参
学校
『眠ぃなぁ………』
早坂が教える歴史は案外テストで重要な筈なのだが、なんせ話すスピードがかなり遅い為、ほぼみんなが寝ていた。
リーンリーンリーンリーン
四時限目の終了のチャイムが鳴る。次は飯の時間だった。今日は、白銀が俺のお弁当を作ったが味はどうなのか?
『これは………………。』
何故か豪華な三段弁当だったが、そんな事も気にせず、バクバク食べていく影月。どうやら相当美味しかったらしい。
「此れ、お前が作ったのか?」
隣で飯を食べているのは、麻倉椛の弟。名前は、麻倉 神俺の数少ない友達の一人だ。
『いいや、知り合いが作った。一口食うか?』
そして、こいつにはあだ名がある。
「良いのか?!サンキュー」
卵焼きが乗った箸を神の口元まで運ぶ。
『やっぱ、辞めた。』
神の口に入る寸前で俺の口に入れる。
「ひでぇよ…」
そのあだ名が「弄られ屋」だ。
『お前、やっぱバカだな(笑)』
「笑ごとで済まられる話じゃなぇんだぞ!あぁ、マジで腹減った……」
キュー、と自分の机に突っ伏す神。見た目はイケメンな為その行為は可愛く見えたが、影月はそんな事では飯なんかあげたりしない。
『学食に行けば良いじゃねぇかよ。財布はどうした?』
「犬に盗られた……」
『今時、財布を犬に盗られる奴なんて居るんだな(笑)』
「お願いだぁ……弁当、分けてくれよ………」
『ったく…仕方ねぇな……こっから此処まで食べて良いぞ。』
これ以上やっても意味が無いとわかっていた影月は神におかずを分けた。
「っしゃ!有難うな影月!此の恩は一生忘れないからな!」
『ま、お前は恩を仇で返す奴だからな。期待しないでおくよ。』
「(グサッ)そ、そんなストレートに言うか(涙)?」
『だって、この前は「友を助ける!」とか言ってマフィアに突っ込んで行ったじゃねぇか、俺を道ずれにして。』
(勿論、三次元でそんな事は有り得ません。)
「あれは、仕方なかっだろ?俺の友が誘拐されたんだ!助けるのは当たり前だろ!」
『きっと、あの人が居なかったら俺達死んでたんだぜ?』
あの時、マフィアのボスと戦っていた影月達は窮地の状態に立たされていた。だかある人がボスを倒してくれたのだ。
「まぁ、そうだったな……」
『お、もうそろそろ授業が始まるぞ?次も早坂の授業か………面倒だな………』
「流石に姉ちゃんに怒られるからサボリは勘弁な?」
『分かってるっーの。』
神は自分の席に戻って行った。
___________*____________
ガチャ
『ただいまー。』
〔お帰りなさい。どうでした、学校は?〕
マカロンを食べていた白銀が言う。
『お前、どんだけ食べるんたよ………』
呆れた風に影月が呟く。
〔あ、そう言えば影月君の幼馴染さんはアルバイトしているんですね。〕
『それ、どこで知った?』
〔内緒です♪〕
『うぜぇ………』
会話もそこで終わり二人共思い思いの時間を過ごしていた。
ピンポーン
突如、家のインターホンがなった。
『誰だ?』
ガチャ(インターホンに出た音)
「椛よ。白銀さんは居るかしら?」
『なんでお前が白銀の名前を知ってるんだよ?』
「と、言う事は居るのね。カフェシュガーからのお届け物よ。」
2/12…細部を修正。