消えない音
午前二時、毎晩同じ音がする。
――コン、コン、コン。
窓を三回、誰かが叩く音。
一人暮らしの部屋、四階。窓の外には、誰も立てない。
最初は気にしなかった。
だが、三日目。
「コン、コン、コン」
音の直後、スマートフォンが鳴った。
録音アプリが勝手に起動している。
再生すると、そこには自分の寝息と、窓を叩く音。
そして、小さな声。
「まだ、気づかない?」
怖くなって、その夜は友人の家へ逃げた。
翌朝、自宅に戻ると、録音アプリに新しいファイルが増えていた。
昨夜、部屋にいなかったはずなのに。
再生する。
「コン、コン、コン」
しばらくして、女の声がした。
「今、後ろにいるよ」
その瞬間。
背後から、
――コン、コン、コン。
窓を叩く音がした。
振り返る。
窓には、誰もいない。
ただ、ガラスに指で書かれていた。
「次は、あなたが叩く番」
その文字を見た瞬間、スマートフォンから自分の声が聞こえた。
「コン、コン、コン」
そして、部屋のドアの向こうから、
誰かが返事をした。
「……コン、コン、コン」
純粋なホラーだと思っている(捻くれず)。
ご読了ありがとうございました。
後書き裏話はブログで。きっと作品よりもそっちの方が面白い。




