ゆく年くる年
晴れた空に浮かぶ雲
空気の流れる音なのか
時間の流れる音がする
明日へと行ってしまう前に
穏やかな空をかける
今日という日
何の音なのか
コポコポと足もとで音がしている
水の音なのか
目には見えない場所で
世界が動く音がする
それらに触れようとするならば
人としての時間を終えた先
まるで笑うように
かつて私が抱かれたように
何かを育み
慈しみ
愛して
いくつもの星たちが宇宙に抱かれるように
世界は包まれゆくのだろうか
2022番目というのは記号に過ぎない
人としての時間を君と過ごした時間
2023番目の時間の先へ
なにもかもが
いそいそと
吸い込まれてゆく
時間というものは世界で言うところの
血液のようなものだろうか
身体をめぐる──
もしかすると私たちは
部品ではなく
砂粒でもなく
大事な臓器を象る細胞よりももっと小さな何か──
世界のDNA──
染色体の一端を担う何かなのかも知れない
そんな小さな世界にいて
なにもかもの世界を知るには
とてつもなく途方も無いことなのだろう
そんな風にして
2022年がゆく
時が空に吸い込まれてゆく
2023年に、吸い込まれてゆく