ふたりの「ひ」日常
サクサク勧めたいので、ここで登場。
きっとこの小説、まとめて最終的に書き直す可能性高いなぁ…
王の乳兄弟で、幼少より今にいたるまで、10年以上の付き合いがあるアギレイ・クルルは呆然とした。
キリュシエルのご落胤騒動のときよりも愕然とした。
「陛下…」
「いいか、マシロはすごくかわいい。ぷにぷにだし素直ですぐ笑うし甘いものがすきで将来が心配でならんが、とてもかわいい」
「それは聞きました」
「まだ幼いが、幼すぎるのではないかと思うくらいぽやっとしていて、しかし奇妙な思いつきや奇抜な事をするところもかわいい」
「…陛下」
「いいか、絶対に手を出すな。出したらその手といわず腕ごと切り取る」
「陛下!」
話を一向に聞く気がないキリュシエルに、大変な無礼であったがアギレイは声を荒げた。
いや、荒げるべき問題だ。
「隠し部屋の事はわたしも存じておりました。ええ、それはもうしっかり知っておりますとも。王の蛮行を発散すべき部屋と知っております」
静かになったキリュシエルに、今度はこちらが畳み掛ける。
「王の重責は想像を絶し、普段より人の目を避けることのできない息苦しい生活でしょうと思います。―――しかし、しかしです!グラファンド王国との会合、その道中は危険もあります。なのに隠し部屋の姫が心配だからと、私を姫の護衛とするとは何事ですか!!」
「そのままの意味だ。マシロの護衛をしてろ。じゃないとおれはマシロが心配で会合どころでない。それに護衛は無駄なくらいつけて行く。別にお前をおいていっても問題あるまい」
「私の叔母はグラファンドの筆頭貴族の妻。同盟の補助になりましょう」
「いらん。マシロが大切だ。補助なく同盟をさっさと結んでくる。だから、貴様はマシロに手を出すことなく大切に赤子よりも大事にやさしくして、マシロに凶刃が向けられれば問答無用で殺し…いや、背後関係を洗うから4分の3殺しをしろ」
「っ!」
「異論は聞かん。あと、マシロのことは誰にも言うな。出自もなにもかも、マシロのことを探ることを禁ずる」
「しかしっ」
「聞かん、といったろう?マシロの手足は本当に赤子のようにやわらかくすべすべとしてる。身のこなしもゆるく鈍い。敵国の諜報とは考えられん。お前も会えばすぐに暗殺・諜報は無理だとわかる」
「…陛下」
「お前だから頼むんだ」
『キリー…お腹すいたよ。ごはん』
マシロ本人のあずかり知らぬところで、これからの生活が変わっていくことを、ただ腹を空かせたマシロは知らない。
「あ!アギレイ、マシロに何もするなよっ」
「…承知ております」
この国の防犯体制どうなってんだ?
など深く追求せず、ふわっと御読みくださいますよう心から、心から、こころからお願い申し上げます。
大事なので3回言いました。
全体的にふわっと読む、がオススメです…(涙)