夢
メモ
目の前に映るのは、硝煙と炎に包まれ変わり果てた姿の家。
その前で血を流す両親と双子の兄。
自分はうまく頭が働かずただそれを見ているだけしか出来なかった。
両親の体を足で押さえつけているのは見たことのない獣だ。彼らの身体にこびりついた血は家族が流したものなのかは分からなかった。
どうすればいいのかもわからず、ただ腰が抜けて動けなかった自分に、息も絶え絶えの母が逃げてと零す。
決死の思いで我を振るい立たせ、震えが止まらない身体でその場から逃げた。家族を助けることも出来ずただ自分はその場から逃げることしか出来なかった。
ふと目が覚めると自分はソファーで寝ていた。
誰かの慌てたような声で目を覚まし、その声の主の方を向くと、扉に立っていた彼は珍しく真剣な顔をしていた。白髪混じりの短い銀髪に、厳つい顔立ちに反して面倒見のいいおじさん(おじさんと言うと怒るが)。
続いて部屋に入ってきたのは、チャイニーズ系の髪を無造作に伸ばした黒髪の男性、似合わないメガネと少し汚くなった大きすぎるサイズの白衣を着ている。
慌てて入ってきた理由は敵対するグループが攻めてきたとのことだった。しかも、大きな獣の群れを引き連れて。
その言葉にゾッとしながらもやっとかという思いもあった。
ここに来てから敵対するグループと共に、獣の研究も行ってきた。狼よりも大きい犬のようなそれをどうやって操り、人を殺しているのか。
こちらが操る方法を見つけることが出来れば人数の多い敵グループもこちらを攻撃してくることもなくなるだろう。
彼らに続くように外に出ると、自分たちのボロ屋を囲むように獣の群れがあった。
昔の記憶がフラッシュバックして怯みそうになったのを、銀髪の男が心配そうに声をかけてくる。ほんと見た目とのギャップがすごい。
落ち着いてあたりをもう一度見渡す。
獣の群れの奥に立ち並ぶのは敵対するグループだった。カルト集団のような不気味な格好が夜の帳に溶け込んでさらに不気味さを増していた。
彼らの合図とともに獣がこちらに来る。
手に持つナイフルを構える。
ボロい塀を背に襲い来る獣を狙う。
圧倒的な量に怯む暇さえない。
轟く爆撃音に耳を抑えた直後、目の前に飛びかかろうとする獣、自分の名前が叫ばれる。
死ぬ────思わず目を閉じる。しかしいくら待てども痛みは来ない。
恐る恐る目を開けると、目の前には自分と瓜二つの顔があった。もう大丈夫と優しく笑う彼に涙がこみ上げてくる。
「兄ちゃん」
久しぶりの兄の声は、以前聞いた時から随分低くなっていた。
兄の一声で獣の動きが止まる。
敵対していた奴らはそれに怯み、こちらに銃口を向けるも何人かは逃げていった。
獣たちが兄に懐くようにひれ伏すように屈んだ。
久しぶりの兄の抱擁に涙しながら兄が随分大きくなっていることに気づいた。
場所:アメリカ
・父親が日本人、母が欧米で双子は黒髪に母譲りの顔立ちと母と同じ翡翠の瞳
・父親が結構いい仕事をしていたので結構裕福
・動物と人が完全に隔離された世界
動物を生で見たことがない
動物由来の病気の蔓延により犬や猫、鳥など人に飼われる動物という概念はなくなった
ただ、普通に動物は食べる(豚や鶏、牛など)
※それらは特別な施設で飼育、屠殺、加工され庶民の元に届けられる
・最初の場面は双子がまだ七、八歳の頃
父親が珍しく早く帰宅したためごちそうだった
足りなくなった食材を買いに弟である主人公が出掛け、帰ってきた際にあの事件が起きていた
因みに兄は母の手伝いをしていた
弟が逃げた時手持ちは少しの金銭と食材(主にパンと焼き菓子(パン屋のおばさんがおまけしたもの)
狙われた理由は恐らく父の仕事に関する
何かしらの情報を得てしまい、その情報諸共消された
この時獣を操っていたのはカルト集団、後の敵対するグループ、金で雇われた
・場面が変わった時は主人公が14、15くらい
愛する家族を意思なったあの日、偶然彼らに拾われた
信用はしていなかったが生きて獣たちを皆殺しにしようとしていたため、利用できるものは利用しようという考えだった
彼らは階級でいえば低い身分ではあるが服装や立ち振る舞いからしてかなりの高層であったと考えられる
銀髪の男にそのことがバレた日喧嘩し殴られるもその後抱きしめられそんな悲しいこと言うなと諭されその日初めて彼らの前で泣いた、それから父(叔父さんに近いかも)のように慕う
中国系の男にもその日から少しずつ関わるようになり情報を得る
何でも獣を操る術があること、あの日の事件は誰かに操られた獣がやった、つまり復讐すべきはその人間であること、そしてそれが敵対するグループでありその大元となること、その大元が父の会社に関与していたこと……etc.
・兄と再会した後、銀髪の男たちと今までのことを話す
そして兄が獣を操るすべを持っていること
カルト集団と違い薬などは使わずに言葉のみで意思疎通していることをしる
そして兄のいる場所に一緒にこないかと言われる
──自分(主人公)が命を狙われているから、と
二人で生きようという提案に思いが揺らぐ
主人公がなぜ追われているか、あの日から兄がどうやって生き延びたのかは知らない
ただ、再びあった兄の瞳は宝石のような翠ではなくそこの見えない海底のような黒い瞳だった
続きません