召喚か?!
◆――目をあけると、そこは森だった――(雄二視点)
俺こと、蒲柳 雄二は今、絶賛さぼり中だ。
「あー、あったけぇ」
太陽の日差しを一身に受け、気持ちよく横になっている。
「気持ちいいなぁ」
うとうととまどろんでいると、
「す・・・・・、・・・こえ・・・・」
「?」
なんか聞こえたような。
「すい・・・せ、きこえ・・・」
「誰だ?」
起き上がって、周りを見る。しかし、誰の姿も見当たらない。
「何だ?」
「すいませ・・、きこえま・・・か?」
やっぱ聞こえた。どこからだ?
「助けて下さい!!」
「!!」
その言葉とともに、俺の視界が真っ白になった。
「は?」
ドサッ
「イテッ」
強く頭を打って落ちた。そして、このまま俺は記憶喪失に・・・
なるわけないし・・・
「なんなんだよ・・・」
そういいながら目をあけると、そこは森の真ん中だった。
「なんでだぁ!!」
◆――ここはどこ?――(雄二視点)
「どこだよここ」
俺は、つぶやきながら周りを見た。
辺りは見たこともない木々がうっそうと生えていた。
「俺、学校にいたよな」
立ち上がってみて、周りには木しか見えない。ゆっくりと適当に歩き始める。
「マジ、ここどこだよ」
茂みをかき分けると、目の前に足が出てきた。
「おわっ」
驚いて思わずしりもちをついてしまった。
自分の事ながら情けない。
おそるおそるもう一度顔を覗かせると、そこにはえらく美人な人が立っていた。
(きれいな人だなぁ)
その女性も、ジッと俺のことを見ていた。見つめあう二人・・・。
(イヤイヤ、そっちには行かないから・・・)
モノローグに突っ込むな!
どうやら、さっきからの声はこの作品の作者のようだ。
(いいのか?作者がしゃべって・・・)
いいの、いいの。
(そんなふざけた作者はほっといて・・・)
ほっとくなよ・・・。
その美女は俺の顔から、眼を離そうとしない。
「あの・・・」
痺れを切らして、声をかけると、その人は驚いたように目を見開き、
俺の顔をまじまじと見て、
「私のこと、見えるの?」
とわけの分からない事を言い始めた。
いや、いきなり変なところに来ちまった時点で、もうわけが分からないが・・・。
「まあ、見えるって言えば、見えますけど」
あいまいに答えて、茂みから出て立ち上がった。
立ち上がると以外にその女の人は意外に小さくて驚いた。
まだジッと見ている彼女を見下ろしていると、
「あなた、何者?」
と問いはじめた。
(何、言ってんだ?この子)
内心、冷や汗をかきながら考えていると、
「あなた、ちょっと来て」
「うわっと」
すごい力で引っ張られていく。
(何で、俺はこんなに不運なんだろう・・・)
神に嘆きを請いながら引きずられていく俺だった。
かなり、遅くなりました
こんごもよろしくお願いします