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イケメンぼっちのリアルRPG戦記  作者: 月読カイト
1章 神の見えざる手
6/50

ネトゲ友人


  教室のドアがガラッと空いた。

「レン?いるか」

 茶髪。ゆるふわイケメン風。目はキリッとしており、身長は180をこえるだろう、細身の青年が入ってきた。

ただし、魔法使いのローブを着ていた。

「いたいた、レン。やっぱりお前も、押したな?」

「…ハル。あいつはタクトといって、悪いやつだから、触れないほうがいい」

 タクトは同じゲームの仲間、朝のチャットの相手だ。レンと違うのは、うるさいくらいのコミュ力。明るく、気さくで、優しい。チャラいのがなければ、学年1.2を争うイケメンだろう。

  ハルを見たタクトは、思い出したように、小声で言った。

「あのさ、今すぐここを、抜け出そうぜ」

「まずいだろ。今、これかなりの非常事態だ…」

  ハルはニコニコして頭に浮かんだ小さな文字を見せた。


 LV=3


「レベル3!?お前それ…」

レンにヘッドロックして、タクトは囁く

「外に出てみたら、スライムがいてさ」

タクトは快活に続ける

「一番弱いモンスター。あんま動かねえから、魔法と杖で倒してたら、レベル上がって小銭が出てきた。なんか、強くなった気がする!そこでだ…」

 彼らはこそこそ話を始めた。

「教師にあれこれ指示されるより、俺らだけの方が、この世界には詳しい。

もう1人つれて来てるんだ。ゲームで「キララ」って名前でタンカー(盾役)やってる、こいつ」

「はじめまして。キララ改め、キサラギといいます」

大きな木の盾をもった、小柄な女の子が、タクトの後ろから、ぴこっと頭を下げた。

 キサラギは、古風な三つ編みをしている、眼鏡をかけて、どこか品のある女の子だ。

レンとキサラギは、チャットしかしたことないから、いわば「初対面」だ。

「キララって、キャラはゴツいのに、意外と小さいんだな。よろしく」

 コミュ力のないレンらしい、ひどい初対面の挨拶だ。

「レンさんこそ、そんな細身で剣振れるの?」

 負けじとコミュ力のない応答だった。

 タクトの強引な誘いで、四人は裏山の方に出た。

「さあ、こっからは自由に、かつ効率的にいこうぜ!」

 タクトは、さも自分が主人公気取りで、相変わらずお気楽者だ。

 レンの袖を掴んだままのハルとキサラギ。二人とも涙目で、役に立ちそうにない。

 これはレンの一番嫌いなパターンだ。

「面倒に巻き込まれる」


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