天気
「今日は電波についてお話したいと思います」
「テレビのことか? ちなみにうちは、少し前にデジタル放送に変わったぞ」
「某星人が言いました。『お願い、姫様。私たちのこと、いなかったことにしないで』」
「そっちの電波かっ」
「星占いを信じるのなら、星のお告げが聞こえるたって、いいじゃない?」
「違うだろ。たぶん」
「ちなみに、私には特殊な力が備わっています」
「また電波的なことを……」
「ずばり、天候調整能力。天気を操れるのです」
「じゃあ、あした晴れにしてくれ」
「それは無理。基本的に私の能力は、部活動したくないなーとか、体育祭中止になればいいなーってときに雨を降らせることなの」
「えらく後ろ向きな能力だな、それ」
「私の力は弱いので、近所の皆さんの『雨降ってほしい』パワーを少しずつ貰って、能力を発動します」
「どこかの戦闘もので、聞くような能力だな」
「さらに、雲ひとつない青空の場合は無理。多少雲が出ていないと駄目なのです。具体的には降水確率30%くらいの曇り空」
「で、成功確率は?」
「だいたい三割くらい」
「……変わらないじゃん」
「降らなかった場合は、皆の思いが足りなかったと、納得するようにします」
「力じゃねーだろ、それ」
ちょっと息抜きに書きました。