とある転生吟遊詩人のはなし その3
俺死んだ。
異世界に転生。
異世界で吟遊詩人として旅をしている。 ← 今ここ
吟遊詩人として各地を旅する。
俺が望んだ事なので不満はない。
転生時に、チート能力を貰ったおかげで、無事に旅を続けられている。
娯楽の少ない世界だ。
大抵の場所で歓迎される。
ある時、俺は元の世界の昔話を披露したらどうなるだろうと思いつく。
勿論、そのままでは伝わらないので、こちらの世界的にアレンジを加える。
面白そうだ、やってみよう。
問題は何を題材にするかだが……
よし、桃太郎、浦島太郎ときたらこれしかない!
『三年寝太郎』
……嘘です。
ごめんなさい。
『金太郎』
です。
一部では昔話、三太郎などと言われつつも、
どんな話?
と聞くと、知らない人が多い不遇な物語だ。
アレンジを加えて披露した結果……
まさかの大人気!
不遇な物語なんていって、すみません。
アレンジを確認。
マサカリかついだ金太郎。
↓
斧使いの金太郎に変更。
厳密にはマサカリと斧は違うのだが、そこは無視。
熊と相撲。
↓
相撲の説明が面ど…ゲフン、難しいので、
熊と山のボスの座を争って、勝つ。
熊を部下した、に変更。
山の動物たちが困っていると助けてあげる。
↓
動物達に、何かあれば助けてあげ、
襲ってくる魔物たちを退治する、に変更
山にお侍さんがやってくる。
↓
騎士団がやってくるに変更。
源頼光にスカウトされる。
↓
騎士団長にスカウトされる、に変更。
そして、騎士団に入団して、大活躍。
あれ、立派な立身出世物語じゃないか。
なぜ、日本であまり知られていないんだろう?
やっぱりあれか?
まさかりかついだ、おかっぱ頭、金と大きく書かれた前掛け。
見た目か?
やっぱり見た目が重要なのかぁ~?
取り乱しました。
ともかく、『金太郎』は俺の鉄板ネタの一つに加わった。
めでたし、めでたし。