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蜀主二代ー三国志・劉焉と劉璋ー  作者: 涼風隼人


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第50回 (最終回)劉璋、その後

 劉璋は公安に移ってから、軍事にも政治にも関わらず、静かに暮らしていた。

 

 自分が益州牧としてできたことは何だったのか。

 民を苦しめたくない。その心だけは、常に持っていた。

 だから、すぐできることとして、税の取り立てを父の時代より少しではあるが、軽くした。

 他に何をしたか。見当たらない。

 

 実際、民の目から自分はどういう存在であったのか。

 劉備は涪城でもすぐに民の人気を取った。

 民たちの心は、侵略者に一瞬にしてもっていかれたのだ。

 「民の為に働けていなかった証拠か。」

 心で呟く。しかし、今はその様なことを考える必要はなくなったのだ。

 自分と家族の事だけを考えて、穏やかに暮らそう。

 

 西暦二二〇年(建安二五年)、劉璋は、病床についた。

 特に高熱やひどい痛みがあったわけではないが、体全体が重苦しく、横になっていることが多くなった。

 医者も原因はわからないという。

 「そろそろか。」

 劉璋は、自分の死期を悟った。

 

 言い残すことはあるか考えたが、特に思いつかなかった。

 国を滅ぼした当事者の言葉など、何の役にも立つまい、とも思った。

 

 今思えば、自分が国主に向いていないのは、誰よりも自分がわかっていた。

 息子の劉循にその座を早く譲っていれば、また違った結果があったのだろうか。

 血縁にこだわらずとも、優秀であった配下にその座を明け渡すということもできなくはなかったであろう。

 

 「結局、ことここに至っても、何も決められぬ。思いつきもせぬ・・・。」

 劉璋は後悔と自責の念にかられながら、疲れて眠った。

 そして、目を覚ますことは無かった。

 劉璋は、苦悩の中で亡くなったのである。

 

 しかし、その表情からは、その苦悩を見出すことは誰にもできなかった。

 その死に顔は、うっすらと微笑を浮かべている様であった。

 「ようやく解放される。」

 きっと、そういった安心感があったのであろうか。

 こうして劉璋は、永遠の眠りについたのである。


■おわりに

 この作品は前作の「流浪の軍師―三国志・賈詡文和伝―」より、自分にとっては難易度が高かったと思います。

反省点が多い作品ですが、ここで終了とさせて頂きます。最後までお読みいただいた方、本当に感謝をしております。ありがとうございます。

                             涼風 隼人

■参考文献

・歴史群像シリーズ⑰三国志上巻⑱三国志下巻(学研)

・世界史劇場 正史三國志 神野正史(ベル出版)

・地図でスッと頭に入る三国志 渡邉義浩(昭文社)

・「三国志」の政治と思想 渡邉義浩(講談社選書メチエ)

・正史 三国志1~8 陳寿・今鷹真・井波律子・小南一郎(ちくま学芸文庫)


■参考情報(インターネット掲載情報)

・ウイキペディア 

・三国志人物伝 

・今日も三国志日和

・もっと知りたい!三国志

・後漢と三国

・歴史の史実研究所

・歴史の読み物  

・正史三国志人物列伝 英雄と凡人のその真実

・いにしえ中国史

・草の実堂

 資料の手に入りにくい個人にとって、ネットで様々な文献からの情報を多角的な視点から掲載していただいているサイトの運営・管理に携わっている皆様には非常に感謝しております。本当に、ありがとうございます。 

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