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青春メール

作者: 鉢吾

スーパーショートです。

メールが来ない…寝ても覚めてもメールが来ない…


送った日すら、忘れてしまった。


きっと返っては来ないだろうと思いつつも心の奥底では、期待をして待っている。


一週間が経ち、二週間が経った。もう送った内容も興味も無くなっていた。


メールが来た。たった三文字。『なに?』僕は返って来た事に、怒りを忘れ嬉しくなってしまい直ぐに返信した。


メールが来ない…今度は、一ヶ月経っても来ない…


気持ちが、僕に向いてないのはわかっているけど、彼女が好きだから送り続けた。メールが返って来なくても…


彼女は、中学で同じクラスだった。彼女は、僕らのマドンナだった。ルックスよし、スタイル抜群、性格も明るく僕みたいな奴にも優しく接してくれた。


中学生にして、何人もの男子と付き合ってるのは知っていた。生徒会長、サッカー部のキャプテン、他校のバスケ部のエース、大学生、高校生と幅広かった。


優しく接してくれた彼女は、どこに行ってしまったんだろう。


僕は卒業式の日にメールアドレスを教えてもらった。高校生になった僕は友達に囃し立てられメールを送った。


『前から好きでした!付き合ってください!』


返事は、予想外にもOKだった。


人生で初めてデートをした、兄貴の東京Walkerを熟読しデート場所を決めた。


結局池袋に行って、サンシャインの水族館に行き、クレープを食べウインドウショッピングをし、二人でプリクラを撮って帰った。高校生だしお金もなかった。夢のような楽しい一日で時間が経つのが早かった。


緊張で彼女の手を握る手は、汗だらけだった。


その日の夜は、ドキドキして眠れなかった。


次の日、僕は振られた…訳もわからず…


それから、メールが来ない……


数年が経ち、街で彼女を見かけた。相変わらず、綺麗だった。むしろ磨きがかかったくらいだ。横にハゲた小太りのオヤジが、彼女と小さな女の子の手を繋ぎ歩いていた。


ふと携帯の電話帳を開いて、ずっと消せずにいた彼女の名前がそこにはあった。


僕は静かに、彼女のアドレスを消した…


僕は、同窓会で再会したあまり中学時代は、話さなかった同級生と結婚した。


その後、彼女が離婚した話を耳にしたが僕には、もう関係なかった…


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