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第3課題 LADYBUG 第3問


 ナナは再び歩き始めた。


 暗闇の世界を克服した自信からなのか、先ほどより足取りが軽い。


 電車の揺れに合わせ、軽快なタンゴのステップを刻む。


 そのステップ一つ一つが、俺の脳幹から体全体を振動させる。


「こんなエクスタシー、今まで味わったことも無いぜ。ナナ、やっぱりお前は俺が思っていた通り最高だぜ」


 ナナは俺の言葉には一切耳を傾ける事無く、一心不乱にステップを刻み続ける。


 そして、鼻の最深部にある空間、蝶形骨洞まで辿り着いたところで、踊りを止めた。


 ナナはその場でお道化るようにくるりと回って見せた。


 額から飛び散る汗が、ダイアモンドのように輝く。


 でもあんなに激しく踊ったにも関わらず、相変わらずドレスは皺一つなく端整な輝きを放ち続けている。



「え、もう一回言ってくれないか?」


 すっかりナナのタンゴステップに心を奪われていた俺に、ナナは突然話しかけてきた。


 その吐息に含まれたメッセージを一言も聞き逃すまいと、全神経を集中させる。


 なるほど。


 どうやら、ナナは俺をハイジャックするようだ。



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