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短編

暗い男女交際

作者: くろここみ

 世間では明るい男女交際が推奨されている。でも私たちは暗いほうが好きだ。何しろ私の名前は『土中つちなか滋味子じみこ』、彼の名前は『影日陰かげひかげ影二えいじ』。名前に負けていない日陰者カップルだから。


 待ち合わせはマンホールの下。下水道施設の中を歩いていくと、目の前にうっすらと暗い影のようなものが現れた。


「待った? 影日陰くん」

「待ったよ。……あーあ、大切な俺の時間を7分も無駄にさせやがって」


「フフフ……。私のために無駄にさせてやった。ざまぁ」

「まぁ、俺様は優しいからな。特別に許してやってもいいよ。んで? 今日はどこへ行く?」


「いつもと同じよ。何いってんの?」

「今日はどっか行きてーのかと思って特別に聞いてやってんだろ。バカか?」


 そして私たちはいつものように、そこでじっと何も喋らずに、ネズミを観察して過ごすのだ。


「……」

「……」


「……」

「……」


「落ち着くわね」

「うん」


「ところでそろそろ……しない?」

「ククククク……。するのか?」


「フハハハハ! するのよ、黒くて真っ暗な男女交際を!」

「ヒヒヒヒ! やるか!」


 高校生カップルがしてはならないことを、私たちはした。


 もちろん不純なことではない。そんなのは明るいカップルがやることだ。


 (さ〜て)(なにを)(したで)(しょう?)






 ─ 続く ─



影日陰くんの名前は四宮楓さま『影日向くんは引きこもり』よりお借りしました。

https://ncode.syosetu.com/n0283hd/

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― 新着の感想 ―
待ち合わせはマンホールの下 > 水道局局員「勝手に入っちゃ駄目だよ、キミ達」と、退去させられる事がたまにありそう。 いや、閉められて真っ暗の方が多いか? 「懐中電灯どこにやったっけ?」 「俺様が持って…
く、暗い! ネズミを見て落ち着くんですねえw おねーさんは、明るいカップルのいけないことを想像してしまいました(^_^;) 本当に続く?
この二人、これからいったい何を? こういうナンセンスなストーリー、いいですね。 ラスト。 ルビの活用、うまいものです。
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