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死亡フラグ

(死亡フラグだ)

私達5人は顔を見合わせた。


「死亡フラグ……、

とは何ですか」

軍師は眉をしかめた。


私達5人は顔を見合わせ、誰がいうのか、決めかねている。

仕方がない、年長者として、答えよう。


「私たちの世界には、未来を予測する伝統的な技術があります。

その一つがフラグというものです。

このフラグが立つと、可能性の大小はありますが、予想された結果になることが多い。

今回騎士団長が言われた言葉もフラグの一つで、

特にフラグの中でも厄介な死亡フラグに該当するパターンです」

私は答えた。


「そんなに恐ろしいものなのですか」

軍師は尋ねた。


「えぇ、最悪のパターンでは国が亡びることもあります」

私は答えた。


騎士団長の目の奥に、少し揺らぎを感じる。


「その死亡フラグとやらが、

信じられるかどうかは知らんが、

慎重になることは、悪くはない。

対処をするのも利口だと思うよ」

騎士団長は、腕を組み直し、言った。


「では、この問題を防ぐために、どのような方法を取ればよろしいか?」

軍師は尋ねた。


「現場には一定の裁量と、行動マニュアルを渡す。

それから、独断専行が目立つ場合は、

成果に関わらず降格か配置転換にする」

ミリオタは呟いた。


「独断専行は手柄欲しさですから、たしかに、これだと防げそうですね。

しかし文句は出ませんか」

軍師は騎士団長に尋ねた。


「これで文句を言うと、謀反の恐れありと、見なされるでしょうな。

さすがに文句は出ませんよ」

騎士団長は頭をかきつつ苦笑いをした。


「わかりました。それを入れて、周知徹底しましょう」

軍師は答えた。


「一ついい? 今まで、情報隠蔽とかはなかったの?」

ハッカーは尋ねた。


「全てお見通しと見えますな。たしかにありました」

軍師は頭を掻いた。


「じゃあ、報告は問題の発見者がまず伝書鳩で王城に報告を飛ばすってのは、どう?」

ハッカーは尋ねた。


「領主のメンツ・あとは領主の部下は領主の私兵ですから、少し問題があるかと」

軍師は答えた。


「それだったら、王城に連絡後、領主へ報告するという流れにすると良いのでは?

領主がメンツを奪われないようには配慮するが、領主が情報を隠蔽しようとするのは、阻止する。

あとは私兵個人に褒章を与えると、それが私兵たちの小遣いにもなるから、士気も上がるだろう」

マービンは言った。


「これで死亡フラグとやらは、消えましたかな?」

軍師は心配そうに言った。


私達5人はうなづいた。


騎士団長は大きく息を吐いた。

強面だが、責任感は強い人のようだった。


「1割ぐらいはグレーゾーンを狙う輩もいると思いますが、この層は放置しましょう。

行き過ぎると、逆に問題になります」

私は言った。


皆うなづいた。


「では防衛は先日の形式で騎士団に任せるとして、次は投石による間引きですね。

出動の計画、投石の技術と道具の伝達、人選などになります。

人選は猟師でいいですかな?」

軍師は尋ねた。


皆うなづいた。


「では投石の技術と道具の伝達は、ミリオタ殿にお願いして良いですか?」

軍師は尋ねた。


「私一人だと、不安なので、物理さん。物理学の観点から助言をお願いできますか?」

ミリオタは言った。


私はうなづく。


「では投石の技術と道具の伝達は、ミリオタ殿と物理殿にお願いします」

軍師は言った。


二人ともうなづく。


「次は出動の計画ですね」

軍師は言った。


「戦略的に言うと、特定のイベントが発生した時点で、いくつか削るほうがシンプルでわかりやすいかもしれません」

チェスは言った。


「なるほど、どんなイベントがわかりやすいですか」

軍師は尋ねた。


「個体が外に狩りに出るのは、確実にイベント発生です」

チェスは答えた。


「あとは他種族との抗争もイベント発生だね」

ミリオタは言った。


「では、個体が外に狩りに出る。他種族との抗争の時は、何体か削る。

その他にはありますか?」

軍師は尋ねた。


「褒められたことではないですが、繁殖期に入る前、もしくは繁殖期に減らすのは、後々の数を減らすことに繋がります」

化学は言った。


「すまねぇな。あんたらに、キツイ事を考えさせてしまって」

騎士団長は苦笑いをした。


「少し良いか? 繁殖期の間引きはたしかに効く。しかし繁殖期はどこの種族も警戒心が上がる。狩りをする方は、危険を伴うんだ」

猟師は頭を掻いた。


「では繁殖期前を狙いましょう。それだと警戒心はそこまで高くないのでは?」

私は答えた。


「そんなの、どうやって見分ける」

猟師は眉をひそめた。


「鳴き声が変わる。行動が変わる。あとは大体時期は一定なのでは?」

化学は言った。


「考えても見なかったが、そうだな。大体わかるよ。大体でいいんだろ」

猟師は尋ねた。


化学はうなづいた。


化学が私の服の端をぎゅっと握った。

その手は小刻みに震えており、そして氷のように冷たくなっていた。


(限界だ。そう感じた)


「内容的に刺激が強すぎるので、一旦女性陣は出ていただいて、というのはどうですか?」

私は言った。


軍師は化学の様子を見て、察したようだった。

「そうですね。今日の会議は終わりにしましょう。では物理さんと、ミリオタさん、こちらお願いします」

軍師は言った。


化学は、

私に小声で「ありがとう」と言った。


私とミリオタは、軍師と騎士団長、猟師と共に、王城の庭園に向かった。


化学とチェスとハッカーは、ヌコタンを見に行くと言っていた。


ミリオタは騎士団長と、猟師の目の前で、投石を披露する。

始めは半信半疑だった二人だが、その威力に目を奪われた。

そして、騎士団長と猟師はすっかり投石にハマっていた。


さすがに、騎士団長は投石を採用するとは言わなかったが、役に立つことは認めていた。

猟師も弓のほうがレベルが高いと譲らなかったが、

今回の戦略では、投石を利用すると確約した。


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