表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が恋した時間と僕が生きた日々  作者: 星野 葛葉
1/11

1 突然

初の投稿作品です。あたたかい目でお願いします。

楽しんでいただけると嬉しいです。

 降水確率80%の空は快晴で、雨なんて降り出しそうになかった。

 「もう放課後か、早いなー」

 私、黒川雪は机に頬杖をつきながら親友を待っていた。

 心地よい風が吹き眠気を誘う。

少しぐらい寝ても大丈夫だろう、彼女は委員会の仕事できっと今日も遅くなるはずだ。そう思うと瞼が重くなってきて、だんだん意識が遠くなっていった。


 「雪、雪ー!」

 自分の名を呼ぶ声で目が覚めると、目の前には親友の戸田夏がほほ笑んでいた。

 「あ、ごめん!つい眠くなっちゃって」

 「大丈夫、さっき仕事終わったところだから気にしないでいいよ」

 謝罪しつつ、帰宅の準備をし教室を出る。外を見るともう夕日が沈むころで、さすがに皆帰ってしまったのか廊下には雪と夏2人だけの足音が響いていた。

 「あのね、聞いてほしいことがあるんだ」

 軽く返事をしようとしたけど、夏がいつになく真剣だったので無言で頷き返す。

 「お昼休みに橋口くんから告白されちゃった」

 「え?」

 夏は確かに可愛いけど男子とあまり話す方ではないし、告白って普通は放課後にするものだと思ってたのに。混乱する頭に意識を向けていると、下りかけていた階段を踏み外してしまった。

 「うぁっ」

 擬音だけを残して雪の体は宙に浮く。その瞬間、何も考えないようにして目をつむる。

 「雪、危ない!」

 夏の声にうっすら目を開けた時にはもうすでに遅かった。雪の目の前には驚きと恐怖から棒立ちになっている男子がいた。

 ドンッと鈍い音がして雪とその男子は勢いよくぶつかった。

 「す、す、す、すいませんでした!」

 雪は勢いよく立ち上がると全力で謝り、赤くなった顔を手で隠しながら凄いスピードで階段を下りて行った。

 「はぁ、ほんと騒がしいなー」

 夏はため息をこぼし雪のぶつかった相手にぺこりと謝り、急いで後を追いかけた。

 

 ぜーぜーと、苦しそうに息を切らしながらついさっきの出来事を思い出して、一層顔を赤くする。

 「なんで?」

 どうしたらあんな事になるんだろうか、思わず頭を抱えてうずくまる。

 「もー、なにうずくまってんの?」

 顔を上げると、夏が困った様子でこちらを見ていた。

 「最悪だよ、消えてしまいたい」

 「知らない人にぶつかったぐらいで消えてたらこの先生きていけないよ」

 都会やイベント会場などで他人とぶつかるなんてよくある事。そんな事でいちいち消えていては、いくら分身があっても足りないだろう。

 「あぁ、もう遅いし、早く帰ろうよ」

 何も言えなくなり早歩きで校門をめざす。

 まだ少し赤い顔を優しく風がなでる。

 「ちょ、雪待って!」 

 「早くー」

 雪は立ち止まり夏を待ち、彼女が告白されていたことを思い出す。夏が追いつくとさっそく聞いてみる。

 「ねぇ、告白はどうだったの?」

 「え?そ、それは」

 「どんな人なの?場所わ?雰囲気とかどうなの?」

 17年で一度も告白されたことがないいのも恥ずかしいけれど、いままで経験したことがないので気になることが沢山ある。  

 「わかったから落ち着いて」

 1人で盛り上がる雪を、夏が睨んで黙らせる。

 「ちょうどお昼ご飯を食べ終わって、次の教室に移動しようとしてた時なんだけど」

 うん、うんと、まだ少ししか話してないのにあいづちを鬱陶しいぐらいにした。

誤字、脱字があればご指摘お願いします。

感想などなどお待ちしています。

応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ