休息と違和感
レンは料理が得意だった。
家でも、ぼっちが多かったので、暇つぶしにネットで調べたレシピは、ほとんど作れる。
「美味です!」
キサラギは、戦いの疲れからか、女子にしては食べている。
「たまに食べるけど、料理の腕は勝てる気がしない…。」ハナも愚痴る。
「お前いろいろ属性そろってんのに、ぼっちな。」タクト
お前に言われたくない、という言葉を、彼は噛み殺した。
女性は二人で一緒に風呂に入るそうだ。合宿気分なんだろうか。
「おい、レンよ…。」
「覗かせんぞ」レンは中指を立てて、警戒レベルを表す。
「…それにしてもどう思う?この事態。」
「総理を出してきたってことは、少なくとも国を超越する、何かがいるんだろうな。それが表に出てきたのか、元からそうだったのかはわからん。いずれにせよオーバーテクノロジーだ。想像もつかん。」
「そこなんだよ。風景そのものを変えるって、今までの世界何だったの?」
「想像もできないチカラか権力を持った何かが、この国とか世界に、何かをしようとしてるのは、間違いない。俺たちは死なない程度に、レベルアップしていくしかないってことだよ。」
タクトはそれに同意した後にこう言った
「でも、ちょっと楽しくね?前よりさ。」
その発想にレンは戦慄した。この異常事態に、いち早く適応してる人間が、すぐそばにいることに。
そう言えば、この現状の全てはタクトが準備した、お膳立てのように思えた。