なんだとぉ!!
◆――なんですとぉ!――(雄二)
俺はゆっくりと彼女をおろし一息ついた。
彼女は俺の腕から降りると服のホコリをはらいジッと俺の顔を見てきた。
(しかし、かわいいよなぁ)
「あの・・・、どうかしたか?」
そう尋ねると、彼女は首をかしげて、
「あのー、前にどこかでお会いしませんでしたか?」
「はい?」
そんなことは無いはずだ、俺はこんな世界に来たことなんて無い。
「気のせいじゃないか?それより助かってよかったな。じゃね」
こういう人からは、経験上あんまり付き合わないほうがいい。
経験と言っても16年ほどだが・・・。立ち去ろうとした。
「ちょっと待ってください」
止めるのはいいが、服をつかむのはやめてくれ。俺は苦笑いをしながら振り返ると、
「あなた、もしかして違う世界から来たんじゃないんですか?」
「!」
いきなり、確信をつかれた俺は、少し動揺した。
「やっぱり、そうですか?」
俺は、ゆっくりうなずいた。後ろにいるシルフィードさんも驚いている。
「でも、なんで分かったの?」
俺は彼女にそう尋ねると、彼女は気まずそうに俺の顔から目線をはずして、
「なんとなく、雰囲気違ったし、それに・・・」
俺はその後の言葉に、開いた口がふさがらなかった。
「この世界に、呼んだの。私ですから」
「・・・・な」
シルフィードさんも、絶句していてこの言葉だけは、そろってしまった。
「「なんですとぉ!!」」