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永劫回帰は夢を見ない  作者: ユナ
第2章 国盗り編
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ラムダ

アリスとクスノキ FIGHT!


──これは、何がどうなっている?


クスノキと別れ王宮の最上階についたナイフ。そこには倒れているマクリールがいた。


「確かユーロの妹だったか?治すのは癪だが、仕方ない。傷は深いが直せないわけでは───」


「あら?治しちゃうの?」



──ナイフがマクリールの傷に触れる瞬間。後ろから声がする。突然の衝撃にナイフは後ろにジャンプした。



「いい反射神経ね。天性のバネと言うやつかしら?」




ナイフは額にある汗を拭う。彼女を見た瞬間汗と寒気が止まらなかった。まるで肉食動物に睨まれた獲物のように。



(あー俺って本当に井の中の蛙だったんだな。

頭にアイリーン極めつけにこの女。見た瞬間から寒気が止まらねぇ。世界って広いんだな。固有魔法を使えるなんた何のアドバンテージでも無いんだな。

・・・気のせいか?どっかでこの女見た事が)




ナイフが対面したのはアリスの横にいた女。肩には日本刀をしまう鞘の様なものを持っている。

異世界人であるナイフからすれば見慣れない長い刀だった。



「この刀が珍しいの?そうね。あなたは見た事ないかも。

・・・以外と落ち着いてるわね?何か策でも?」




ある訳ねぇだろ!と心の中で思うナイフ。何をしても無駄だ。こっから突撃してもあの長い刀でリーチ差を埋めることは出来ない。

石などを投げても弾き変えられて逆に攻撃されるのがオチだ。

ナイフに出来ることは────




「そうよね。貴方はまだ弱い。であればそうやって蹲るしかない。利口な判断が出来ればあのオオカミのように死ななくて済むわ」



その言葉を聞いてナイフは思い出す。生きていたオオカミが戦ったフードの女を。



「お、お前まさかあの時のフードをつけた女か!」



「あら?やっと気づいたの?久しぶりと言うべきかしら?アイリーンを殺したんですってね。凄いわ。あの女を殺した事を生涯誇っていいんじゃないかしら?」




ナイフの手に力が入る。決して仲が良かったかと言われればそんなことは無い。だが、トラップを一緒に攻略したり地下でも信頼を置けるはずだった。

もう居ないあのうるさくグチグチ言ってくるオオカミはこの世に居ないのだ。

あの時(フォーク)と同じくナイフはまた救えなかったのだ。



(勝てる見込みは一切ない。ただ仲間の仇を撃たずに何が盗賊か!殺ってやる!命は取れなくてもせめて致命傷ぐらいは!)




「フフ、やる?」



目の前の女が日本刀を構える。煌めく光沢に白銀の刀身。見るだけでどれだけの業物かが伺える。

スラッと体を縦におり刀を抜く、刀に顔が反射している。



ナイフも構える。アイリーンとの戦いで水に濡れてしまったので火薬等も使えなくなってしまった。

あるのはフォークがたまに使っていたナイフのみ。それでもナイフは女に立ち向かう────




「やめておけ」




──ナイフの肩が掴まれる。小さな手でありながらナイフは1歩も動けない。

恐る恐るナイフは振り返る。



「お前はまだ生きている。無闇に命を散らすものでは無い」



ナイフはその声を知っている。何故ここにいるのかも分からないが、、、





「お!お前は・・・ユーロかい!!やっぱお前か!なんでここに・・・お前誰だ?」




ユーロは笑う。




「そう気づくか。俺の名はサタン。この世界ではアリスを封じた勇者であり、この国の創造主だ」



ナイフはもう呆れていた。またか。と





(またか?またなのか?またユーロの中に何かが入っているのか?何?あいつの体は空き家なのか?)




ナイフが呆れていると”結局やらないの?”と声が聞こえる。




「すまんな。こいつはこの体の主の友人だ。殺させるわけにはいかない。

それに、お前も今はまだ動かない方がいいんじゃないか?勝手な動きをしたらアリスがなんて言うか」




「フッ、ご忠告どうも。でもね大丈夫、あの人はこんな事じゃ怒らない。それはあなたがいちばん知っているのではなくて?」




サタンと女の会話はさらに続く。




「お前の名は?」




「そうね。なんて言おうかしら?ラムダとかでも名乗っとくわ。名前なんて変えすぎてもう覚えてないの」





ラムダは外に向かって歩く。ヒビが入っていていつ崩れてもおかしくないが恐れずに進んでいく。




「逃げるのか?」



挑発するサタン




「逃げる?バカ言わないで?私は私の目的を果たすだけ。あ、あとそこのあなた?」




ラムダは指さす。相手はナイフだ。




「あなたじゃねぇ、俺の名はナイフだ」




「そう、ナイフね。ねぇ、ひとつ聞きたいんだけどあの子は元気?君と一緒にいたでしょ?」




正直に言うか、それとも誤魔化すか、どちらにするかナイフは迷ったが、正直に言う。




「お前が言っているのは、頭。いやクスノキの事か?」





「そう、クスノキって言うのね?姿が変わったのにそこは変えないなんて全く困ったものね。

まぁいいわ、あの子の事よろしくね?出来る限り手伝って上げてね」





そう言ってラムダは壁の穴から落ちる。ナイフは慌ててそこに行き下を見るがラムダはもう居なかった。




「相手の方が1枚上手だったな。さて、どうするか」




サタンは悩んだふりをしているがナイフには分かる。もう自分達がやれることなんてない。もう後はあそこで戦っているクスノキとアリスの戦いを見守るだけだ。


読んでいただき本当にありがとうございます!




星を増やしてくれるとありがたいです。




面白かったと思ったらブックマーク!




感想やレビューもお待ちしております!




星ももちろん大歓迎!




具体的には☆☆☆☆☆を★★★★★にね。




そうするとロリのやる気が上がります。

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