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18話 人材が多い理由

「ジェイド殿は人間族のクロイゼという人が、新しく財務卿になったのをご存知ですか?」

と、僕はジェイドに訊いた。


「はい、名前だけは聞き及んでおりますが…」

そうジェイドが返答したので、

「そのクロイゼさんはこちらに来る前の国でも財務卿をしていたのです。

なかなか贅沢や私腹を肥やすのを認めないクロイゼさんが邪魔になったその国の新王と側近は、濡れ衣を着せてクロイゼさんの一族郎党を死火山の火口に突き落として処刑しました。

そして自分達の息のかかった者を財務卿に据え、贅沢や私腹を肥やす為に真っ先に予算が削減されたのが教育と福祉分野でした。


閉鎖や縮小される孤児院や学校、王都の学院すら人員整理されたそうです。

これにミヒャエル子爵達を中心に、解雇された元教員や教会の司祭などが抗議を行ったのですが、謀反の意図ありとされて全員一族諸共火口に突き落とされて処刑され…結果、我が国に人材が揃っているという訳です」

そこまで一気に話すと、紅茶を飲んで喉を潤した。


静かになってしまった場だが、訊いた手前何か言わない訳にもいかずにジェイドが口を開いた。

「な、なるほど…よく分かりました。そういう事でしたら無用な侮辱や危害を加えられない様に留意させます」

「はい、よろしくお願いしますね」


その後、しばらく雑談していると出発時間が迫って来たため、改めて昼食の礼を述べた後ジェイド達は街に戻り、それに合わせて商人達も戻って行った。


街を迂回する道路を作りながら進軍を再開し、南下しながら道路を作り変えていく。

計画通り初日はおよそ50キロ進み(人間族の軍は1日普通20キロだそうだが)、野営の準備を始めた。


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