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学園の日常

初投稿です!!


アドバイスや誤字脱字など、後感想もお待ちしています。


それではどうぞ

 ここはファンタズム学園、総勢三千人もの生徒達が年齢別に初等部、中等部、高等部に別れ、勉学に励んでいる。そしてとある高等部3年の教室。人数が4人という明らかに少ない教室の中、1人の男が退屈していた。

「まったくもってだるい」

 本当にだるい、だるすぎる、何でこの世に数学なんてあるんですか? 社会に出た時役に立つんですか? でももうすぐこの退屈な時間からやっと抜け出せる。

 3・2・1……

 授業の終わりを告げるベルが鳴り響く。

「それでは、今日はこれまで」

 先生はそう言うともう用は無いのか、足早に教室から出ていった。

「終わったー!」

 俺は生き返ったかのように大きく伸びをする。この後は昼休みなので飯のじかんだ。

「リアン、飯食おうぜ!」

 と誰かが待ちに待ってましたと言わんばかりに話しかけてきた。

「何だ、レイかよ……ちっ!」

 話し掛けて来た人物に舌打ちをかます。

「ちょっ、酷くね!? 飯に誘っただけなのに何その態度!」

 こいつの名前はレイ・クロード。そこそこ整った顔立ちに、髪は茶髪のツンツンヘアー、運動神経抜群のスポーツマン野郎。小学校の頃から一緒にいる俺の親友であり、オモチャでもある。

「だいたい男に誘われて誰が喜ぶよ? 俺を誘うんだったら可愛い女の子を用意しろや」

 だってねぇ? やっぱり高校生で思春期真っ最中ですから。

「私達じゃ不満?」

「ご一緒してもよろしいですか?」

 突然会話に入り込んで来た女の子2人。

「いえいえ、滅相もございません、貴女様方と食事の席をご一緒出来るとは至極光栄の極みでございます」

 俺は手を胸に当て、大げさにお辞儀をしながら言った。

 この2人は少し高慢な口調のフィリアと丁寧なユウナ。整った顔立ちに髪型はショートで色は赤、その色は例えるならルビーのように綺麗な色で荒々しい炎のようなイメージを彷彿させる。はっきり言って超絶な美人、このちょっと気の強い女の子がフィリア・クランベルだ。

 だけどがさつなところがあり、乱暴、遠くから見れば憧れの的になるが、本当の性格を知るとそれはもう幻滅だ。

「何か失礼なこと思わなかった?」

「思ってないです!」

 危なかった、勘まで鋭いぜ……。

 んで、もう1人がユウナ・ハーティリー。こちらも整った顔立ちをしていて髪型は腰まで届くようなロングに色は青、例えるならサファイアのように澄んでいて、何もかもを洗い流すようなイメージを彷彿させる色をしている。品行方正で綺麗というよりは可愛い、フィリアとは真逆の俺の癒しだ。

「ふふっ、お二人を見ていると楽しくて好きです。主に可笑しい意味で」

 とか言われたけどね。俺の癒しだから! 疑わないで!

「それじゃあ天気もいいことだし! 屋上で食おうぜ!」

「ナイスだレイ! 屋上に行こう今すぐ行こう、この空間から早く脱出するんだ」

 そうして俺達は屋上に向かった。


ーー

ーーーー

ーーーーーー


 天気に恵まれ、太陽の光りが差す中、屋上は喫茶店のように椅子とテーブルが置かれていて多くの生徒達で賑わっている。席が空いているか心配だ。

「あそこ空いてるぜ!」

 そんな心配をよそに、レイが丁度4人用のテーブルを見つけたのでそこに座る。

「やっと飯だ〜」

 俺は自分の弁当箱を開ける、今日は三色ご飯におかずは卵焼き、唐揚げ、ミニロールキャベツというちょっとだけ贅沢な弁当だ。もちろん手作りである。

「いつ見ても見事な弁当よね……」

 先程購買で買っていたメロンパンと俺の弁当を交互に見て、ため息混じりにかじりながらフィリアが言う。

「本当に凄いです。私なんかまだまだ……」

 ユウナは自分のお弁当を見比べて落胆したようだ。卵焼きにアスパラのベーコン巻き、きんぴらごぼうにご飯には鮭がちりばめてあり、いたって家庭的でいいとは思うけどな。

「唐揚げくれ!」

 レイは目をキラキラさせながら唐揚げを箸で差す。レイのは米一色の見事なお弁当だった。

 最初からたかる気だなおい。

「親はどうしたんだよ、作ってくれなかったのか?」

 さすがに白しかないお弁当には驚いた。

「あぁ、なんか忙しいらしくて帰れないって置き手紙があった。ったく、一体何してんだか、んで唐揚げくれ」

 つまりはレイは作るのではなく、おかずは最初から貰う気でいたということか。

「まぁ大変そうだけど頑張れ。今度からはちゃんと作るか買って来いよなーーっておいレイ! 俺の唐揚げ取るな! 許可した覚えはない!」

 レイの目が一瞬キランと光ると箸が消え、視認不可能なスピードで唐揚げを取っていった。

「俺はお前の答えを聞かなくてもわかる! 答えはイエスだろう? てかそれ以外の答えは聞こえない仕様になっている!」

 レイの耳はご都合主義に改造されていたのであった。小さい頃からの友達だがそんな話しは聞いたことがない。

「おまっ、食うな! 全部はやめろ! ガンズスタイル『風弾』(ウインド・バレット)」

 俺は出力最弱の『風弾』をレイの額に放った。「痛っ! 何すんだ、魔法は使うなよ!」

 レイは理由がわからないと言った表情でまくし立てる。逆切れっていうんだそれは。

「何すんだはこっちのセリフだ! 唐揚げが無くなったんだぞ! 俺の心の痛みはそんなもんじゃねぇ!」

 唐揚げは俺の楽しみだったのだ、あのカリカリとした食感、中の柔らかい肉とその肉汁を楽しみにしてたんだ。もちろん作るのにもそれなりの危険性がある。それらが全てレイの栄養となってしまったのだ。そりゃ怒る。

「はいストップ! 喧嘩は終わり、みんなに注目されてるよ?」

 辺りを見てみると皆がこっちを見てひそひそと何か話している。ちょっと恥ずかしくなり俺達は素早く座る。耳を澄ますとな〜んだ。と残念そうな声が聞こえた。

「やっぱり楽しいですねこのメンバーは、リアンさんは風をいつも扱っていますが何型ですか?」

 ユウナが嬉しそうな表情をしながらこちらに聞いてくる。そういえば言ってなかったな。

「あぁ、知ってるとは思うが俺の階級はテトラマスターだ。取り込んでるのは風二つに炎一つ、水一つのバランス型だな」

 階級とはDNAの中に取り込んでいる魔法の数だ。ファーストマスター、セカンドマスター、サードマスター、そしてテトラマスターと続く、5つ以上取り込むとDNAのバランスが崩壊し、体の形成を保てなくなるので実質上最高ランクだ。バランス型というのは魔法の種類をまんべんなく取っている人のことで他にも特化型、超特化型などがある。

「んで、レイがなんだっけ? バカ4つのテトラだっけ?」

 俺はレイに向かって聞いてみる。唐揚げの恨みが消えたわけではない。

「酷くね!? そんな魔法なぇし、俺は地が4つの超特化型だから、しかもバカじゃない……なんで皆目を逸らすの?」

 レイが心外だ! と言わんばかりに高々と言う。しかし自分が頭が悪いことに気が付いていないとは、やはりバカに変わりはない。

「この流れは私も言ったほうがいいかな? じゃあ、改めまして、私は炎3つに風1つの特化型だよ。」

 はっと気付いたようにフィリアも流れに便乗して自己紹介をする。

「それでは私も、私は水3つに雷1つのフィリアさんと同じ特化です。」

 ユウナもそれに習う。

「知ってたけど改めて考えると凄いよな、最高ランクが4人も揃ってると」

 レイは俺から奪った唐揚げだけでなく、ユウナから貰ったおかずを食べながら神妙な顔をして言う。


「まぁそこには同感だ、さすが選ばれた子供達って呼ばれる事はあるな」

 そう、この魔法が使える技術、レイジシステムは全員が全員使える訳じゃない。遺伝子の中に異物を入れるわけだから適正が必要なのだ。

 さらにはその適正次第で使える魔法の数も、何を入れられるかも決まる。故にテトラマスターは人数が極端に少ない。演算能力やイメージ力で威力の増減はあるが、階級を上げるのに努力など無意味、完全に才能の世界。それがレイジシステム。

 そしてこの学園、ファンタズム学園は魔法の才能のある子供達を集め、英才教育をするための学園、さらには階級毎にクラスが分かれているのでそれがリアン達が選ばれた子供達の理由である。

「おっ、そろそろ昼休みが終わるな、それじゃあ教室に……」

 その時、爆弾が爆発したような音が鳴り響いた。

「ん?」

 校庭のほうから何やら騒がしい音がする。

「行くぞ」

「行こうぜ」

「行こう」

「行きましょう」

「どうやら委員の仕事になりそうだな」

 そうリアンは呟き、ポケットから腕章を取出し、右腕にはめる。

 その腕章には風紀と書かれ、他の3人も付けていた。


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