14.ねえ、私が悪かったのかな
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暴力や乱暴、強い恐怖心や痴漢行為に不快になる方は、そのまま次話へ飛ばしてください。一応、飛ばしても ❓ とならないように心掛けます。
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さっき、夢の中で萌々が私をモミモミしておねだりしてた夢は、現実世界でホンマはジュードさんが揉んでた…なんて事ある?
かどうかは判らないけど、現実問題、今、正に、ジュードさんが、私の左のおちち揉み拉いてるんですけど。
「あ、あんまし大きないから、手の中で余って、愉しまれへんやろ、もう冗談はこの辺で…」
「誰が、冗談や言うた? …マジや」
ジュードさんは、そう言えば、肥えてても痩せてても、仲良うなったら関係なくなるとか、言ってたけど、マジやったんか!
下腹もっちりやのにおちちそんな大きくなくてもええのん!? 男の人の好みは解らん。
「ああ、ホンマにキューピーちゃんやな、つるんと張ってるのに柔らかくて、可愛いで」
おちちから手を滑らして、胃のあたりからお臍の下辺りまですーっと撫で下ろす。そのまま、スカートのウエスト部分から中に侵入し、下腹のおちちのように柔らかいお肉をタルタルさせて弄ぶ。
その下は、テンセルのスカートのウェストは伸びないので少しずり下げられたものの、お尻が引っかかって脱げることはない。ちょっとホッとした。
が、今度はレーヨンのイージーパンツの上から、太股を撫でてくる。
…コレは、どうしたらいいのだろうか。冗談で誤魔化せないようだし。
ジュードさんも、明日の朝、なんて事してもうたんや~と反省でドツボに嵌まるに違いない。
残念ながら、彼氏居ない歴が、現在歳の数驀進更新中の私には、切り抜け方も、彼の正気を取り戻す良い方法も、例え識っててもそれを行動にうつすタイミングの測り方も解らず、更に申し訳ないのですが、どうやら私は不感症だったようです?って心配になるくらい、乙女小説や漫画でみるような、いわゆるキモチイイ波とやらは来なかった。
ジュードさんを信頼してるからか、例の匂いの相性なのか、嫌悪感とか怒りは涌いてこないけど、困惑と焦りは、だんだんMAXに向かってるよ。どうしたらいいの~!?
「てっ! コイツ…」
ジュードさんは、私のイージーパンツのウエスト部分に手をかけてた右手から血が出てるのを舐めながら、唸る。
まだ、手首にしがみついてたヤヤちゃんを毛布の外にふりはらった。
「チ━━ッ」
再び、全身の毛を逆立てて、勢いよく飛びつき、ジュードさんの二の腕に噛みついたけど、厚手で目が詰まった硬めの生地の袖を噛むだけで、ジュードさん自身には届いてなかった。
寒くなってきた季節の野外活動用のシャツだからねぇ…。
「ジュードさん、お酒、飲んでないよね?」
「酒臭ないやろ。そんなんちゃうし。
なぁ、ヴァニラかて寂しいやろ? 誰も知り合いおらん、言葉の通じひん世界で。
同じ関西人同士仲良うしよて言うたやないか」
言ったけど、ずっと頼り切りやったけど、そんなつもりじゃなかった。
仲良くって、一緒に王都に行って、冒険者するって意味じゃないの?
「サエさんにもそうして迫ったん?」
「いんや? サエさん50前や言うたやろ。アレ、見た目が、や。中身はもっとオバサンやし、本人も生活も落ち着いてて、冒険したり、新しい生活を始める気はないみたいでな、たまに会うて、話するだけや」
こうして話しながらも、実は、私に触れようとしては、攻撃の手を休めないヤヤちゃんとずっともめている。ヤヤ、頑張れ!
ヤヤちゃんが齧り付いたままの腕で、腿を撫でたり、イージーパンツを少しずり下げたり、また露わになった腿を直接撫でたり…。
やっぱり、1度仲良くなった人だからか、嫌悪感とかはないけど、でも、だんだん、自分より大きな体に組み敷かれて動けず、体の柔らかい所を撫でたり揉んだりされる状況が、怖くなって来た。
──ワタシノシッテルジュードサンジャナイ?
舐めるような吸いつくような感じで私の首筋に口づけられると、ぞわわわ~として、鳥肌が立ち、私の上にのしかかる重い物体が、ヒトじゃないただのキモチワルイ塊のような感じがしてきて、悲しくもないのに、涙が滲み出した。
「どうして、こんな事するの?」
漫画やドラマで観るような、イヤーとかヤメテーみたいな声は出て来ない。
その代わりに、出て来たのは、なぜ? 私のどこが彼の態度を変えたの? 私が悪かったの? という純粋に、疑問だった。
今でも、彼が、最初から私に不埒な事をするつもりでついて来てくれたんじゃないと思ってる。
下心があって、面倒みてくれてたんじゃないと思ってる。
そんなの、王都までの行程プランを立ててる時の彼をみてれば、勇者召喚されたって言った時の彼の表情をみれば、こちらに落ちてきてからの5年間の話を聞いてれば、彼がそんな人じゃないって判る。
だから、きっと、ううぅん、絶対。悪いのは私。
彼の中の何かを起こすような、態度なり発言なりを、私がしてきたのだ。
ただ、残念だけど、その事が判っても、どこがいけなかったのか、何がきっかけだったのか、全く解らなかった。
それを探してる余裕は、今の私には、無い。
ヤヤちゃんが頑張ってくれてるけど、いつまでも保つものでもないだろう。
「なぁ、ヴァニラ、ただのヤラシイ気持ちやないんや、これからずっと、大事にしたるし、一緒に居ったるから、マジやから、なぁ…」
なぁ、何? 大事にしたるからヤラせろって?
パニックと恐怖と疑問と…。寒くて、怖くて、悲しくて。震えが止まらない。
私の配慮のなさが、彼の態度を変えてしまった。
私の罪なんだと思うと、私は自業自得だけど、彼が可哀想で悲しくて、寒くて怖くて、力が入らなくて、涙が止まらない。
人の善いジュードさんを、気遣いさんのジュードさんを、何も持たないで落ちてしまった世界で1人で頑張ってきたジュードさんを、私が壊してしまったのだ。
今、彼の行動を止められたら、まだ、間に合うのかな。元の世話焼き、懐っこいジュードさんに戻れるのかな。
力の入らない両手で、ジュードさんを押しやろうと踏ん張る。けど、再び首筋をペロリとされると、鳥肌がザッと強くなり、逆に力は抜けていく。
「なんや、泣いてるんか。別に、イジワルでやってんのとちゃうで? ホンマに、ヴァニラが可愛いと思うからや。怖ないで?」
「そんなんちゃうし。意地悪でこんな事出来る人やないと思ってる。
怖いんやない。怖いけど、ジュードさんが怖いんやなくて、ジュードさんをこないしてしもた自分の罪が怖いん。悲しいん。
優しい、いい人なジュードさんを、こんな事態にさせてしまって、悲しいの。…ごめんなさい」
「な、なんや、それ? 罪て。悪い事ちゃうやろ? 仲良うしよて言うてるだけやん」
私の涙に戸惑って、左のおちちに吸いついてたのをやめ、内腿を掴んだまま、目が泳ぐ。
涙には、フェロモンに近い成分が微量ながら入ってると聞いた事がある。だから、多くの男性は、女性の涙に弱いのだとか。
涙をみて戸惑うくらいなら、まだ、間に合うよね。きっと。
私がしっかりしないと!
…年上なんだし、ジュードさんのそういう事に対する興味を呼び起こした責任を取らないと!
「ね? もうやめよう? 明日は早く起きて、町に出て、王都に向けて、いっぱい歩くんだよね? もう寝ないと」
「アカリと、もっと仲良うなったらな」
「え? なんで、名前…」
「さっき、聞いたら教えてくれたやん。半ボケ状態やってもちゃんと受け答えしてたで?」
そ、そうなんか。知らんかった。寝ぼけてても、聞かれた事に答えるのか~。気をつけよう。ハズカシイ黒歴史を暴露しかねない。
「一応、聞いたら答えてくれたけど、あんまり呼ばんようにするからな」
「なんで?」
「魔力の大きい上位の者が、下位の者を真名で呼ぶと、従属させたり、精神縛ったり出来るんや。だから、魔力乗せんでも、なるべく呼び捨てないようにするんが、ここの大事なマナーや。覚えとき」
こんな時でも、聞いた事にはちゃんと答えてくれるし、優しい目も出来るんやん。やっぱり、悪い人と違う。
押し戻すのは力がたりないから、動かしやすかった右手を毛布の下から出して、ジュードさんの頰をそっと撫でる。
「仲よくするって、えっちな事するだけが仲良くなる方法じゃないでしょ?」
何を思ったか、頰を撫でる私の手をとり、指先にチュッとリップ音を立てる。
ゆっくりと、握る大きな手から、自分の右手を引き抜く。こういう時急な動きは駄目だと思う。
「それに、こういう事は、それなりに信頼し合って将来を誓った人同士がするんじゃないの? 信頼はしてるけど、出会ったばかりで、まだそんなに…」
「信頼はしてんのに、気ぃと体は赦さへんてか?」
「ジュ…」
さっきまでの優しげな、いつものジュードさんに戻りかけてたのに、急に、ちょっと怖い目をして、睨むように見下ろしてくる。
「ジュー…」
「怖いんも嫌と思うんも最初だけや、すぐに馴れる。馴れたらようなって、もっと仲良う出来るんや。心配すんなや」
なぜか、ジュードさんはもう、私の話を聞いてくれなくなった。何か、過去にあって、拒否されるんとか、否定的な言葉をかけられるとかに、心の傷でもあったのだろうか。
「ヤヤ!!」
それまで好きにさせてたヤヤちゃんを再び、掴んで川の方へ投げた。…ジュードさんらしくないような気がする。
元々水の上を歩ける、たぶん本当はヤマネじゃないんだろうヤヤちゃんの事、川に沈んだり溺れたりする事もなく、走って戻ってくる。
「ウザいんやこのちまいのが! 暫く去んどれや!」
ジュードさんの左手に、鈍く光る魔力の塊が現れ、ソレがヤヤちゃんを呑み込んだと思ったら、小さな悲鳴をあげて、ヤヤちゃんが裂けるように消えた!!
「ヤヤちゃん!! 何したの!? ねぇ、あの子に何をしたの?」
あまり動かせる空間も少ないくらい密着してるけど、なんとか両手で、ジュードさんを揺さぶる。
「俺が知らんと思てたんか? あれだけアカン言うてんのに、可愛がって、名前までつけてんのやろ?
茶味がかったグレーがヤヤで、薄白茶がネネ? ヤマネの上と下かいな。単純なネーミングやな。
心配せんでも、アレはホンマのヤマネやない。解ってんのやろ? 森に棲む魔獣…どちらかというと、妖魔やな。あの姿も実体やあらへん。アカリが、ヤマネと仲良うしたいと願ったから、あの姿に固定されただけで、元々リスなんかヤマネなんか、モモンガなんかハムスターなんか、よう判らん姿やったやろ? アカリが、小さくて可愛いヤマネが欲しいと願ったから、アカリの魔力や霊気を食うために、アカリの望む姿をしてるだけや。
肉体が無いんやから、あれくらいで死なへん。体を構成する妖気の許容量を超えた俺の魔力にパンクしただけやからな。いずれ、妖気を集めて元通りになって、アカリの魔力食いに帰ってくるわ」
「どうして…どう、して、そんな、コト、言うの? ジュードさんらしく…ない。幾ら死ななくても、元通りに、なるてゆっても、パンクさせるなんて、怖いこと、言う人やないでしょ?」
もう、私の気持ちの方がパンクしそうだった。状況の変化について行けない。
涙がどんどん溢れて、ジュードさんの表情もよく見えなくなってくる。
「俺がどんなニンゲンか、どれだけ知ってるんや? さっき、自分で言うたやないか。出会うたばかりやて…。
肌を合わせんのも、相手を知る方法の1つやろ?」
涙でよく見えない。ジュードさんが、どんな表情で言ってるのか。でも、声は本人も苦しそうだった。
私の力が抜けるのを何度か見たからか、バニラみたいな匂いがすると言って気に入ってるのか、何度も首筋を舐めたり吸ったり軽くはんだりする。
背中に寒気のような感じが走り、お腹の奥の内臓のどこかと心臓が締めつけられるように苦しい。
苦しさを我慢すると鼻に抜けるようなヘンな声が漏れる。それを、女の気持ちよさげな声に勘違いしたのか、ジュードさんは少し気をよくしたようだった。
「ほら、頑張っとらんと、もっと力抜きや」
腿の途中まで下げられたイージーパンツの隙間に手を入れて、ショーツの上から、柔らかい所をするりと撫でられると、もう我慢出来なかった。
「やっ! 嫌や、やめてぇな。もう、赦して…。私が悪かったの、謝るからあ」
「何を、謝るんや? ここまで来てやめるかいな。アカリも熱うなってるやろ。もう少し力抜きて」
ジュードさんの頭は、私の肩から首筋、耳の辺りまでに埋もれて離れないまま、楽しそうに笑う。何度も胸や下腹、ショーツの上から、柔らかい所ばかり揉んだり撫でたり、嫌がる私を押し開く感じが愉しいらしい。
「嫌やて、何回も言うてるやん。こんなん、ちゃうわ。やめてってば!」
ヤヤちゃんが弾けて、私が泣いてるのが怖いのだろう、ネネちゃんは、私の右の肩の辺り、ジュードさんの反対側で震えてる。
ヤヤちゃんのように、噛みついたり引っ掻いたりする勇気は出ないのか、ジュードさんの言うように、私の中のネネちゃんのイメージが、寧々ちゃんって呼ばれるおとなしい少女系で、反撃するとは思ってないからか。
もがきながら、ん、ん!と漏れる声が、より一層、ジュードさんのヤル気に加速度をつけるらしい。暴れる私の左足からすっかりイージーパンツを脱がしてしまった。右は膝まで穿いたままなのが、傍から見たら間抜けかもしれない。
「もう、ホンマにやめて!! 誰か、誰か、来て…」
「こんな魔獣の出る森の中に、夜中に来るヤツなんかおらんわ」
「どうしてもやりたいんやっても、もうちょっと待ってや。心の準備も出来てへんし、やったことないから、ええ反応とか出来へんし、こんな寒い外とかあり得へんやろ?」
「今、初めて言うたか?」
ジュードさん、舐めるのも撫でるのもやめて、ビックリ顔で、見下ろす。
私は、超高速で首を縦に振る。
これで赦してくれるやろか。
ジュードさんは、めっちゃ嬉しそうに笑った。
「そっか、初めてか。んなら、もうちょっと、前置き長いにしなアカンな。俺は多少キツキツでもええけど、アカリが痛おて苦しいだけで、嫌な思い出になるといかんからな」
今、正に、加速度つけて現在進行形で、嫌な思い出になりかけてますけど!
嬉しそうに、鎖骨あたりから耳朶まで首筋を攻めるのを再開する。
1度はやめてくれるんちゃうかなって期待する感じで力を抜いた分、さっきよりゾワゾワが何倍もマシマシに来る。
手の動きもさっきより優しい分しつこく、痴漢行為がくっきりと、触られてる感が浮き彫りになる。
「嫌や、ホンマに、止めてって!!」
泣くと、副鼻腔や喉が腫れて、うまく声が出なくなる。苦しくて、怖くて、寒くて怖くて、かすれた声で、それでも懇願してみた。
「心配すんなや、ちゃんとアカリも好うなるように、最初は優しぃに、ゆっくりじっくりしたるからな。怖かったら、目ぇ瞑って俺にしがみついとき。痛いんもキツいんも最初だけや、じきに好うなるから…大事にしたる、可愛がったるからな」
そんなん言われても、怖いんは怖い。初めてで、野外で強姦まがいとか、優しくするとか大事にするとか言われても、それ以前の問題やん。
もう、涙が止まらなくて、眼鏡もどこかに飛んでしまってるし、ジュードさんの顔も、その隣に見える、夜空の妙に綺麗なお月様もぼんやりとしか見えなくなって、寒さは確かに感じなくなってるけど、こんなん違うと、ただ、怖くて悲しいだけだった。
今まで震えてたネネちゃんも、震えたまま私のほっぺに寄り添う。
首筋を執拗に攻めてたジュードさんが、ふと顔を上げ、優しい表情を浮かべ、こぼれる涙を舐めとる。そのまま頰に口づけて、ぴったりと体をおしつけてきた。
それまで腿を撫でてた手が、再びショーツの上から柔らかいあたりを撫でたり揺さぶるように弄び始めると、また鳥肌がザーッと立って、震えが強くなり、涙が溢れるではなくドッと流れる。
「やっ! だめ、だめなの」
「そっか、ええんか、これ」
私は嫌だと言ってるのに、全く通じない。むしろ嬉しそうだった。
ショーツの上からとはいえ、ヘンなところ触られて喜ぶ女がいるか!?
ショーツの薄い布ごと、滅多に自分でも触らない所にジュードさんの指が侵入しようとしてくると、我慢の限界だった。
長めに、何度か悲鳴が上がる。自分が、こんな女らしい甲高い声を上げられるとは知らなかった。
「強情やな、もっと力抜いて体を楽にしなツラいだけやで」
頰を舐ったり吸ったりしてたお口が、私のそれに近づくと、ゾオッとして、ネネの方を向き、怒鳴ってしまった。
「嫌や言うてるやろ、止めて━━!!」
私の怒鳴り声にネネが全身の毛を逆立てて、私の声を再現した悲鳴を上げ空中に飛び上がり、月に向かって悲鳴を上げながら急上昇し、私の視力で見えなくなる手前で、光って弾けてしまった。
「ネネちゃん!?」
これにはジュードさんも驚いたようで、両手を地について上半身を起こし見上げた。
「アカリの感情に当てられたみたいやな…」
そんな、今度は私のせいでネネちゃんが弾けてしまったの?
ぼんやりと月を見続ける私に、力抜けてるのがやりやすいと思ったのか、まさか邪魔者がいなくなったと思ったのか、ジュードさんは、私の快感?を開発する作業に戻る。
いや、今ので拍子抜けになってくれないの?
「やっ! やぁ! やめっ!! 止めてって! バカァ! 止めてってばぁ! 誰かー!! 誰か来てー!! 止めてってばぁ! 助けてー!!」
気を抜いた分、抵抗する間もなくまともに組み敷かれてしまい、ショーツが腿の途中まで引き下げられた…
「やだっ!! やだってばぁ、もう止めて! イヤッ、嫌ぁあ…ううぇ、えっ、誰かぁ…」
泣きしゃくりながら、もう止めてはくれないのだと観念した時。
地響きを伴う大きな音がして、何が何だか解らないけど、月から蒼白い光の筋が襲ってきたように見えた。
ジュードさんが悲鳴のような呻き声を漏らして急に動かなくなる。そのまま60~70㎏はあるだろう体を、力なく私の上に投げ出した。
…え? 何? どうしちゃったの? 何が起こったの?
完全に伸びたようにのし掛かるジュードさんが視界を塞ぐし、眼鏡もどこかわからないし、よく見えないながらも、まわりを見廻す。
綺麗な満月の真ん中に、虹色に輝く長い髪を宙に遊ばせた、長身の美女が逆光で立ち、蒼白い光を纏って仄光っていた。
次回、第15話 月は見下ろす。雷鳴と美女




