クスノキVS上位種
クスノキ「カウノさん下がって────あれ?カウノさん?」
カウノ「大丈夫です!図書館の中に隠れてます!」
クスノキ(ほんとに何しに来たんだあの人)
「フォールアウト 歪曲展開」
まずは様子見だ。フォールアウトから波のような光を生み出す。
それは蛇のようにウネウネと予想できない動きをしながら上位種に攻撃を仕掛ける。
ゾンビであれば全滅は不可避。必殺の一撃だ。
いや、なるはずだった──────
「ヴォォォォォ!」
────また蹴って消滅させた。どこかへ弾き飛ばしたとかじゃない。蹴りの一撃だけで光を吹き飛ばしている。
では、蹴れないものだったら?
「フォローアウト 万形展開」
俺は剣の切っ先で丸を描く。その丸は大きくなり、人二人分ぐらいの大きな〇になる。
それはそのまま平面を軸にして上位種に周りを吹き飛ばしながら突進する。
これで勝ちか?蹴りでもビクともしないだろう。拳があれば何とかなるかも………拳?
「ヴォぉー!!」
───あー、拳で2枚に割りやがった。マジかよ。
──────
少し時は戻り、応接間に移動する。
茶を飲んでいる大空にカオリが近づいてくる。
「先程の話は本当でしょうか?大空様」
「あぁ事実だとも。私はクスノキを上位種討伐に向かわせた」
その言葉と共にカオリの目が変わる。疑いが核心に変わり叫ぶしか無かった。
「ふざけないでください!彼女の存在を何だと思っているんですか!?
彼女が唯一の────唯一ゾンビを消滅させることが出来る力を持った人間なんですよ!?あの子が死んだら次いつ来るか……」
大空はどれだけ責められても茶を飲んでいるだけ。何も語らない、何も示さない。
カオリは昔からこうだったと思い出した。
大空はいつも指示しかしない。その指示の先も、目的も何も言ってくれないのだ。
カオリは歯噛みして振り返る。
「どこへ行く?カオリ」
「決まってるじゃないですか。西の地区に援軍を送ります。彼女が死ぬ前に、手遅れになる前に救出を─────」
その瞬間、カオリの目の前に剣が現れる。
先程まで後ろで茶を飲んでいた大空はいつの間にかカオリの目の前にいる。
「どう言うつもりですか?」というカオリの質問に─────
「彼女を甘く見るな」
────そう一言だけ言った。
カオリはクスノキを甘く見ていない。レポートを見て、そもそもゾンビを消滅させられるだけでも切り札になり得ると確信していた。
お互いクスノキをベットしている、レイズか見送るか、その思惑の先にある未来を掴み取るのは誰なのか。
───────
場所は戻り、西の地区。
クスノキは未だ上位種と戦っている。剣と拳の音が響き渡っている。
そんな時カウノは図書館で調べ物をしていた。
1回だけ図書館のこんな噂を聞いたことがある。
「図書館にはこの世界に関する、誰も見てはいけない本があると」
カウノはそれを探している。誰も見たことが無い本、何かあると─────なにか答えがあると直感が告げている。
その時クスノキからすれば守るものがいなくなり戦いやすくなったが、それと同時に特に進展のないバトルがずっと行われていた。
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