特になんでもないあるおとぎ話
よくある御伽噺。誰が見たのか分からない空想の記憶。
見た事あるだろう?ただの村人だった男が魔王を楽に倒す物語とか。
何もしていない若者が、正義を謳う何かを守りたかった魔王を楽に打ち倒す。そんなおとぎ話だ。
自分もそんなおとぎ話の主人公だったら良かったのに。
一応生きているけど、魔王にはぼろ負け、オマケに助けると誓ったやつに助けられた。
お笑いぐさだよね。強さを誇った愚者のありふれた結末だよ。
……なのに何でかな?──────それでも少し胸が痛い。後ろを振り向くなんて誰でも出来るのに、明日を見たいと思ってしまう。
自分が欲しいのは多分その答えなんだろう。
─────────
……という事でアズマとの戦いが始まる。
こっちは乗り気じゃないのにあちらは屈伸してるよ。
幼女相手に本気になるヤツってどうよ?
「───悪いが手加減はしねぇ。見て分かる。お前強いだろ?なら老若男女関係無いよな?」
ハイハイさいですか。んで?試合形式は?殺し合いって訳にもいかないし、しりとりとかで決着つけない?
争い事は好きじゃ───────
「────という訳で1発だ。これで死ぬなよ?」
俺がアズマの方を見た時には奴はもう居なかった。後ろにいて横腹に蹴りをぶち込んでいる。
ガラガラと俺が吹き着いた壁から破片が落ちる。痛みは無い、あいつが加減してくれたのか元々のこの体の性能なのか。──────まぁ後者だろう。
さてどうするか。こんなサプライズをされてお返しないのは勇者として恥ずべきだろう。
──────自分を勇者と認めてないのはさておき少しだけ、やり返したくなった。安心しな、俺にこんだけのことやったんだ相手も1発じゃ死なないって。
「────おーい。生きてっかー?それとも本当に死んだかー?
死んでるのなら死んでるって言えー」
耳をほじりながら欠伸をしているアズマ。カオリも”やり過ぎよ!”と少し汗を流す。普通の人間なら下半身と上半身がお別れになる蹴りだ。
───という訳で始めよう。なぁ、
「1発は1発ですよね?アズマさん」
俺の正拳がアズマの腹を殴る。当たった瞬間骨の折れる音と血が見えたがまぁいい調味料ってことで。
少し痛いかもしれないが君も不意打ちしたんだからお互い様ということで吹き飛べ────!!!
アズマが言葉にならない速度で吹き飛んで行った。やり過ぎたか?と思ったがまぁ大丈夫だろ。喧嘩売ってくるぐらいだから自信があるんだろうし。
─────そろそろ出てきてくれないかな?なぁ。
「───いってぇな!コノヤロウ!」
上からアズマが降ってきた。そうそう、そうじゃなくちゃ。じゃあ続きを──────
「大空様!大変です!腐王が暴走、ゾンビが大量に国へと侵入しようとしています!」
────そんな大声で言わなくても聞こえてるよ。さてどうするアズマ勝負は……あれ?どこいったアイツ?
「アズマならゾンビを討伐しに飛んで行ったよ。彼は見返りがあればどこへだって何だってやるからね。
……君も向かってくれると嬉しい。さてどうする?」
「それは……行けってことですか?大空さん」
”さあね?どうする?”と大空は笑っているがとにかく行けってことだ。全くめんどくさい。面倒事は面倒くさいからやりたくないんだ。
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