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君が恋した時間と僕が生きた日々  作者: 星野 葛葉
2/11

2  告白

 それはお昼休みが終わりかけ、夏が次の教室に移動しようと廊下に出た直後に起きた出来事。

 「とぉーだぁーさぁーん!」

 大声で自分の名を呼ぶ声に振り返ると、こちらに走ってくる1人の男子がいた。そんな大声で呼ばれると逆に恥ずかしい。

 戸惑っているうちに、その男子は夏の目の前まで来ていた。

 「えっと‥」

 見覚えはあるものの、名前を知らない。

 「橋口優です!あの、ちょっと来てもらってもいいですか?」

 「ちょっと、どこに行くんですか?」

 彼は返事をする前に手を引いて歩いて行ってしまったので、ただついて行くことしかできない。

 いくつも階段を上り、彼は屋上の扉を開けて少し進んだ所で足を止める。

 その後、振り返ってニコッと笑った。

 その笑顔にふと美形なんだなと思ってしまう。

 大きく息を吸った彼は夏の目をしっかりと見てこう言った。

 「ずっと前から好きでした。戸田さん、付き合ってください」

 静かに時間だけが流れるように静寂が広がる。

 信じられない、好きだなんて。でも、もし本当ならそれはとても - 。

 「えへへ。好きです、なんて言われると照れますね」

 夏が言い終わると同時に予鈴のチャイムが鳴る。

 「移動教室なんでもう戻らないと」

 教室に戻ろうと方向を変えようとすると、彼に呼び止められた。

 「その、返事を」

 「OKですよ。素敵な告白ありがとうございました」

 戸惑いがちに聞いてきた彼に笑顔で答えると夏はスキップで屋上を後にした。

 彼はその場にしゃがみ込んで…何をしてたんだろう?

   

 「こんな感じだったかなー」

 一通り説明して、改めてあの時の事を思い出す。

 隣では雪が手で顔を覆いながらも指と指の隙間からこちらを見ている。

 「なに?!」

 「恋だねー、青春だねー、ワトソンだねー」

 「全体的に意味わかんないし、私はワトソンじゃないから!事件解決してないから!」

 「ワトソンには何の意味もなかったんだけどね」

 へらっと笑う彼女がホームズだとしたら、事件の迷宮入りは免れないだろう。

 春の空にはもう1番星が輝いていた。

 

新たに、橋口 優という登場人物が増えました!

これからも増やしていく予定です。


誤字脱字あればご指摘お願いします。

感想などなどお待ちしております。

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