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蛾  その他 一作

掲載日:2019/08/18

「蛾」

ワレハ ガナリ


イタチコーポレーション



私は、暗闇の中に居た

どうやら、死んだらしい

体は、僅かながらに動くが

どうも、様子がおかしい

辺りは暗く、よく見えない

私は、歩こうとしたが

体の比重がおかしく

はって何とか歩く事しか出来ない

私は、困っていた

どう言うわけか、体温を、感じられず

ただ、現状を、見るだけとなっていた

視界は、良好だが、其れは、見える範囲が広いと言うだけで、どこか霞がかっていた

ふいに、私は、辺りにぼんやりとした明かりを見つけた

其れは、ゆらゆらと暗闇の中に、浮かび

私は、言いしれない恐怖からそこに飛び込んだ


「バチ」害虫灯に、虫が当たる



「にんギョウ」

夜中に、屋根裏からあえぎ声が聞こえた

私は、おそるおそる階段を上り

滅多に行くことのない二階に上がる

二階には、働いていない息子がおり

何かしらの事情が起きているのだろう

そのままほおっておいても良かったが

年頃の娘もおり

私は、勇気を振り絞り歩いたのだ

二階には、絶えず女の声が聞こえた

問題は、どうも、その声が、動いているように

遠ざかったりまた近くに来たりしている

その声の中に、小さな足音のような物まで、聞こえ始めていた

私はおそるおそる

扉を横に開いて唖然としていた

二階の床に

男が倒れており

その男の腹からはこんこんと内蔵が溢れ

血がゆっくりと吹き出した

そのとき、女の声に気が付き

床を動く物をみた

其れは明らかに、携帯端末が横滑りのように

立って走り回っていた

その画面には、ちらりと女の裸が見えた


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