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サバイバルマッチその2

戦闘描写難しいー

 ドナルドはクラインに引きずられながら会場から出ていった。

 アインとミーナは残ったペアと戦おうと会場を探し回るが誰とも会わない。

 二人は変に思い、残りのペアが書かれている紙まで行く。

「ほんとかよ……」

「ありえないね……」

 その紙には残り2ペアが残っていることが記されていた。

 残りの1ペアは我らがアインミーナペア。

 そしてもう1ペアはすでにアイン達の後ろにいた。

「だいたいの予想はしていたけどやっぱりこのペアが残ったねお姉ちゃん」

「そうね。私の予想通りねリアナちゃん」

「違うよリアスお姉ちゃん。私が予想したんだよっ!」

 そういうとリアスは、ちょっとだけ顎を下げながら謝る。

「そうだったわね。ごめんなさい。それよりリアナちゃん、さっさとこの二人を倒しましょ?」

「そうだねリアスお姉ちゃん。さっさとこの二人を倒そうよ」

「じゃ、私は男の方を倒すからリアナちゃんは女方を倒してくれる?」

「イヤー、私が男の方を倒すー」

「あらあら、困ったわ。しょうがないですね。じゃ私が女の方を倒すから男の方はリアナちゃんよろしくね」

 アインとミーナは二人の会話をただ聞いているだけだった。

 こいつら教室の時無口だったけど本当はこんなに喋るやつらだったのか。

 呆気を取られていた二人はその隙は僅かなはずだった。


 その一瞬でリアスペアは消えていて現れた時にはもう遅かった。


「お姉ちゃん!こいつ男なのに弱いぞ!」


 リアナは木槍をアインに突き立てている。

 砂ぼこりで少し見えずらいが確実に木槍はアインに当たっている。

 そして、リアナは少し残念そうにぐいぐいと槍を押す。その度に砂ぼこりの中のアインがうめき声をあげていた。


「あらあらそれは残念でしたね。こっちは中々の手練れみたいですよ」


 リアスは初めの位置から一歩も動いていないのだがミーナへと攻撃を加えた。

 方法は弓矢。

 矢は当然木製、殺傷力はない。

 しかし、ミーナが吹き飛ばすほどの威力を持つのは弓の方だった。

 リアスの身丈ほどある様々な装飾が施された大弓。

 当たり前なことなのだが弓を引くにはかなりの膂力(りょりょく)がいる。

 それは弓が大きくなるにつれさらに大きな膂力が要求されるのだが彼女はそれを軽々と扱い果ては速射までできるという化け物じみた芸当をしている。

「ちょっと勘弁してよ。不意打ちは卑怯だって」

「あらあらこれはサバイバルマッチではなかったかな。サバイバルというのはいつ襲われるか分からないのが常識ではないかしら?」

 うぐっと、ぐぅーの音も出ない。

 ミーナは木槍を構え直した。

 大地を強く踏み込み、リアスとの距離を一気に詰めて突きの姿勢に入る。

 それに合わせて矢を射る挙動に入ろうとしたがそれでは間に合わないと判断したリアスは弓で受けることを選んだ。


「ねぇねぇアイン君。起きてくれるかな?そろそろ私退屈なんだけどなー」

 リアナは退屈そうにアインの前で座っていた。

 一方アインはぐったりとしながら座って意識がない。


 〜おーい、なんで寝てんだ?〜

 〜誰だよあんた〜

 アインの深い意識の中で誰かがアインに話しかける。

 姿は四十代くらいのおっさん。

 髪の毛は黒でもなく茶色でも白でもない。

 灰色だった。

 剽軽(ひょうきん)な出で立ちをしているくせにどこか神々しくもある。

 〜俺か?俺の名前は『 』だ。まあ今のお前では聞き取れないだろうがな。まあそんなことはどうでもいい。今はさっさとこっから出てけ坊主〜

 そう言うと灰色の髪を持つ男はアインへ手をかざす。

 するとアインは自分の意識から霧散するように消えていった。


 アインが目覚めると目の前には水玉模様の布が見えた。

 それをまじまじと見つめ、半ばまだ夢の中にいるのではないかと思いそれが何なのか確かめようと手を伸ばす。

「ひゃっ⁉︎ち、ちょっと何するですか!いきなり目を覚ましたと思ったら突然、わわたしのパパンツに手を伸ばすなんて⁉︎このっ!変態‼︎」

 突如ドゴンッ!と頭から駆け抜ける衝撃がアインを襲い、その一撃を受けて一気に夢と現の狭間から戻ってきたアイン。

 そして、自分がさっき気になっていた水玉模様の布が何なのかが分かった。

 そう、それは女の子のパンツッ!

 その正体に気づいたアインはごめんを連呼しながら立ち上がり一旦距離を置いた。

「お姉ちゃん!私絶対にこいつ殺す!わわたしのパンツを見て手を伸ばしておきながらごめんしか言わないなんて!」

 いやそこじゃないでしょとリアスはミーナの槍を受けながらツッコミを入れる。

 アインは全身の痛みに耐えながら構える。

 それを見て、リアナは目をいがらせながら槍に力を入れる。

「絶対に殺してやるんだからぁぁ!」

 構えると同時に身をかがめて力の限りで走る。

 その速さは雷の如く。

 木槍の矛先は真っ直ぐにアインの心臓を抉ぐる寸前。

 しかし、寸のとこでアインは木剣で逸らす。

 リアナは、はぁ!と気合いの声とともに追撃へと移しながらアインに変態!変態!こんのバカぁ!と罵っている。

 それに誤解だって!と焦りながら槍を流すアイン。

「だから誤解だって!ってうぉ⁉︎聞く耳持たずか……なら攻めるのみ!」

 先ほどまで守りに徹していたアインが攻撃へと移す。

 槍の攻撃の合間を縫って体移動し近づき、その距離を保ったまま動きを見る。

 そして、見つけた僅かな隙を狙ってチクチク突きを入れる。

「そぉい!」

 そんなどこかで聞いたことがあるようなないような掛け声でリアナは攻める。

「あらあら、リアナちゃん。感情に任せて槍を振ってはいけないと何度も言ってるでしょ?後でお勉強が必要かしらねぇ」

 とリアスはなぜか座りながら言った。

 隣にはミーナも座っておりリアスと楽しく談笑をしている。

 そして、姉からの言葉が掛けられた瞬間リアナは青ざめ急に大人しくなった。

 再びリアナが顔を上げると別人と見間違うほどに無表情になっていた。

「そうだったねお姉ちゃん。槍を持ってる時は感情を捨てなきゃ。ねぇ変態。君のこと少し見くびってたよ。でも次からは本気だよ?」


まだ続くよ。

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