神話のようなちっちゃな戦い
あらすじ 主人公全然出てこねぇ
走る 走る。俺は地下を走った。シロを殺された恨みでもなく、この国をめちゃくちゃした恨みでもなく。
ただ自分が気に入らないという理不尽な理由であいつの所に行く。
時に壁をぶち破り、歩くことはせずただ走る。
そんな時目の前に人影が現れる。もう俺に躊躇は無い。剣を取ろうとすると────
「頭!俺です!」
暗闇の中から出てきたのはナイフだった。勘弁して欲しい。あと少し遅かったら切っていたかも知れない。
そういえばナイフ達も地下から侵入してたんだよな。だからか。
「こちらはアイリーンと戦いこちらが勝利しました。そちらも無事なようで何よりです。
あの、ですが────」
ナイフが何か言いたそうな顔をしている。そんなに躊躇するような報告があるのだろうか?
「────あの、俺が言うのもなんですが、酷い顔してますよ。頭」
ナイフは俺に鏡を見せる。
そこに映っていたのは、地獄の鬼のような形相をしている自分だった。
だが、その顔になる原因がある。俺はナイフにシロが死んだこと伝える。あの男の事も。
「・・・そうですか。シロが。すいません、俺もアイリーンの相手で精一杯でした。残念です。ですがそれが戦争ですから。
あと、魔王アリスですか。実在していたとは、俺らの世界では何かあると魔王アリスがやってくると言われてるぐらいの厄災の象徴です。恐ろしい力の持ち主と聞かされてました」
更に言うと、ナイフ曰く魔王アリスが復活した時この世の終わりとも言われている。
昔俺レベルの奴が徒党を組んで挑んだが歯が立たなかったとも。
「それが魔王アリスですか?ナイフ」
「さぁ?どこまで尾びれがついているのか分かりません。ですが頭が脅威と思って居るのならばそれが真実でしょう。
急ぎましょう。1人で城に行ったユーロが心配です」
俺はこくんと頷く。もうこれ以上犠牲を出さない為にも早く王宮に急がなくては。
ナイフが近道を教えてくれた。
ん?「地図はどうしたんですか?」って?あっ、何処だろ。
場所は変わり、サタンとアリスの戦いが続く。
「良いね!その戦い方知っているぞ?昔、我を封印したやつによく似ているなぁ!!!!」
サタンはずっと準備していた。自分が死霊魔法で呼ばれた時からこの戦いがあると予感していた。
だからムーンの所に行って彼女の干渉を封じた。出来る限りイレギュラーは減らしたかったのだ。
万全な準備をしてこの戦いに臨もうとしていたサタン。だが─────
「くっ!こいつあの時からどれだけ強くなっている!?
復活が早すぎてまだ身体が馴染んでいないというのに!これ以上無理をするとこいつの体が、、」
サタンはアリスの復活を早くて5年後暗いと見通しを立てていた。早すぎる復活にユーロの体がこのままだと持たない。
もう既に体が悲鳴をあげ始めている。
早めに勝負をつけたいが、力を使えばこの国が吹き飛んでしまう。それはユーロの目的が叶わない。
それはサタンの願いではなかった。
今のサタンの目的は時間を稼ぐ事。自分がアリスを倒す必要は無い。利用出来るものは利用するべきだ。
─────だが、その時間潰しを許してくれるほどアリスは甘くない。
「・・・お前らしくないな?なんだ?その体を気遣っているのか?であれば本気を出させてやろう────」
サタンが上を見る。あまりの光景に目を開けさせる。アリスが出して来たのは、古来より生物や文明を尽く全てを破壊してきた宇宙の炎
「馬鹿な、隕石だと!?」
アリスの後ろから超巨大な隕石が降ってくる。隕石から出てくる光は全てを破壊する滅亡の光。音速にまで達しソニックブームを広げながら地上に落ちてくる。
勿論これをくらえばアリスとてただでは済まない。だが自分は無事であるという確信があった。
「さぁ!どうするサタンよ!お前が民を見捨てることはあるまい?この隕石を壊せなければこの国どころかこの世界が滅ぶぞ!!」
「そんな事をすれば貴様もただではすまんぞ!!」
「だろうな。だけどさ、それはそれで面白いじゃんw」
このイカレ野郎が!と思いながらサタンはアリスを無視して隕石に突撃する。
アリスは隕石を宇宙から引っ張ってきた訳では無い。隕石を魔法で再現したのだ。であれば─────
(魔法であれば核を壊せば消滅するはず!であればいくしかない!耐えろよ!ユーロ!!)
───サタンは持っていた剣に力を込める。少しづつ光り、力に耐えきれず変形していく。手は力み、その刃から魔法の一撃を放つ。それは虹色の光。全てを断罪する天からの光である。
『天流次元斬!!!!』
サタンは剣を振り下ろす。剣から放たれた魔法の光は巨大な刃のなり隕石に当たる。拮抗するが徐々に魔法の刃が押し勝っていく。
ビキビキと中心の格を真っ二つにして隕石を一刀両断した。
「お見事!!さすが俺を封印したやつだ!!いいね!」
アリスはグッドの手でサタンを褒める。
まだまだ、彼らの戦いは始まったばかりだ。
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