称号
あらすじ 特になし
少しだった後だった。大空が俺の容疑を全て誤報と偽ってくれた。まぁ本人が知らないと言えば何も言えないだろう。
だが、少し遅かった。俺はあの時ゾンビを消した。あの一瞬の出来事で俺の二つ名は─────
「星の輝きのクッキー、いい名前じゃないか」
「じゃああなたが名乗りますか?大空さん」
ひとつの国に行くと変な名前がひとつ付いてくる。サイドメニューなんか誰も頼んでいないんだよ。
大空が俺を城の応接間に呼んでくれたから事なきを得てるけども、1歩でも外に出たらまた歓声が。
「裁判の件は済まなかった。ご覧の通りうちの民が持つ心は限界だ。いつ壊れてもおかしくない。いやよく今まで持ったと言うべきか?」
───他人事だな。まぁそりゃ異世界人なんだろうし、とてもじゃないが愛着なんて持てないか。
人間は国境ひとつでその者の不幸を悲しめるかどうかが決まる。世界が違えば悲しめないだろうに。
「だが、それでも私の民だ。無惨に殺されるのは夢見が悪い。なので不躾であるが君にお願いしたい。
我々の目的は【腐王の討伐】それに尽きる」
また出てきたな。腐王、やはりそいつがゾンビを生み出しているのか?まずそれをはっきりさせなければ。
「ゾンビは腐王が生み出しているんですか?その後は食われてゾンビ化して増えていくと?」
大空は何も喋らない。やばいな、俺なんかマズイこと言ったか?と思ったらフフフと笑ってる。心臓に悪いからやめてくれ。
「ゾンビを生み出したのは腐王で間違いないが、その後が分からない。君は裁判の間でゾンビ化した民を見ているね?彼に傷があったかい?」
─────確かに、特に傷は見当たらなかった。苦しんでいたが、それは突発性だろう。あの男はさっきまで俺を批判していた。道端であったら1発殴ってもいいんじゃないか?と思うレベルで罵倒されたな。
……そういえば──────
「大空さん、男がゾンビ化した時、民のひとりが「罪を償わなかった」と言っていました。あれは?」
「……あぁ、あれは気休めだよ。何処の誰が言ったのか分からないが、ゾンビ化したものは何かの罪を犯した者。つまり、罪を犯さなければゾンビ化しない。そう願っているんだ。
だからこの国の人間は罪を犯さないし、罪人を嫌っている」
────あの時、なんで俺があんなにバッシングされたのか、庇ったカウノがあんなに怒られたのか納得出来た。だとすればカウノは、そんなリスクを背負って俺を。後でお礼を言わなくちゃ。
もうひとつ聞かなくちゃいけないことが
「もうひとつ、腐王とは?」
「ん?あぁ、それは気にしなくていい。何と言うかあれは称号だからね。人を超えたものを人は超人と呼ぶだろう?それと同じさ。
君も戦ったであろう魔王アリス。彼も最初から魔王と呼ばれていたわけじゃない。悪逆非道な行いをして称号がついたんだよ」
つまり、魔王とはおさがりであり、特に意味は無いと?
─────と聞いたらどうやらそうでも無いらしい。確かに称号は勝手につくが、ステータスがアップするらしい。
要は数多いる人間の心の脅威が集まって称号は出来る。アリスがあんなに強いのも殆どの人間の恐怖の根源として君臨しているからあの強さだと言うこと。
一方サタンは勇者であるが、殆どの者はその名を知らない、現にナイフも俺に1度もサタンの話をしなかったしな。
だからそんなに力が使えなかったと。
なるほどねだったら。
「────ところで、俺もひとつ聞きたいんだけどいいかな?」
大空がこちらを見ながら少し笑う。殺意が無いのが余計恐ろしい。何をされるか分からないのだから。
「なんですか?大空さ」
「───大空でいいよ。同郷の者だ。仲良くしようじゃないか、君は日本から来た日本人だろ?」
────なんで?俺1度でも日本の言葉を口にしたか?目線がおかしかったか?それとも──────
「クッキー、隠し通せると思ってる?じゃあひとつ聞こう。【何故、ゾンビに噛まれるとゾンビ化する】と知っている?この世界にそんな常識は無い。
他の国で聞いた?残念、他の国にゾンビなんて存在しない、それにその光、誰から貰った?」
……だめだ、全部バレてる。えぇー、普通そうだと思わん?だって、ゾンビに噛まれたらゾンビ化するは全ての世界の法則だと思っていたが、仕方ないこちらも最終兵器を出すしかないか。
「今まで偽っていたこと謝罪します。大空、確かに私は日本人です、時にこれを貴方にと」
「手紙?なにこれ──────は?え?この字、、まさか」
はい、ムーンからの手紙です。一瞬で大空の目が死んだ。あぁ、どうやらトラウマだったらしい、南無三、、
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