第3課題 LADYBUG 最終問題
渋谷駅では多くの乗客が降り、新たな乗客へと入れ替わる。
意識を無くしたまま俺は、人波に押し出される格好で渋谷駅に降ろされ、そこでようやく意識を取り戻した。
だがまだ頭が朦朧としている。
ちょっと休憩をしようと、空のベンチに向かって歩き始めたが、すれ違ったサラリーマンにぶつかって転んでしまった。、
「お姉さん、大丈夫?」
「お姉さん?」
立ち上がって駅構内の鏡の前に立つと、そこには、いかにも育ちが良さそうで、ちょっとクールな雰囲気の女性が映っていた。
ダボダボの警備員服の上から羽織っている、黒いドット模様が施された赤いハードコートが印象的。
俺が右手を上げると、その女性は左手を上げた。
髪の毛に手を伸ばすと、しっかりカールされた縦巻きヘアーが指に絡み、シャネルNo.5の香りが上品に漂った。
反射的に胸を触ると豊満な乳房があった。
乳首を軽く刺激してみると、今まで感じたことの無い興奮が沸き起こった。
ひょっとして、と股間に手を伸ばすと、いつもあるべき肉棒が無くなっていた。
☆
心を落ち着かせる為、俺は手にしっかりと握られていたレイディバッグからヴァージニアスリムを取り出し、驚くほど赤いマニキュアが施された細い指で火を点ける。
ゆっくり、大きく肺まで吸い込み、ふーっと煙を吐く。
すると駅員が慌てて飛んできた。
「お客さん、駅構内は禁煙ですよ! 一体何をしてるんですか?」
仕方なく私は吸いかけのヴァージニアスリムを床に投げ捨て、何故か利き足とは逆の右足でもみ消した。
そして、駅員に向かってこう尋ねた。
「千葉に行くには、どの電車に乗ればよいのかしら?」
(第3課題 終)




