とある転生者の失敗
俺死んだ。
異世界に転生できるらしい。
転生条件を相談。 ← 今ここ
自慢じゃないが、本当に酷い人生だった。
チビ・デブ・ハゲの三重苦だけでなく、
身体も弱く、病気がち。
常に汗をかいていて、体臭、口臭がキツく、
運動は苦手、頭も悪い、おまけにセンスも良くなく、貧乏。
これだけ条件が揃っていれば、異性にモテる筈も無く、
あらゆる異性に嫌われていた、と言っても過言ではなかった。
童貞のまま死ぬと知っていれば、
借金してでも、風俗に行っておけばよかったな。
そんな俺だから、
神様から、転生の条件を聞かれて、
こう答えてしまったのは、仕方がないだろう?
「今までとは正反対の人生をおくりたい!」
「ほう、ここまでノータイムで答えるとは珍しい。
よかろう、かなえてやろう!」
「本当ですか!
よし、これで今度の人生は勝ち組決定だ!」
ひょっとしたら、ハーレムでウハウハとかもあるかも
あっ、そうだ、一応確認しておこう。
「あのぉ~、転生先の世界って一夫一妻制ですか?」
「うん?変なことを気にするのう
一夫多妻もあれば、一妻多夫もあるのう」
よっしゃぁ~!!
ハーレム有りじゃん。
むしろ、ハーレムルート一直線でしょう!
そうと決まれば、神様、はよ!
こうして私は転生した。
私の希望は確かに叶った。
いや、叶ってしまった。
頭髪はふさふさ。
身長はやや高すぎかもしれないが低すぎるよりはいいかな。
デブではない。
むしろ、スタイルはいい方と言えるだろう。
頭脳明晰、運動神経抜群。
体臭や口臭は自分ではよくわからないが、
臭いと言われたことはないので、大丈夫だろう。
そして、異性にもモテモテだ。
もう、嫌になるくらいモテまくりだ。
っていうか、もう、本~当に嫌だ!
男にモテても嬉しくねぇよ!!!!
何で、性別は男のままでって言い忘れてたんだ~
やり直しを要求する!