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稼いだお金

作者: 柊 蒼輝

「こら、長女!遊んでないで白髪抜きして」

 ママが、叫ぶ。むぅと唸ると、お小遣い上げるからと言う。ママの頭は、先染めの匂いがした。

「白髪ぁ?無いよぉ」

「よぉく、探せ」

 お祖父ちゃんがお茶を啜ると、私はママの頭をわしゃわしゃ搔き毟る。あ、ここに1本。毛抜きで頑張って、掴んで引っ張る。痛い?と聞くと、ママはテレビを観ながら笑った。黒ハンカチに白髪を落とす、むぅまだあるか、なでなでしながら、髪を手櫛で揃える。めっけ、毛抜きに力を籠める。抜けた、短い。ハンカチに白髪を落とす。またわしゃわしゃと、掻き撫でる。下の方を見ると1本見つけたよし!これで最後。毛抜きを上手く掴んで髪の流れに沿って引っ張ると、するりと抜けた。ハンカチに毛を落として、後無いよと言うと、ママはブラシを持って小銭入れからお金を出す。両手を揃えて待つと手に銀色のお金が3枚落ちた。軽いと思いながら、蝦蟇財布(がまざいふ)に入れる。ぱちりといい音がして閉まった。皆の予定を聞くとお祖父ちゃんは会合、ママは弟と草むしり、パパが居てくれるらしい。パパにぼそぼそと耳打ちして、寝る支度をして布団を被った。

 刻々と昏い静まり返った深夜、うぅんと唸ると目の前に花が咲いていた。何の花?僕、水仙。花が言う。花弁をラッパにして、わっと言われる。食べられるの?と聞くと食べちゃうの?と泣く。うーんと思って、花の周りをぐるぐる周る。水仙は清廉に立ち、緑色の葉っぱがにやりと笑う。お腹すいたと手を伸ばすと、葉がするりと抜けた、花が言う、食うわるか?

 そこで目が覚めた、蛍光灯の児玉が、ぼんやりと光っている。首を廻して横を見ると弟の頭が見えた。また目を瞑る。明日が楽しみと思ってうとうとした。

 ***

 わっちゃんとうっくんと駄菓子屋の入り口を潜る、いろんなお菓子が並んでいて、わっちゃんがん-と指さす。腕のゴリオ君を撫でながら、私は叫んだ。

「おばちゃん!花の種が欲しい」

 奥から腰を摩りながら、おばさんが顔出す、種ねぇと言いながらふーむ消費税入れて3円だねと言う、くぅ1円残したかった。おばちゃんそこをなんとかっていうと、おばさんがほいじゃんけんぽんといって、手を拳にした。うーむと唸って手のひらを開くと、ほい負けた2円でいいよと言って手のひらに種を置いてくれた。お財布から銀色の軽い小銭を2枚だした。ほいね、ぱぱとあそこの公園行きな、とおばちゃんがいう。うっくんが野球しようぜえと走り出した。おばちゃんがちょいちょいと手を寄越す、耳打ちされてパパに伝えた。隣の公園で野球してた子供チームのバッグにおばあちゃんが近づくゴリオ君が鳴った。ひぃと言っておばあちゃんが逃げる。ゴリオ君を見ると、手が光っていた。パパーと言うと、パパがあっちの木陰で四葉探そうといってわっちゃんのパパとうっくんのママがベンチに座った。

 わっちゃんとうっくんと3人で、クローバーを丁寧にかき分ける。葉が三つこれも違う。うーむ少しずらしてまた探す、うーん、わっちゃん場所交換しない?移動してかきわける。蟻さんがよっこらしょと歩いて行く、重そうだと思って来た道を見遣(みや)る。四葉のクローバーがあった。やった!あった!パパーと叫ぶとパパがスコップを持ってきた。パパに教えてもらって、土を掘って種を1粒置いて、土をかぶせる。わっちゃんがなんか飲みたいと言ってベンチに走った。さてと、帰りますかとパパが私をひょいと持ち上げ荷物片手に立ち去る。種よ、眼が出てね。

「雪が、積もるといいね」

 パパがウインクする。土をかぶせた所を遠ざかりながらこれ見よがしに眺めていると、モンキチョウがふわりと舞いながら飛んでいた。

喰えるかばっけ、春を待て


-国依頼

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