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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
第3章 腐都乖離編
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戦いの時


クスノキ「西の地区とわかる目印ありますか?」


グリュエ「あー、目印というか、、見ればわかるわ」


クスノキ達は早速西の地区に向かう。

グリュエも後で行くと言ってギルド館に残った。

この会議室にいるのはグリュエともう一人──────



「……ねぇ、なんであんた残ってるの?アズマ」


グリュエの目先には少し俯いたアズマがいる。

何が言いたいのか、何も言いたくないのか、それすらも分からずただ何も考えていないかのようにも見える。


「お前、クスノキの戦い方見たか?」


「?。そりゃあレポート見たからね。ゾンビを消滅させる光を出すんでしょ?ゾンビの天敵ね」


グリュエもクスノキに期待をしていた。誰も死なずに西の地区を奪還できるのならこれ以上に望ましい事は無い。

(なんだ、そんな事だったのね)とグリュエが安堵すると───────



「違う」



一言。─────たった一言、それだけでグリュエを振り向かせる。

彼女もギルド長に就任してから長い。

大抵の人間が次に喋る言葉など想像がついてしまう。

ただ昔から1人だけ、目の前の幼馴染(アズマ)だけは読めなかった。


「……違う……違うんだ。俺がゾンビを焼いていた時、いち早くカウノのピンチに気づいた。

光を出して進路を阻むゾンビを消滅させたんだ」



「……それの何がいけないの?そのおかげでカウノは今も無事なんでしょ?だったら別にあなたが怒る理由なんて──────」



と、グリュエは疑問を問いかけるが本心では分かっている。

彼が何に怒っているのか、幼馴染だからこそ見ていられないのだ。

この国の民は少なからず全員ゾンビに恨みを持っている。

もちろん個人差があり”まだ、恐怖を知らないもの”や”命に変えても殺したい”と思っている者もいる。

グリュエは知っているのだ。目の前にいる幼馴染こそ、ゾンビに対して1番の恨みを持っていることを。



「……俺さ見ちゃったんだ。ゾンビが光に当てられて幸せな顔して消えていってた。

……ふざけんな。なんでアイツらが幸せな顔して死んでいく! あいつらに殺された人間が!! 苦しみの顔をして死んで行ったのに! なぜあいつらは苦しまずに消えるんだ! もっと苦しめよ……」



「でも、あいつらは元人間よ?」



「んな事分かってるよ! じゃあお前は許せるのか! 大切な人がゾンビに殺されて、そいつが元人間よだからって、苦しまずに死んでいいと思ってんのか!

ふざけんじゃねぇ! 俺は認めねぇ、クスノキだけは絶対認めねぇ、たとえ大空様があいつを認めようと、俺だけはあいつを救世主とは認めねぇ!

いいか、覚えとけ。腐王を殺すのはクスノキじゃねぇ、俺だ!」



そう言って、アズマは席を立つ。先程の荒々しい言動からは想像できないほど静かに立ち、静かに歩く。


「どこ行くの?」



グリュエの言葉はシンプルだった。アズマは不器用だ。見ていても気付かないふりをしている。

先程までの喧嘩をしていた時とは違い、心配をしている瞳だと分かっている。


「……ちょっと外の空気吸ってくる」



扉が閉まる。その後グリュエの耳に聞こえたのは風になびく紙の音と、コツコツと廊下を歩くアズマの足音だけだった。


「アズマ、あなたがゾンビを恨んでいるのは私が誰よりも知っている。

だけどね、あなたがたとえゾンビを全員殺そうと、腐王を殺そうと、”貴方の大切だった人達”はもう戻ってこないんだよ、、、馬鹿、、私の父さんだって戻ってこれるのなら……」



グリュエは窓をなぞる。ガラスに1本のつららのような跡がつく。

上から下に。

窓の外からは分からない、グリュエの目には何も出来なかった自分を恥じる一滴の涙がつららのように顔から落ちようとしていた。



──────────



一方、俺ことクスノキは西の地区に向かって歩いていた。

どうにも遠い、グリュエがいた場所が後で聞いたら東だから反対側だ。

図書館って言っていたけど、カウノは行ったことあるの?


「あぁ西の地区は、とても大きい建物があると聞きます。

ご飯も美味しいらしく、住居の入居率も高かったそうです」


なるほど、つまり行ったことは無いと。図書館って言うんだから目立つとは思うけどね。

でもこれじゃあ本当にカウノを連れていくメリットが無いな。

引き返して貰った方がありがたいんだが──────


「頑張りましょう!クスノキさん!」


────帰ってくれそうにないな。まぁ死にゃあせんだろ。さて、そろそろ西の地区が見えて来るはずだ。



【ようこそ!!西の地区へ!!!】



……何だこのふざけた看板は。

確かにグリュエは「西の地区は見たら分かる」って言ってたけどこういう事?


「大きい看板ですね。予算があったようで」



違う────違うぞ、カウノよ。ツッコミどころはまぁ多いが褒めるときでは無い。

さて歩くか。この看板をくぐるのは少し恥ずかしいが、行くしかないだろう。


──────────


少しだけ歩いただけでわかる。死臭で溢れている。あらゆる所に血が飛び散り、人間の抵抗した後が残っていた。

とてもじゃないが見たくない。だがこの道を歩く。1本だけ永遠と道に続いている血の跡を辿っていく。


広場?に出た。あるのは噴水のみだから広場と言うよりは、まぁいい例えが出ないから先に進むんだけどね。

あれが図書館かな?─────いや、かな?というより【図書館】って書いてあるから図書館なんだろうけど。


つまり黒いの(アレ)が上位種か。見れば分かる。

ゾンビの少し強いバージョンとかじゃない、文字通りゾンビとは次元が違うだろう。

だが相手が悪かったね。俺はそんなもの関係なく消滅させる。

俺はフォールアウトを取り出して、思いっきり振る。それだけで大きいかまいたちが生まれる。

さてと終わりか。帰る───────


「ヴ……ヴォォォォォ!!!!」


【ドゴォン!】



は?─────蹴った?嘘だろ?触れただけで消滅するのに?

……なんでこう、上手くいかないんだろうね。結局戦いは避けられないと。


「来なさい、上位種よ。貴方の力を全て壊して黄泉に帰してあげます」



───さぁ、戦闘開始だ。フォールアウト起動(おきろ)




読んでいただき本当にありがとうございます!




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具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にね。




そうするとロリのやる気が上がります。

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