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石造りの部屋はひんやりと冷えていた。

部屋には真鍮のような鈍い金色に光る鋲でふちを飾った黒い革のソファーと、大理石でできたようなテーブルがあった。

壁には、タペストリーのように派手な柄の絨毯が飾られている。


皆ソファーに座った。

座り心地は、お世辞にも良いとはいえなかった。

多分スプリングがあまり良いものではないのだろう。


侍女がお茶と茶菓子を運んできた。

お茶は茶色をしており、紅茶のような味だった。

茶菓子からは洋酒のようなニオイがした。


物理「とりあえず会議といきましょうか」

一同うなづく。


チェス「それで、このクエストの最終目的って何なのでしょうね」


ミリオタ「やはり、定番の魔王討伐じゃないですか?」

一同うなづく。


ハッカー「しかし、それだと私たちが前線に出ることになりますね」


化学「私、出たくありません」

一同うなづく。


物理「では、前線に出ない方向で、後方支援職でいいですかね」


チェス「魔法少女は世界を守るが、魔法少女は誰が守ってくれるのか?で、後方支援もいいなと思ってたから、文句はないです」

一同うなづく。


ミリオタ「基本オタは後方支援ですね。広報の支援もしますが」


ハッカー「それウケるw」

一同笑う。


化学「それで、どう納得させます?」


物理「異世界モノのテンプレだとステータス画面が見られますから、それ見せればOKなんじゃないですか?」


チェス「あの侍女さん。この世界ってステータス画面が見られたりするのですか」


侍女「マジックアイテムを使えば可能です。マジックアイテムはマービン様がお持ちです」


ミリオタ「私達ひきこもりですから、基本体力と力と素早さはなく、知力だけっぽいですものね」

一同うなづく。


ハッカー「私ハッキングなら得意なんですけどね」


化学「私は化学が得意です」


物理「私は物理学やってました」


チェス「チェスの腕はかなりです」


ミリオタ「SLGのマニア。戦略マニアです」


ハッカー「これって、戦略と戦術だけで無双できそうですね」


化学「たしかに」


物理「じゃあ前線にも立たずに、戦略だけでなんとかしましょうか」

一同うなづく。


「では当面のことは決まったので、後は随時、話し合うことにして、賢者さんの所に行きましょうか」

物理は言った。

一同うなづく。


「こちらでございます」

侍女が案内を始める。


相変わらず悪臭の漂う城内。

皆それを当然のように振る舞っている。


(こんこんこん)

先ほどとは別の部屋に案内される。

「勇者様方をお連れしました」

侍女は言った。


「あぁ勇者様方。さきほどは失礼しました。すっきりされましたかな」

マービンは言った。


物理は周りを見渡す。

私が話ししていいの?という身振り手振りをする。

一同うなづく。


「はい。それでは詳しい話を聞きましょう」

物理は言った。


「この国は、今魔王軍の侵攻を受けピンチなのです。

それを救っていただきたい」

マービンは答えた。


「ピンチというと、具体的に何が困っているのですか?」

物理は尋ねた。


「そうですね。まず村々が襲われ、人々が殺されました」

マービンは答えた。


「その殺されるのは、殺害が目的ですか?それとも別の目的がありますか」

物理は尋ねた。


「食べたあとがありますから、食料目的なのでしょうな」

マービンは眉をひそめる。


「すみません。穀物などの食料を奪った形跡、また貴金属などを奪った形跡はありましたか?」

チェスは尋ねた。


「そう言われてみると、穀物などの食料は狙われてはいませんね。家畜などは襲われています。貴金属は奪われる場合もあるかと」

マービンは答えた。


「基本的に魔王軍の構成はどんな感じですか?」

物理は尋ねた。


「魔王軍の構成は、まず魔族、これは人型の魔物です。知能が高く能力も高い。そして魔獣は獣型の魔物です。あとは魚型だったり、虫型だったり、植物型だったりもいます」

マービンは答えた。


「その魔物は世界に突然現れたのですか?」

物理は尋ねた。


「いえ。前からいたのはいました。しかし魔王の出現と共に凶暴化した」

マービンは答えた。


「この国の残存兵力は?」

物理は尋ねた。


「お恥ずかしい話ですが、先の侵攻で高レベルの騎士や魔導士たちは、命を落としました。

残されているのは、レベルの低い騎士や魔法使いたちです。しかも聖女様まで失い。聖女すら見習い聖女しかいません」

マービンの声は、そこでわずかに震えた。


「多勢に無勢だと」

物理は尋ねた。


「はい」

マービンは肩を落とした。


「このまま行くとどうなりますか?」

物理は尋ねた。


「国は滅びるでしょうね」

マービンは目を伏せた。


「私たちが手伝うメリットは?」

物理は尋ねた。


「地位、名誉、金、なんでも差し上げましょう」

マービンは答えた。


「私たちの世界では、こういう場合、特別なマジックアイテムとか、勇者しか使えない剣や鎧、魔法などが用意されているケースがありますが、そういうものはありますか」

物理は尋ねた。


「いえ。そんなモノはありません」

マービンは答えた。


一同苦笑いをしている。


「神さまが現れて、なにか特別な加護やステータスを与えるといったことはありますか?」

物理は尋ねた。


「そんなモノがあれば、私達でなんとかしてますよ」

マービンは首を横に振った。


「正直言って、私たちの見た目を見て、魔王を倒せると思いますか」

物理は力こぶを見せて尋ねた。

一同皆、力こぶを見せる。


「正直厳しいと思います」

マービンは答えた。


「ですよね。ただ、私たちのいた世界では、二通りの勇者がいました。

一つは前線に出て戦う勇者、もう一つは後方で支援をして戦う勇者です」

物理は言った。


「後方で支援をして戦う勇者ですか」

マービンは目を見開いた。


一同うなづく。その目は、物理、よくやった。という少し尊敬にも似た感情が籠っていた。


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