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電子黒板
昼を過ぎ、授業が始まる頃には、窓際のレンの席は、眠けとの戦いだった。昼食を食べ、たから、眠気は倍増した。
夢ウツツのまどろみのなか、彼はふと窓の外に目をやった。
そして女の子が、校庭に立っているのに気づいた。彼女は明らかに歳下、中学生くらいだろうか?
彼女はこちらを見ている、というより自分を見つめている、ような気がした。
そして離れていても、ハッキリ聞き取れる声で、こういった。
…はじまるよ…
おもむろに、電子黒板に、初老男性の顔が表示された。社会情勢に疎い、レンでも彼が誰だか、わかった。
総理大臣だ。
「今からこの国は変わります。統率者たる方が、『この国をサンプルに実験』をなさいます。今後のことはこれから解説があります。しっかりきいてください」
教室は先生を含め、唖然としている。
「現時点をもって、統率者のチカラによって、この国の全ての在り方は譲渡されます。しっかり変化に適応して、生きましょう」