堅物騎士とマシロ
さ、やっとまじめ君の登場でっす!
『…キリ?』
その日、キリは隠し部屋にアギレイを連れ立って来た。
マシロはトランプ作り最終段階に励んでいたので、キリが入ってきたのはわかっていたが、トランプを優先させていたため、気づくのが遅れた。
「マシロ」
『ちょっと待ってー。あと十分くらいで終わるから』
「まーしろ」
『もう!邪魔しな…』
背後から抱きしめられ、いつものように抵抗すると、ふと視界の端にもう一人。
真っ赤な短髪の髪、翠の目。がっしりとした体格に、腰に大きな剣を差し、黒の制服を着ている。
威圧もさることながら、マシロを見る目は選別するように、値踏みするような視線を送っている。
マシロはキリに抱きしめられて良かったと思った。
騎士が怖かったのだ。
『…キリ?』
「マシロ、こいつはアギレイ・クルル」
キリはマシロに明るく言い、表情を変えてアギレイを見る。
「アギレイ、マシロへの態度を改めろ」
「…申し訳ません。姫、アギレイ・クルルです」
アギレイは膝をつき、キリに抱きしめられているマシロに視線を合わせた。
『るー?』
「姫、マシロのことだ」
キリはマシロを指差し「ルーチェ、ルーチェ」と繰り返す。
マシロは首をかしげていたが、理解はしていないがルーチェと呼ばれる事に納得したようだ。
「マシロ、おれはしばらくここに来れない。代わりにアギレイにマシロの世話を頼んだ。気に入らんことがあれば容赦なく殴っていいからな」
『この人怖い。私のこと嫌っているよね?どうして連れてきたの』
「何か必要なものがあれば命令していい。食べ物のおやつもいままで通りに運ばせるから」
『空気が重い気がする。めっちゃ見てるもん、この人』
相変わらず、まったく内容が通じていない二人。両方が好き勝手話すから、わからないものはわからないままとなる。
キリはしっかりみっちりとマシロに対して無礼を働くなとアギレイに言い、グラファンドへ旅立った。
マシロが理解しないままに。
次から、アギレイとマシロの日常です。
相変わらず文脈がおかしい…読みにくくてすみません。
お読みいただきありがとうございます。