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おさななじみ
不意に後ろから、ポンと肩を叩かれた。それは彼の幼馴染、「氷室ハナ(ひむろはな)」である。身長155cm。大きく澄んだ瞳。黒髪ストレート。発育も勉学もそこそこの模範学生。
ハナは、親同士の付きあいもあり、いつもそのレンを気遣ってくれ、留年や退学や不登校にならないよう、いろいろ世話を焼いてくれている。
「おはよ!また徹夜のネトゲ?目の下クマすごいよ」
「人の唯一の趣味を、奪わないでください」
人目もはばからないあくびをした。
「あまりハマると、現実が嫌になったりするらしいから、気をつけないと」
「もう片足突っ込んでるから。リアルはキライだし、学校にも、ぶっちゃけいきたくない。ネトゲに課金してるし」
「そういうのにお金使うの、もったいない。服とか本とかいろいろかえるよ?」
「俺には、世界で一番、有意義な使い道なんだよ」
そういって校門を通過した。