

メイド「…!」

姫「ならば何を恐れる必要も無かろう…」

商人「で、御座いましたね…くく」

メイド(女勇者さんより強い…? 一体誰なんだろう」

ドア「コンコン」

姫「む…」

魔王「ど、どうもお待たせしました」

商人「いやあ、ご足労ありがとうございます魔王様…」

女勇者「…」

神官妹「…」

神官姉「…」

商人「はて…貴女方は呼んだ記憶ありませんが…これはどう言う事ですかな? 参謀殿」

参謀「申し訳ありません…皆さん来ると言って聞かない物で」

魔王「す、すみません女勇者さんたちには魔界観光業に色々協力してもらってるので」

魔王「一応無関係じゃありませんので、魔界観光業の話なら同席させても良いですか?」

商人(…まさかこいつら魔王に要らぬ入れ知恵させたか…?)

商人(まあ、もはやこいつらが何を騒ごうとも…問題は無いと思うが…)

商人(一応、安全を取って追い払うか…)

商人「すみません魔王様…私一人なら構わなかったのですが本日は姫の御前」

商人「元から約束の無かった者はご遠慮して貰えませんでしょうか?」

魔王「え?」

神官妹「ここは魔王様の城でしょう? 決めるのは魔王様であって、貴方でも姫様でもございませんわ」

商人「…! 国賓が来てるのですよ? 貴女方無関係な者は遠慮して然るべきかと思いますが?」

女勇者「無関係とは挨拶だな」

神官妹「私たちはかつて魔王を倒した勇者のパーティー、救国の英雄なのですよ?」

神官妹「その力で救われた国の姫様が、まさかその私たちを蔑ろにはしないと思いますが…?」

神官妹「いかがでございますか? 姫様」

神官姉「うん…うん!」コクコク。

姫「…」チラ。

商人「お前らいい加減にしろ…姫様に不敬だぞっ!」

姫「構わぬ」

商人「は?」

姫「常に生活に苦しむ民の事を思って胸を痛めておる良き君主であるわらわが、救国の英雄を蔑ろなどと、する訳があるまい」

姫「苦しゅうないぞ、遠慮せず話を聞いていくがよい」

商人「…」

神官妹「それでは遠慮なく…」

女勇者「…」

神官姉「…」

魔王(何でこんな緊迫した雰囲気になってるんだろう…)

神官妹「それで…今日は一体どう言うお話に?」

姫「ほほほ、それは流石に魔王から切り出させないと失礼であろう?」

姫「負けた国のとは言え、一応王なのだから…」

神官妹「…それもそうですね、では魔王様お願いします」

姫「…ぷ」

神官妹「…何か?」

姫「いや仮にもそなたらは王国の者であろう…しかも勇者の一行…」

姫「そんなそなたらが、魔王に様を付けてそちら側にいるこの状況が面白くてな、ほほほ…」

神官妹「…王に礼儀を尽くしてるだけですよ」

神官妹「なのであっちもそっちもありません。あくまで私たちは王国に忠誠を誓った王国の側の人間です」

姫「王国のどの人間に忠誠を誓っているか分からないがの…」

神官妹「…」

姫「…」

姫「ふ…本気にするな、冗談じゃ真に受けるな」

神官妹「分かっています」

魔王「あ、あの…」

神官妹「…」

神官妹「失礼しました魔王様…話の続きをどうぞ」ニコ

魔王「あ、はい…」

魔王「えーと…」

姫「ふむ…」ジー。

魔王「え?」

姫「ほお…」ジロジロ。

魔王「え? え?」

魔王「あ、あの何か?」

姫「本当に子供の魔王なのじゃの!」

魔王「へ?」

姫「話には聞いていたが…本当に子供に魔王やらせるとは…大臣もあからさまの事をするのう」

魔王「た、頼りなくてすみません」ペコ。

姫「! あっはっはっは」パンパン。

魔王「え? ど、どうしました?」

姫「に、人間に頭を下げるとか、お前は本当に魔族か? そんな魔族見た事無いぞ」

魔王「え、いや…魔族らしくなくてすみません…」

姫「…! あっはっはっは! お、お前…わらわを笑い死にさせる気か…」

魔王「…;」

姫「くく…全く、頭に生えてる角が無いと本当にただの子供と見分けがつかんな…」

姫「うむ…一度直にあって正解じゃったわ、こんなに楽しかったのは久しぶりじゃ」

姫「そうであろう商人?」

商人「全くでごさいますね」

魔王「あ、あの…話は?」

姫「まあ座興はここら辺にしておくか…もうすぐ魔界観光業を始められると聞いてな」

姫「今日は出資した者として、その視察なような物に来たと言う感じじゃ」

魔王「視察?」

参謀「お金を貸した物として、ちゃんとお金を返せる物に出来ているか調べに来たのですよ」

魔王「なるほど…ならまだ出来るのは先の話ですが…一応一部だけ完成した場所もあるので見ていきますか?」

姫「まあ一部しか出来てないだろうな…」

魔王「え?」

姫「いやこちらの話じゃ」

魔王「?」

姫「それでじゃがとりあえず見るのは良い」

魔王「? それじゃ何をしに来たのですか?」

姫「今日は貸した金の返済についての話に来たのだ」

魔王「はい借りた分はきちんとお返しします!」

姫「うむ良い心がけじゃ…じゃあこの契約書通り払って貰うが…」

神官妹「…! ちょっとその契約書見せて貰って良いですか?」

姫「…わらわは魔王に見せると言ってるのだぞ」

神官妹「魔王様私にも見せてください。良いですよね?」

魔王「え、ええまあ」

神官妹「許可は頂きました」

姫「む…」チラ。

商人「…」

商人「見せても構いませんが、その契約書の内容は一切覆しませんよ」

神官妹「安心して下さい、私たちは覆す気はありませんので」

商人「…」コク。

姫「…」コク。

姫「ほれ」

神官妹「失礼します…」

神官妹「…!」

神官妹「これ利息がトイチ(10日で一割)になってますが…」

商人「そうですが何か問題でも?」

神官妹「…魔王様」

魔王「はい?」

神官妹「トイチの意味分かってます?」

魔王「はい! お金を返せば良いんですよね?」

商人「私はちゃんと説明しましたよ」

神官妹「あー良いから、そこら辺は良いから黙ってて」

商人「…?」

神官妹(余計な事言うな馬鹿商人が…!)

神官妹(魔王が騙されたって感じてショックを受けて邪神が復活したらどうするのよ!)

神官妹(まーこいつらにそんな事言っても分からないだろうけど…)

神官妹(しかしこの手の話を、大人の汚さを対象者に知られず解決するのって難しいわね…)

神官妹(さらに10日までにこの莫大な金額のトイチの利息を払わないと…担保は取り上げ…)

神官妹(…はっきり言って絶望的だわ)

神官妹(と言うか契約内容自体、最初から担保を取り上げるための物になってるわね)

神官妹(言うまでも無いかもだけど)

神官妹(たく…参謀は同席してなかったの?)

神官妹(こう言うのを助言して止めるのが参謀でしょ…一体何をやっているのかしら…)チラ

参謀「…!」

参謀「…」ニコ。

神官妹(呑気に笑ってんじゃないわよ…!)

神官妹「はあ…」

神官妹「貴方たちの条件は分かりました…この利息を10日までに払えば良いのね」

姫「ああ…払えればな、だだ払えなければ…」

神官妹「あーすみませんそこら辺は判っているので良いです」

姫「何?」

神官妹「最後に質問なのですが…利息を下げる気はありませんよね?」

姫「…無論じゃ」

神官妹「そうですか…」

姫 (なんじゃこいつ、やけにあっさりしてるのう…)

商人(諦めた…?)

神官妹「では10日までに指定された金額は用意致しますので、その時にまたお会いしましょう」

姫「何っ!?」

商人「!」

神官妹「お話は終わりました、行きましょう魔王様」

女勇者「え? 終わり?」

魔王「え、僕何も話して無いんですが…」

神官妹「いいから…!」

魔王「は、はあ…」

姫「…」

姫「ちっ…」

姫(神官妹め…何を考えている…強がりか…それとも)

神官妹(普通ならこの馬鹿みたいな利息を、10日まで用意するのはほぼ不可能だけど)

神官妹(まだ…打てる手はある…!)

神官妹(邪神を復活させないって理由もあるけど…)

神官妹(ここは私が作った場所なのよ)

神官妹(後から来た、貴方たち何かに奪わせないわ…!)

神官妹(どんな手を使ってでも守りとおして見せるわ!)


続く

莫大なトイチの利息を払わなければ、開拓した物は全部女王に取られてしまうのだが。

純粋無垢な魔王はそんな事は知らない。

騙されたと知れば、もしかしたら邪神が復活してしまうかも知れない。

そんな状況に神官妹は私怨も含めて、何とかしようとするだが一体どうなるのか?

次回に続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ