I can love you 後編
こんにちは!
寒くなってきましたね…
この話は前回の続きとなります。
心が動くそんな話になってます!
「あの〜同意書に…」
「1人が楽しいかって聞いてたね…僕はね、楽しくないよ。反吐が出るさ。退屈だよ。」
「彼女隣にいるよ…」
「こんな僕の事、彼女は知らないと言うはずさ。人殺しが婚約者なんて嫌だろ。」
「そうなんだ…」
「でも!彼女を守るためにっ!仕方なかった…でしょ?」
「仕方がない…か。仕方なかった、殺すしかなかったという陳腐な理由で君の大切な人を殺されたらどう思う?僕の殺した人にも帰りを待つ家族が居たんだ、未来も、夢も沢山たくさんあったんだ!!!!なのに、僕は…」
「それは違う!!いや、違うくない…でも、それが戦争なんだと俺は思いう。俺は父親をシャングリアに殺されて、母親もシャングリアに殺されたみたいなもんで、正直殺したいと思ってました。今は諦めてると言うか…自分にはそんな度胸も力もないから…でも、殺してやりたいと恨む気持ちはずっとあって…その、なんて言うかそれが戦争なんだと思います。だからどうか…自分を責めないでください。」
「よく考えるんだ。彼女はもし戦争が起きなければ、こんな風にならなかったのか。僕と出会わなければ病気にもならなかったのか…。彼女は僕で良かったのか…幸せに出来たのだろうか…と。」
俺は彼にどんな言葉を掛ければ良いのだろう。
泣いている彼にどんな言葉を…
「ごめんね、こんな姿…1人にしてくれないか…あぁ…同意書だったね。それが戦争なんだって君の言葉悔しいけど、腑に落ちたよ。安楽死の事、彼女と2人でしっかり考えるよ。」
「はい…」
俺らは病室を後にした。
「小宮くん、どうだった?ありあちゃんも!」
俺はあったことを全て伊東さんに話した。
「伊東さん、俺はどんな言葉を掛ければ良かったのでしょう」
「それが戦争なんだと言う言葉が彼の求めていた言葉かどうかは分からないし、どんな言葉を書ければ正解だったのかそんなのは誰も分からないわ。でも、彼とちゃんと向き合えたと言う事は話を聞いて分かったわ。向き合えたなら十分よ。」
「でも…」
「なら、できる事を考えなさい。ありあちゃんとね。ここにいる人はみんなそうしてる。一つでも出来ることを最大限してるの。分かったわね?」
数日後彼から僕らは名指しで呼ばれた
「小宮くんだね。隣にいるのはアリアさんだよね?聞いたんだ。これ、同意書。実はあの日の夜、東堂さんと言う方から彼女が植物状態になる前に書いた手紙を渡されてね。彼女は、優秀な人でねこうなる事を予知してたかようなそんな内容だったんだ。手紙を読んだ後、久しぶりに彼女の顔をまじまじと見たんだ、すごく苦しそうで、痛そうで僕が守っていたのは、彼女じゃなくて自分自身だったんじゃないかってその時思ったんだ。彼女の為に僕は何が出来たかなんて考えても全部自分のために繋がって、本当に彼女の為に何か最後くらいしたいと思ったんだ。サインはしてある、お願いします。」
「確かに受け取りました。」
「あの…」
「アリアさん…?」
「もっと…誇っても良いと思う…」
「?」
「貴方は、殺したって言ってた…けど、私は戦い抜いたから、生き抜いたから貴方は今そこにいる。その事をもっと誇っても良いのだと思う。」
「ありがとう…君たちの新曲僕は待ってるよ。彼女もピアノが上手でね、彼女からよく小宮くんの話は聞いてて天才だって言ってたんだ。彼女が亡くなる時ピアノを弾いてくれないか…なんでもない…図々しいですよね。笑」
「弾きます。弾かせてください。彼女の為に、いや、貴方と彼女の為に弾かせてください。」
数日後
彼女は安楽死した。
彼は泣いていなかった。
いや、隠れて泣いていたのだと思う。
愛する人の前では泣きたくなかったのだろう。
俺も、指鈍ったな…
鍵盤がとても重く感じる。
彼にとってこれで本当に良かったのだろうか…
そんな事ばかり考えてしまう。
最後に彼は
「泣くことが得意になりました」なんて
笑いながら言っていたが、そんな彼が僕の掛けた言葉のおかげで少し前向きになった事に自分でも驚いている。
しかし、もっと驚いたのは
「いつか君の笑えるような歌が歌えるなら、歌えるなら…歌うね」
と彼にアリアが言ったことだ
なんて言うか、その言葉はとても暖かくてとても重かった。
いつか、どのくらいかかるかは分からないけど
歌えたならいいね…アリ…
「律、歌いたい。今の気持ち書いた。これ、曲にして欲しい。歌いたい。届けたい。」
歌う日は想像以上に早かった。
最後までありがとうございました!
いや〜愛する人との別れはとても辛いですね。
それに、もしも‥なんて事を考え出したら…
当たり前の日々に感謝して生きていきます!