6:ウソなんだろッ!?
<翌日>
瑠奈「りゅーへー♪ 昨日、どうだった?」
隆平「……瑠奈…。」
瑠奈「ん? どうしたの? 隆平?」
隆平「瑠奈…お前…塾ねぇクセに、昨日はどうして先に帰った? 理由を教えろ…。」
ギクッ…
瑠奈「なッ…何言ってんのよォ!! アタシ、昨日はちゃんと塾行ってたのよ♪」
……バレたら隆平に殺されるわ…。絶対隠し通さなければッ!!!
隆平「塾は週3回! しかも月・水・金だったろッ!!!」
…ヤバッ!! バレるッ!!!
瑠奈「や、ヤダなぁ〜! 言ってなかったっけ? 塾行く日、一日増やしたって…」
隆平「聞いてねぇ。ってか、綺里が言ってたんだよ! 瑠奈が塾行くって言って先に帰ったのがウソっぽいってな!!!」
瑠奈「……まっさかぁ〜! 綺里がそんなコト言うワケないじゃない〜! 冗談はよしこさん♪」
隆平「…“冗談はよしこさん”って……瑠奈、見た目も趣味もギャルそのものなのに、たまに言ってるコトおばさんってカンジだよな…。」
綺里「……瑠奈、隆平、おはよ。」
瑠奈「おッ、おっはよー! 綺里!!」
隆平「やっぱりウソっぽいゼ…。瑠奈が昨日塾っつったの……。」
綺里「…やっぱり?」
瑠奈「…!!!!! ホントに綺里が言ってたの……?」
綺里「うん。私が言った。」
瑠奈「キーッ!!!!! 隆平ッ!!! 死ねーッ!!!!!」
隆平「なッ…! 何なんだよッ!?」
美波「…瑠奈ちゃん、隆平くん、何やってるの…?」
瑠奈「うるさい!!!!!」
隆平「うるせぇ!!!!!」
美波(ビクッ……ふたりとも、どうしたんだろ…?)
綺里「ちょっとしたコトで、ケンカしてるんだ。今はとりあえずほっといて、向こう行こ。美波。」
美波「はッ…はい! そうですね、綺里ちゃん。」
綺里「…美波って、学級委員やってる?」
美波「え? あ、はい。そうですよ。……それが、どうかしましたか?」
綺里「いや。なんでもない。気にしないで。」
美波「あ……はい…。」
綺里「それにしても、あのふたりって仲いいな。」
美波「そうですよね。いつもなんだかんだ一緒ですもんね。まぁ、幼稚園の時からの幼なじみですからね。…私もですけど。」
綺里「美波もかー…。いいな。私にも、あんな幼なじみいてほしかったな。」
美波「そうですか? …幼なじみなんかじゃなくてもいいですよ。もう、心友じゃないですか。綺里ちゃん。」
綺里「…美波、あんたにとっては、隆平は幼なじみじゃないんだな。」
美波「えっ……?」
綺里「好きなんだろ? 隆平のコト。」
美波「…はい。でも、よく分かりましたね。瑠奈ちゃんにしか言ってないんですけどね。…瑠奈ちゃんも、好きな人がいるらしいんですけど、私には言ってくれないんです…。他の子には言ってるみたいなのに…。瑠奈ちゃんにとっては、私は“心友”じゃないんでしょうか…。」
綺里「…瑠奈にとっての美波は、きっと心友以上の存在なんだ。だからこそ、言えないんじゃないかな…。」
一体、瑠奈の好きな人は誰なんでしょうか?
…もう分かってる方もいらっしゃると思います。